表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界での新たな人生?!  作者: WESZ
第二章 ルルア改革
27/29

第17話 成人の儀


 リーアの気持ちを優先させようと誓ったはいいが、だからと言って、

 気付いた事を放っておくわけにもいかないし、と家の中、家の周り、村の主要個所……

 と危険個所、大きな段差、尖った場所……見つけ出しては改善していく日々がしばらく続いた。


 もちろんリーアを優先しているのは変わらないが、リーアを気遣いすぎたせいで


「もう! 大丈夫だってばっ。まだ妊娠がわかった程度だし、無理しなければ普段どおりだからっ!

 チロさんも女衆もいてくれるんだから……

 貴方は村のこと考えてちょうだいっ!」


 なんて言われてしまった。


 そうは言うが、オレにとっちゃ、村のことなんざよりずっとリーアとお腹の子の方が大事だ。


 最近になって、リーアの胎内から辛うじて感じ取れるようになった子の霊気を感じるのが、

 とても好きなことになった。

 そういうわけで家の中じゃ、リーアを後ろから抱きしめたり、

 飯食うときやら、リーアとリムちゃんに算術やら文字を教えてるときにも抱えてたり……

 んで、子の霊気を感じ取ってにやにやしたり……

 と、傍目からみりゃ、いちゃいちゃしっぱなしであった。リムちゃんから相当文句言われたし。



 もっとも後で思いなおしてみれば…………

 昼は女衆の何人かに頼んでリーアに付きっきりにさせ、

 自分は、リーアの事で頭いっぱいにしつつ、家や村中の危険個所を改善、

 夜はひたすらリーアに付きっきりでちょっとでも段差があれば抱えたり……んでリーアと寝て……

 リーアが完全に寝たら、抜け出してリーアが起きる時間の3時間前くらいまで、

 ひたすら≪ポケット≫内の書を漁り妊娠中に気をつけるようなことを洗い出し……

 一歩間違えれば……いや、ほとんどストーカーまがい。一日中リーアのことばかりだったと思う。


 まあ、今までの100年近い生……いや36年の生涯+72年でなかったこと故、

 妊娠という大イベントに、完全に一色に染まり、そのことしか考えていなかったようだ。

 






 ……そう、あのことを……

 アレの対策を完全に忘れていた事に気づかせたのはリーアの一言だった。


「ねえ貴方。今日、チロさんたちと確認したんだけど、ツクシが出てたわ。

 明日、村長として一年の開始を宣言してほしいんだけど……」



 一年の開始は、村長または巫女や男頭か女頭のツクシ(名称は別にあるらしいがオレが変えた)

