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第四十七話 交渉


「という事は、ネネは魔物の巣に送られたって事か? なんでそんなことする必要があるんだ?」


 サクラが答える。


「あれを放置してたらどうなったと思う?」


「多分暴れるだろうな」


「そんな生易しいものじゃないわよ。あの雌ゴリラ、聖女の力をつかって、私たちを拷問する癒す拷問する癒すを繰り返して心を折りにくるのよ。私はその世界線で何回指をへし折られた事か……あれを暴走させないためにはこれしか方法が無かったのよ。けど、あれは迷宮でさらに強くなるのよ……」


 まじか、ネネは陰湿だとは思ったけど、そこまでやるのか。ん、迷宮で強くなる?


 ガラガラガラガラ。


 地下室のシャッターが開く。そして、そこには見知った顔。ミコだ。ふざけた事に僕のジャージを着てやがる。顔に憤怒を貼り付けている。まるで、教科書に載ってた不動明王とかそのての仏像みたいだ。軽く女辞めてる。


「あんたら、私のタッキをどこにやったの!!」


 おめーのものじゃねーよ。て言うか目の前におるよ。


「お前、どうやって来たんだよ」


「スマホで見たのよ。て言うかあんた誰? タッキはどこ?」


 気が付くと僕だけしか居ない。サクラやシノブは影の世界に逃げ込んだのか? まじ早すぎる。日の光を浴びたゲジゲジかよ。


「僕はタッキだ」


「あんた頭大丈夫? ボクっ娘がタッキなら、ネネもタッキよ」


 なんか頭弱そうな事言ってるな。


「ほら」


 僕はスマホを出す。位置情報で僕って分かるはずだ。


「えっ、もしかしてタッキのスマホを持ってるって事は、新しいセフレ?」

 

「ちげーよ。セフレなんて素晴らしいもの生まれてこの方居た事ねーよ。ミコ。よーく僕を見て。女装して化粧して、ボイスチェンジしてるけど、紛うことなくタッキだよ」


 ついでにスカートもたくし上げる。


「つ、ついてる。男の娘?」


「違うわ。色々あってだな」


「そうね。そう言えばらなんか、下品な雰囲気がタッキっぱいわねー」


 さらっと今までの事をミコに説明する。すぐに僕だって納得してくれた。顔よりも股間で認識されたのがショックだ。


「という事は、ネネはどっかに飛ばされたって事ね。そのさくらとシノブって言う陰キャを締め上げたらいい訳ね」


「ちょっと待った。アイツらには協力して貰いたい。ここからの交渉は僕に任せてくれないか?」


「ま、いっけど」


「サクラかシノブ。出てきてくれないか?」


「私で良ければ」


「ひいっ!」


 何度見ても慣れない。影の中にシノブの顔だけ出ている。


「それワザとだろ。やられた側は意外に引くぞ」


「引くって言われるとショックです。これでも私は父さんと母さんには可愛いって言われてるのに」


 まあ、両親はみんなそう言うよな。けど、床からデスマスクみたいに顔が出てたらどんな美人のでもドン引きだよ。のそっとシノブが影から出てくる。その顔が微妙に緊張している。なんて言うかミコはアンタッチャブルな空気出してるもんな。


「アンタ、たしか忍者?」


「はい忍者です。スクープカースト上位のミコさんは私の名前すら知らないんですね。暗殺しますよ」


「暗殺? 出来るもんならしてみなさいよ。私、喧嘩も弱く無いわよ」


「そうですよねー。けど、寝てるとき、お風呂に入ってる時、トイレに入ってる時、いつでも気を張って居られるんですかねー。あと飲み水食べ物になんか変なもの入ってても気付くんですか?」


「そう、それなら、そうなる前にここでアンタを消してしまえば問題無いわよね」


 怖ぇ、2人ともガチでやりそうだから恐ろしい。


「おい、待てよ。揉めるのは後にしろ。シノブ、お願いがある。僕とミコもエマに頼んで迷宮に送ってくれないか?」


「タッキ、何言ってるのよ。コイツらにそんなの頼んだら二度と帰ってこれないわ」


「ミコ、大丈夫だと思う。シノブ、お前らは僕と敵対したくないんだろ。お前らには迷惑はかけない。雌ゴリラ、いやネネも説得する。僕は強く、少しでも強くなりたいんだ。頼む。お前らの要望は出来るだけ聞く」


 サクラは僕と敵対したくないって言ってた。それは彼女たちの未来に僕が関わってるからだと思う。詳しい事は分からないけど、それを交渉材料にするしか無い。


「ミコ、頼む手伝ってくれ。僕は嫌なんだ弱いままで誰も助けられないのが」


「そこまで言うのなら、考えてもいいわ」


 なんだかんだでミコは押しに弱い。


「シノブ、サクラ、頼む力を貸してくれ」


 僕はシノブに頭を下げる。多分サクラも聞いてるんじゃないかと思う。


「私自身は、拳聖と聖女が敵対しないって言うなら問題ないわ。サクラは?」


「私もそれでいいわ」


 また、僕の影の中に顔が浮かんでいる。サクラだ。目を瞑ってるから本物のデスマスクみたいだ。けど、さすがにここまで何度もやられると慣れる。サクラが影からイグアナみたいに這い出してくる。女捨てすぎだろ。ツッコまないぞ。


「じゃ、エマに頼んで送還してもらうわね。けど、それプラス報酬も欲しいわね」


 サクラはミコに問いかける。


「お金の事ね。それなら問題ないわ。ネネを説得してから詳しい事決めるって事でいい?」


「ま、いいわよ。タッキ君、やっぱり君は特異点だよ。私が見た事が無い未来が広がっていってる。それって凄い事だと思うけど、反面、なにが起こるか分からないわ」

 

 ん、サクラの予知でも分からない事があるのか?


「そっか、けど、未来っていつも分からないもんだろ。どんなに計算してもその通りには行かないものなんじゃないか?」  


「そうかもね。エマとサリナを呼んでくるから少しまってて」


 そう言うと、サクラは僕の影に入って行く。


 読んでいただきありがとうございます。


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