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 第一話 ここはどこ? 僕は誰?


 という訳で、新しい冒険始まりです。だいたい10万字くらい書いてみようと思います。応援よろしくお願いしますm(_ _)m


「んー、なんだこりゃ?」


 僕はいつの間にか寝てたらしく身を起こす。


 草原? 


 なんでこんな所に? 寝ぼけてるのか何をしてたのか思い出せない。


 ん、そもそも、僕は誰だっけ? 


 今の格好は学校の制服。ブレザーの胸には名札がついている。『二ノ宮』、あ、そうそう僕の名前は『二ノ宮達樹』だ。


 なんで忘れてたんだろ。


 頭がボーッとモヤがかかってるみたいであんまり働かない。


 で、何してたんだろ。


 もしかして、僕って夢遊病なのか? 


 いやいやそんな訳がない。今まで生きて来た16年間、そんな体験をした事は無い。そういえば、父さんが酒を飲んだら記憶が無くなく事があるって言ってた事を思い出す。酒とか生まれてこの方飲んだ事無いからそれは多分無いだろうな。


 とりあえず辺りを見渡す。草原草原草原、遠くに森。


 おかしいな。


 今日日、日本でこんな自然しか無いとこは無いはずだ。どこでもどっかしらに文明の産物が目に入る。ポケットを漁る。スマホを出す。おかしい圏外。しかも位置情報が働いてない。電波悪いのかな?


 びちょっ。


 後ろで濡れ雑巾を叩きつけたような音がする。なんか降って来たのか? 即座に立ち上がって後ろを見る。


 なんだこりゃ?


 水色のでっかい水饅頭みたいなものがプルプルしている。もしかして、今さっきの音はこれか? さすがに僕でもこれは何か知っている。


『スライム』


 よくゲームとかに出てくる最弱の魔物だ。

 という事は、僕は全てを悟った。

 

 これは夢だ!


 なんかリアルだけど夢に違いない。


 レッツ三段論法。


 スライムはこの世に存在しない。


 夢の中は自由だからなんでも存在する。


 よって、スライムが存在するのは夢だ。


 さすが僕、冴えてる。だてにテストではクラスでトップテンにたまに入ってるだけはある。


「食らえっ!」


 とりあえず、スライムを踏んづけてやる。なんと意外に弾力がある。スライムはニュルリンと逃げ、プルッとすると、大きく跳ねる。


「うごふっ」


 モロにみぞおちに入った。この腐れスライムが! ブッ殺す!


 スライムを踏む、逃げるのヒットアンドアウェイで、少しづつ奴の体力を削っていく。だんだん奴の動きが鈍くなる。そして、ブルブル動くだけになる。


「くたばりやがれ! このゲスやろー!」


 誰も居ないから僕の口調は荒い。ゲシゲシとスライムを踏んづけるけど、最後のとどめが刺せない。不本意だけど、多分スライムは防御的なものをしてて、それで僕の攻撃が通らないんだろう。僕は灰色の脳細胞をフル稼働させる。よし、そうだ! 


「所詮スライム。人間様の叡智を見せてやる!」


 腕を回し、特撮ヒーローのような格好いいポーズを取る。そしておもむろにズボンのファスナーをあけて、おしっこをかけてやる。丁度尿意を催してたとこだ。なんかスライムは塩に弱いとかいうネタもある事だし、濃いのをかけたらダメージ入るんじゃないかという一種の賭けだ。夢だから何やってもオッケーだろう。

 ぶっかけてやると、スライムの動きは弱くなり、そして動かなくなった。とたんに何かが体の中に流れ込んでくる。体が熱い。


『二ノ宮達樹はウォーターガンのスキルを覚えました』


 頭の中に機械的な女性の声がする。あ、これって、よくファンタジーラノベとかであるやつだな。世界の声とかそんな感じのだよな? これは、なかなか親切な夢だ。


 ウォーターガン?


 もしかして、俺の僕のおしっこがスキルになったのか? なんかゲームとかでは、使った武器のスキルが上がったりするアレか?


「僕の小便は武器ちゃうわ!」


『否、魔物にとどめを刺したので武器と見なされます』


 ん、頭に女性の声。


「おいっ、あんた、色々説明しろよ。聞こえてるんだろ?」


 返事は無い。なんなんだ奴は。無駄にツッコミだけしやがって。不愉快だな。けど、ま、いっか。夢だしね。

 倒したスライムを見ると、その場でぐでーっと広がって、なんかその真ん中にキラキラした石がある。あれって確か魔石ってやつなんだろな。なんかお金になったり魔法のなんかになったりとか便利なものだ。拾っとくべきだろうけど、小便かかってるからね。しかも特別濃いやつが。どっか水がないかな。手を洗えないなら拾いたくない。けど、お金になりそうなものを置いとくのは僕の信念に反する。


「一円を笑うものは一円に泣く」


 なんか昔の偉い人の言葉でそんなのがあった気がする。財布を出して、その中にあるレシートで恐る恐る掴む。そして、土が出てるとこで転がして、違うレシートで土を払い、また違うレシートに包んでポケットに入れる。こう見えて、僕は結構な綺麗好きだ。自販機のジュースは袖で拭う派だ。聞いたとこの話では、自販機のジュースは汚い倉庫に保管されてるらしいからね。


 ひと仕事終わったので、辺りを再び見渡す。草しか無いな。


 んー、あっちに見えてる森に行くか?

 草しかないとこ歩いてたら迷いそう、いや迷うから。僕は森目指して歩き始める。



「さすがだね僕! うー、最高ーっ!」


 森に近づくと小屋が見えてきた。木で出来た小屋だ。小屋があるって事は人がいる。さすが夢だ。ご都合主義だ。まあ、小屋は逃げないから、悠々と歩いていく。


「おかしいな」


 近づいて分かる。小屋の周りは草ボーボーだ。あれは間違いなく数ヶ月以上放置されてる。小屋の扉が見える。けど、もしかしたら、あっち側にも扉があってそっちがメインの通路だったりして人が居るかもしれない。まあ、夢だから人が居るだろう。居るに決まっている。


 コンコン。


 扉を叩く。


「こんちわー。誰かいませんかー?」


 大声を出してみる。誰かいればいいなー。



 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

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