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第七十八話 絶望からの絶望


「一端下がるぞ」


 とにかく川の中で戦うメリットは無い。まだ距離があるから大丈夫だろう。僕は背を向け走りだす。


「ぐはっ!」


 背中が痛い。何が起こった? 僕は水の中に倒れ込む。起き上がろうとするが、下半身が全く動かない。なんとか腕だけで水から顔を出す。


「敵に背を向けるとは、素人だな」


 低い声が聞こえたと思ったら、頭を押さえつけられてまた水に……



「キャーーーーッ!」


 吊り下げられたマリンが叫んでいる。また、戻った? という事は死んだのか? さっきの声は誰だ? 聞いた事無い声だった。テンション下げたらウルルが手伝ってくれないから、心を奮い立たせ、また、さっきの成功パターンをなぞる。


「フルバースト! ハイメガウォーターカノン!」


 デカゴブリンが両手を失って倒れる。ノーマルゴブリンたちが川にワラワラ入ってくる。ここまでは一緒だ。


「戦う準備しろ!」


 僕は振り返らずにライラたちに指示を出す。これからさっきの謎の声の人物が出てくるはず。間違いなく敵だ。注意深く辺りを見渡す。もがいてたデカゴブリンが動かなくなる。あと、川に入って来たゴブリンがバタバタと倒れていく。なんか体が少し重くなったような? 

 

「!!!」


 さっきのデカゴブリンが立ち上がる。なんだありゃ。さっきもマッチョだっのに、更にデカい。しかも腕が治っている。デカゴブリンが両手を広げる。いや、手じゃない。コウモリみたいな羽根が生えている。よく見ると、頭にはさっき無かった角が生えている。


「デーモン……」 


 ライラの声がする。デーモンって要は悪魔か? アイツがさっき僕を殺した奴なら言葉が通じるはず。


「お前は誰だ?」


「初対面なのに言い草だな」


 やっぱり会話出来た。もっと下手に出たが良かったか? でも奴は敵だ。


「さっきのゴブリンなのか?」


「いや、違う。あれを触媒に受肉しただけだ。まだ足りんお前らも食ってやる」


 という事は誰かに呼び出されたって事なのか? さっき僕は秒殺された。出来れば戦いたくないな。


「僕は争う気は無いどうしたら戦わないで済むのか?」


「それは簡単。吾輩の前で死ね」


 確かに自殺したら戦わなくてもいい。けど、吾輩って、その一人称だけで弱そうに感じるな。


「戦いたくも、死にたくも無い」


「では、その娘たちを差し出せばお前は見逃してやる」


 それじゃ意味が無い。なんのために戦ってたんだよ。


「みんな助かるにはどうしたらいい?」


「吾輩は契約者により、殲滅を言い渡された。契約者より強い事、吾輩を倒せるのならお前に従おう」


 う、なんだそれ。アイツの背後にはまだアイツより強い奴が控えてるのか?


「契約者って誰だ?」


 多分クラスメートの誰か。思い当たるのは魔王のスキルのカズマ。けど、なんで僕らを殺そうとする?


「それは教えられん。聞きたいなら、吾輩を屈服させろ」


 んー、にっちもさっちも行かないな。戦うしか無いのか。水音がしたと思ったら、隣にウルルが立っている完全武装だ。


「タッキ会話は無駄だ。デーモンは悪、討伐するしか無い」


 ウルルは剣を手に突撃していく。


「止めろ」


 ブゥオン!


 風を切る音。デーモンが右手を振るう。また、ウルルが両断される。何が起こった? アイツとはかなり距離あるぞ。僕はウルルから剣を奪いデーモンに向かって走る。今回は様子見だ。


 ブゥオン!

 

 音を頼りに左に剣を立てる。


 がッ!


 予想通りだ。剣が細い剣みたいなものを受けている。それはデーモンから伸びている。爪? 爪が伸びて攻撃している。剣に食い込んでいる。鉄より固いのか? どうすればいい? クスリ飲んだ僕でやっと受けられる威力だ。反則だろ。ここからじゃガンでも狙えない。


「グワッ!」


 伸びた爪が僕の右肩を貫いている。両手の爪が伸びるのか? そう思った時には世界がくるくる回る。首刎ねられた。それにしても反則だろ。やっとデカゴブリンを倒したと思ったら更に強く変身するなんて。RPGのラスボスかよ。しかも次まで何か居るなんて……


 次はデカゴブリンが飛ぶ距離を調節して倒し、ウルルの突撃を止めて、変異中に攻撃する。けど、変異中は肉がウネウネしてて、剣で斬っても突いても効いてない。デーモンになるまで物理攻撃は効かないみたいだ。そしてデーモンになって殺される。近接戦闘では手も足も出ない。次は変異中にガンでしこたま攻撃するがそれも効かない。それから何度も何度も死に続ける。ガンの間合いだと、僕が狙って撃つのツーアクションに比べて、奴は手を振るだけのワンアクション。近接戦闘ではパワー、スピードともに追いつけない。相打ち覚悟でなんどか剣や拳を入れる事は出来たけど、硬くて全く効いてるように見えない。思いつく事をなんでも試してみるが全く手も足も出ない。ライラやウルルに手伝って貰ったりもしたが、秒殺されるだけだった。もう、何度殺されたのか分かんない。けど、全く活路が見出せない。集中してるから時間がどれくらい経ったか分からない。せめて時間までに何か少しでもコイツを倒す方法のヒントを見つけないと……




 


 読んでいただきありがとうございます。


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