ショートストーリー 煙突掃除
「チムチムニー、チムチムニー、チムチム、チェリー♪ 私は煙突掃除屋さん♪」
ミコがクルクル回って歌いながらゴブリンを棍棒で撲殺している。まるで悪夢のようだ。なんかもの悲しいフレーズがよりシュールさを増している。そしてまた同じ歌詞のとこを繰り返しスカートをヒラヒラさせながら、逃げるゴブリンを撲殺していく。心がゲシュタルト崩壊しそうだ。
王都に向かう前に、カズマのお蔭で森に増えているゴブリンを今後の安全のために間引く事になった。
くじ引きでグループ分けしたんだが、運悪く僕はコイツと一緒になった。他のみんなもツーマンセルでゴブリンを狩りまくってる。どのペアも攻守のバランスが取れてたので危険はないだろう。
奴が歌っているのはなんかどっかで聞いた事がある歌。けど、なんの歌なんだ? その歌詞って大丈夫なのか? 十八禁の歌なんじゃないのか? だって、チムチム、チムチム言ってるぞ? しかもチェリー。もしかしてドーテーをバカにしてる歌なのか? なんか腹立ってきた。
「おい、いい加減その歌止めないか?」
「え、何で? いい歌じゃん?」
「そんなにチムチムの歌が好きなのか? たしかに僕はチェリーだ。チムチムチェリーだ。けど、それって悪い事じゃないだろ。僕は本当に好きになった人としかそういう事はしないって決めてるんだ」
「はぁー? あんた何言ってるの? わけわかんない。この歌ミュージカルの歌よ変な事言わないで。この前見た時の感動が腐るわ」
「ミュージカル? 十八禁なのか?」
「何バカな事言ってるのよ。十八禁ならあたしがはいれるわけないじゃん。あー、タッキもしかして、チムニーって何か知らないの?」
「煮たチムチム? おでん的な?」
「ばっかじゃない! 心が汚れてるからなんでも変なく聞こえるのよ。チムニーって煙突の事でこれって煙突掃除の歌なのよ。煙突掃除サイコーって感じの歌よ。あたしの好きな歌を下ネタで汚さないで」
「煙突って、あの煙をモクモク吐く煙突? なんかの例えじゃなくて?」
煙突掃除って、男の煙突を掃除してくれる夜のお姉様とかの話なんじゃないのか?
「そうよ、サンタクロースが入ってくる煙突よ」
「うん、チムニーはわかった。けど、それならチェリーはなんだ?」
「……んー、さくらんぼ? けど、煙突とさくらんぼは関係ないわよね。煙突にさくらんぼがなるわけじゃないし」
煙突に実はなんないよ。まあ、チェリーの事はわかんないから、後でネットで調べるか。けど、こういうのって後まわしにすると必ず忘れるんだよねー。けど、今手元にスマホないからしょうがない。
「ていうか、ミコ、ミュージカルなんか見るのか?」
「見るの初めてだったけど、ネネが出てて、チケット貰ったのよ。めっちゃ面白かったわよ。タッキも一緒に見に行きたい?」
「つまんなさそうだからやだ。ん、けど、ネネが出てるって事はアクションシーンもあるのか?」
「ないわよ。アクションなら、今さんざんあたしのを見てるじゃない。ね、行こうよ」
「ネネが出てるのか。少し興味わくな」
「じゃ、行くー?」
「だが断る。ミュージカルって歌ったりするんだろ。なんか昔のそういう映画みようとした事あるけどことごとく途中で寝ちゃうんだよね。闇の住民たちそういうの好きそうだからアイツら誘えばいいよ」
「ケチ」
「ケチじゃねーよ。僕はバイトとかしてないから小遣いしかないんだよ。けどアイツらネネにビビってるから行かないかもな。アイツら全員に振られたらそんときは考えてやるよ。ネネと一緒にそのチムチムの歌を大合唱してやるよ」
「だから、あたしの好きな歌をバカにしないで。いいわよ。また一人で見にいくから」
あ、ちょっと良くなかったかも。さすがに自分の好きなものをバカにされるのは嫌だもんな。
「ごめん、悪かった。もうその歌の事はいじんないから、本当意味知らなかったんだよ」
「じゃ、一度みてみなよ。チムチムニー好きになるかもよ」
結果、見に行ったら良かった。サイコーだった。誰だよドーテーをバカにした歌って言った奴。ぶん殴ってやる。自分だよ。よくミコ僕をぶん殴らなかったな。けど、よく考えるともしかしてあれって初デートだったのか?
皆様の心は綺麗だったでしょうか?
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