俺って体力あるなぁ!ギネス級じゃねぇか?(竜也)それはない(梨仔)
どうか!評価を!
俺は今、とちくるった正人に撃破された教師を背負って走っている。後ろには3人の教師達。最初は5人だったが2人脱落したので今は3人だ。
「しつこいっすよ!」
「なら逃げずに投降しろ!今なら校庭300周で許してやるぞ!」
「0一個多いっすよ!」
「我等がアイドル佐々木一美さんに罪をなすりつけようとしたお前を30周程度で許すわけにはいかん!」
そうなんだよ!皆さん聞いてくださいよ!
正人のやつ、あのあと駆けつけてきた先生に「竜也がやりました」って言ったんですよ!すぐに意識を取り戻した先生も俺の無実を証明するどころか、正人と目配せしてからなぜか「ああ。竜也にはちょっとお仕置きをしてやらねばならない」とか抜かしやがりまして、俺は孤立無援の状態ですよ!
前回かめはめ波という名の掌底を放ったのは一体誰だったのかね?
「つーか!アイドルって!?あんたらロリコンデスカ!?」
「ロリコンではない!ただ少し幼い娘が好きなだけだ!!」
「それをロリコンっつーんだよ!」
いったいこの学校は何でこんな変人ばっかり多いのだろう。というか先生としてそれでいいのか?
まぁどうせ作者の陰謀なんだろうけど。
「それになんでお前はこの学校の美女たちに囲まれてやがんだよ!どんな裏技使ってんだよ!俺にも教えろ!」
知るか!と言い返したいが、もう俺には走りながら叫ぶほどの体力が残っていない。もうぜぇぜぇと荒い息を吐きながら必死に足を動かすのみだ。
あぁ、脇腹痛い。頭も痛い。腹も減った。気持ち悪い。
「よく頑張ったがもう終わりだ!挟み撃ちだ!!!」
正面から疲れて脱落したのかと思っていた教師二人が現れる。くそ!なんとか捕まらずにいられたっていうのに!……でも疲れてたからちょうどいいかも。でも300周はなぁ・・・。つーか300周って何だよ。今日中に絶対終わんないだろ!あぁ・・・なんでこんなことになっちゃったんだ?
そんなとき、俺の走っていた方から出現してきた男たちの後ろにやたら存在感溢れる女生徒が現れたのが見えた。光の粒子すら幻視しかねない勢いの美しさを持つあの人は梨仔に間違いない!何でこんなところにいるんだ?それにあれ、あの白い板はなんだろうか。頭に掲げて俺に見えやすいようにしてくれてるようにも見える。魔法の呪文なんだそうだ。吹き出しつきで丁寧にそう書かれていた。
俺は友人の思わぬ手助けに正直泣きそうになった。俺にも味方は居たんだ…………!俺は変態紳士どもにもみくちゃにされながらも、どうにかそこに書いてあった文字を口に出した。
「す、ず、き、さ、え?」
なんだこれ?
「しかし、反省したようだから今日の放課後職員室にこい!それだけで許してやろうじゃぁないか!」
脱落者NO.2が言った。
「どうしたんですか先生?顔が真っ青ですよ?」
「そうですよ!ついにこの憎きくそやろうを捕まえて絞る口実と機会を得たんですよ!?ここで引いてしまって私たちの……いえ、私のこのやりきれない思いをどこにぶつければいいというのですか!」
「いっいやなんでもないさ!しかし、生徒にこのような形で無理矢理反省を促すというのは教師という立場上あまりよくないだろう?ほらわかったら職員室に戻るぞ。桐島も分かったか!?お前のやったことも許した訳じゃないんだからな!?放課後必ず職員室に来いよ!」
そう言って脱落者No.2は去っていった。あとに続いて「センセぇ!納得できません!本田センセぇ!」と他の教師たちもついていく。後に残ったのは首を傾げる俺と普段見せないような怪しい笑みを見せる梨仔だけだった。今さらだけどあの人本田先生っていうのな。
「って!よく考えたらまだ1時間目が終わったころじゃねぇか!!!このままじゃ二時間目も遅刻しちまう!!!梨仔!行こう!」
「・・・・・・・お礼は?」
「えっ!!!?あぁ、ありがとう」
そう言って何を言っているかは分からないがぶつぶつ言っている梨仔の手を引っ張って教室に向かった。
キーンコーンカーンコーン
スピーカーから間抜けな音が出たとき、俺はすでに教室についていた。
まぁ、疲れました。かなり。ゴホっ
「大丈夫?」
おお!奈菜!俺はお前の優しさがこれほどあったかいことを今改めて知ったよ!!怒ると恐いことにかわりないけど、お前の優しさは俺の学校生活での唯一つの
「オアシスだよ!」
「えっ?あっそうだね?」
「あぁ!ありがとう!俺はお前の優しさに、感動した!!!!!」
「あっありがとう!」
そう言って奈菜は顔を赤く染めて下を向いた。
いじらしいぜぇ!奈菜さんかわいいわー。
「えっえぇぇぇぇえ!?!?あっありがとう!!!」
そう言って、奈菜は教室を出てどこかに行ってしまった。
「一美」
「なんだいこの女ったらし」
「なんだそりゃ?まぁそれより、声に出てた?」
「かわいい!って?」
「やっぱ出てたか・・・・・・」
やべぇ・・・・くそ恥ずかしい。この恥ずかしさはもう火山の噴火口に飛び込みたいレベルだ。溶岩で焼かれながらクロールで縦横無尽に泳ぎ回りたい!
「ねぇ、バカみたいなこといってないで私にも言って?」
一美は笑顔でそう言ってきた。
こいつはいつもこんなだったらなかなかいい女なんだけどなぁ。
「ホントに?」
「さっきのも出てたのか!?」
「もちろん!」
「はぁ・・・・・」
いつもはこんなんではないはずだが、疲れると思考がただ漏れになるこの悪癖は早くどうにかしたいものだ。
「まぁいいじゃん!言われるほうはうれしいんだから!」
あぁ、やっぱもうそういうことは考えないようにしよう。うん!そうじゃないとまた一美からそんな恥ずかしい事をせがまれてしまう。
そんなことを思っていると今度は梨仔がちかずいてきた。
「なんだ?梨仔もそんなことを言われたいのか?」
「・・・・・・私の席ここなんだけど」
そうだった!こいつらは俺の席の周りだった!えっ!?前回の題名に書いてあった?そうだね!くそ作者のたいまんだね!
ついでに俺たちの席を説明すると、俺は窓側2列目の一番後ろの席。俺の左に奈菜、右に梨仔、前に一美だ。
そう、皆さんも少し想像すれば分かるであろう。俺の周りはハーレム状態。そして俺の男友達、兼親友は一人だけ、そいつも俺の近くであり、俺の右前だ。
左前は今はいない。前はいたが、相当の不良で一人の少年に捕まって今は少年院にいるらしい。
それにしても授業はじまんのおせぇなぁ。次なんだっけ?
「梨仔。次なんだっけ?」
「理科」
あぁ。NO.2か。何であんなに顔色悪かったんだろ?
「なぁ梨仔、すずきさえってなんだったんだ?」
「あの教師の逆援相手」
逆援!??
「援交じゃなくて??」
「逆援」
世の中おかしなことになってんなぁ。
警察の猥褻も多いし、ったく守る側が犯罪犯してどうすんだよ。
キーンコーンカーンコーン
「おっ!終わったか!」
鐘がなったと同時に教室にいるみんなが机を移動し始める。
そして弁当も・・・・
「弁当!??」
「梨仔!今何時!!?」
「12時半」
うそ!?俺3時間も走ってたのかよ!?
どうりで頭痛かったり気持ち悪くなるわけだ。
「・・・・どうしたの?」
「疲れた。梨仔できたら購買でなんか買ってきてくれないか?」
「いいよ」
そう言った梨仔に500円を渡し床に転がった。みんなの目が痛いががそれどころではない。
そこで俺の意識は消えた。
タイトに言われて
焼きそばを買ってきたのだがこれはどうしよう。
竜也は気持ちよさそうに仰向けに転がりながら寝ていた。
「かわいぃ・・・・・・・・」
近くからそんな言葉が聞こえてきた。
その方を見ると、案の定奈菜が窓から身を乗り出していた。
しかし、竜也は普段は鋭い目付きに色白な顔でいつもは大人っぽい雰囲気を出しているが、こう、無抵抗な寝顔を見るとかわいいというのは奈菜だけではないだろう。
私も不覚ながらそう思ってしまった。
しかし、やられっぱなしというのは嫌だ!
普段は冷静だがやられる側に立つのは断固拒否する。
「奈菜」
「なに?梨仔ちゃん」
「マジック持ってる?」
「ああ!わかった!持ってくる!」
そう言って奈菜は私に笑顔を向けて走って行った。
奈菜は気付いていないのだろうか?奈菜が笑顔になるたびにその笑顔を見るために血走った目を見開き、男達が不埒な妄想をしながら鼻血を垂れ流しているのを。
・・・・・・・・・・・気色悪い。
「梨仔ちゃん!持って来たよ!」
奈菜ははいっ!と言って私にマジックを渡した。
さて、起きた時竜也は誰を疑うかな?まぁ十中八九一美だろうけどそれはそれで面白いからいいや。
「奈菜。竜也と一美には内緒」
「なんで?」
「その方が楽しいから」
「わかった!」
さて、竜也、起きたらまた存分に私を楽しませてくれ。