 を確認して村長が一年の始まりを宣言することで始まることになっている。


 と、同時にその宣言は、新しく14歳になる男女の"成人の儀"開始の合図であるらしかった。

 んで、狩りを選ばない女児は村長の家で暮らす事になる。

 本来はその選択は女児がするんじゃなく村長が選ぶらしいが、

 オレの場合、全拒否したかったが、村の状況とただよう空気が

 全員、あるいは良くて当の女児が選択という形にせざるを得なかったが。



 ……なんの対策もうってない。


 リーアのことが頭いっぱいで、結婚式の最後にちょっと言ったきりなんの対策もしていなかった…


 このままじゃ、明日から14歳にすぎない4人の少女を抱かないといけないことになりそう……


 一大事である。


 オレの……ロリっ娘リーアを孕ませといて今だ残る、常識と倫理感は……

 そんなことをしてしまえば、木端微塵になることは想像にあたわないであろう……



 いや、すでに水面兆面ギリギリであるのだ。今にもあふれそうなのだ。

 小柄な体は抱きしめやすいなあ……とか、軽くていいとか、ナニがきつくていいとか……

 すべすべの肌が気持ちいいとか、これなら同時に何人でもイケそうとか……

 リーアの抱くたびに、どこかささやくわけだ。心のジャスティスが砕け小さくなるのが感じるわけだ。


「………戻れなくなりそうだ……」


 なにか手は……ないか……








 …………


 焦ろうが、結局一晩じゃなにも思いつかず、朝になり、村人の前で一年の開始を宣言。

 成人の儀の開始でもある。


 開始の合図と同時に6人の少年たちが石刃の短刀、石刃の槍をもって慎重に森に入っていった。

 とりあえず鉄製の武器は使わせないようにすると話し合いで決めてあった。


 ……使うと楽すぎるらしい。一応コレは試練だから。



 …おや? 遅れて小さい娘が一人、石刃の短刀を持って森に入った。

 ふむ。どうやら女の子で一人だけコチラの試練を選んだ娘がいたようだ。


 うむ。あ――よかった。 ちょいロリすぎだわ、あの娘は。

 身長はおおよそリーアの十数センチ下。小学生高学年のように見える。

 ……頑張って獲物を捕まえ、無事試練突破してほしいものだ……



 森に入る少年少女を見送っているとチロさんから3人の娘を館に連れてくると声をかけられる……


 …………はぁ……


 あぁ……どうしたものか……





 …………


 家の居間にて、ソファに腰かけたオレの目の前には……頭を下げる3人の少女。


「あ。う……よ、よろしく、お、お願い…します」「…します」「はい~お願いしますです~」


 ……あ、アハハ……


 4人ではなく3人には減らせたが……


 4人の予定が3人になっただけでも……しかも一番幼女な娘が抜けただけでも良しとすべきか…

 それに思ったよりこちらの娘らは、ロリーな娘たちではないようだ……

 もっともオレの感覚が狂ってきている可能性も否定できないが。



 一番前に出て、最初に挨拶した、つややかな長い髪をした、リーアと同じくらいか少し低い背丈。

 年齢に似合わない大きな胸……いや巨乳ではないがCはありそうと、キュッとしまったくびれ、

 さわり心地がよさそうなまあるいお尻……とナイスバディで身長以外は高校生な娘は「アティ」。

 見るからに緊張しっぱなしで最初に挨拶したが、声は小声でぶるぶる震えている。

 立ち位置から、3人娘のリーダーっぽく見えるが……小鹿のように声も体も震えている。

 なんだか悪いことをしているような気分にさせる娘だが……まだどんな娘かは想像できん。


 つぎにアティに被さるように聞こえた小さい声の主は「アシェ」。

 この子も年以上に見える娘で背はリーアより高めはおおよそ150cm。

 おかっぱ頭でスタイルは……まぁスレンダーとでもいうか寸胴というか…太ってはないのが救い。

 スタイルこそ特質すべきことはなく、声こそ緊張で小さいが、

 その目は冷静そうで深い知性を感じらさせられる。成長させればいい参謀タイプになりそうだ。


 んで、まったく緊張感がなさそうな最後の娘は「フッラ」。

 背丈・スタイルともにリーアに似て、それより若干おさえめな娘だ。髪は普通に長い。

 ほんわか癒し系というか、のんびりやというべきか。

 ただし隠しようもなく、リーアやオレ、リムちゃんに対して一番敬意を抱いているのがわかる。

 「失礼します~」「座ってもい~いですか~?」とか礼儀正しいし、ちゃんと許可を取ったり、

 前の二人の娘のようにオレしか見てないわけでなく両脇のリーアやリムちゃんに挨拶したり。

 行動や言葉の端はしにお仕えしたいっ!っていうような雰囲気が感じられる。侍女タイプだろう。



 ……うん。まぁいいんじゃね?


 抱いてもOKだろ? 対象として見れてるし?

 ……そういう対象として見れてる時点で……もう……駄目だと思うんだ……


 特にアティちゃんなんか……グッドだろ? 彼女らもソレを望んでるし……


 【だ……めだぁ……目を覚ませぇ…… ロリィだ】


 反論する内なるもう一つの倫理派たる心の声は無視しちまう……


 実際の年より、きっと見た目が大事だと思うんだ。うん。

 見た目がOKならロリじゃないと思うんだっ! だからいいんだっ!


 そうとも! OKさ! 断じて感覚が狂ったわけじゃないさっ!


 ……彼女らは成人さっ!

 たくさん巫女を産んでもらわないといけないのだし? 戸惑う余裕なんてなんだ!

 これは必要なこと。


 ……うむっ。

 我が心は統一され、最後の葛藤は消え去った…………




 引きつってた顔が、だんだん柔和になっていくのがわかる。


 隣のリーアから安堵するような溜息が洩れた。

 見るとリーアもちょうどこちらを見て目が合う。にっこり笑ってくれた。

 ……まあ怒ってないのはうれしいが……やはり嫉妬のカケラもないのは寂しいものだよ。


 都合がいいのはいいんだが…………はぁ……



 逆隣りのリムちゃんは、逆に不機嫌っぽい。

 なぜか……


 ……いやわかってる……否、最近わかった……

 リーアにばかりかまって、いちゃいちゃしてると不機嫌になるからな。いい加減、理解できた。

 リムちゃんのほうが嫉妬してる。

 どうやらオレを独占したがってるっぽい。

 ……まあ小さい子特有のわがままのようなものだと思うが……


 こんなとき、ちゃんとかまって、頭を撫でてれば……ホラ、こうやって落ち着くし……


 ……落ち着くし…………? あら、あらら…あまり変わらない?

 ……まあ、このまましばらくすれば落ち着くだろ……




 とりあえずこの3人娘は……ああそうだ。リーアにつけよう。


「うん。3人ともよろしく。

 とりあえず空いてる部屋があるから、そこを君らの部屋として使って……あ、ベットねえな……

 まあ……今日中に作っておこう。

 普段はリーアの指示に従ってくれればいいよ。

 知ってるとは思うケド、妊娠してるから負担を減らしてやってくれ」


 うむ。この3人娘、将来的にリーア付きの侍女にしてしまおう。

 あるいは、夜いっしょに算術や文字も教えて、村人の教育係にしたり、オレの子の子守に使おう。



 ん。なかなかいい考え。


 オレは自分の思いつきに頷いて、3人娘をリーアに預ける。


 ……この娘らに関してはとりあえず、これでよしっと。

 それじゃ、オレは農業のほうの指示に出かけようかね。










 










【The third person】


 すでに高く日が昇っていたが、クイーンサイズ2つ分ほどのおおきなベットに

 3人の裸の少女たちが夢見心地なまま、まどろんでいた。


 透明度もあまりなく、つぎはぎの様にガラスに線が入り込んでお世辞にも質がいいとはいいがたい

 部屋の窓ガラスであったが、それゆえ外の景色がモザイク状になってステンドグラスのように

 様々な色が室内に差し込んでいた。


 その暖かな光と、彼女らがいままで味わったことのない獣の毛皮のような肌さわりと藁よりも軽く

 温かな布……ライブラがコピーしてだした、羽毛布団。

 その幸せな感触と、昨夜の彼女らにとって嵐の如く感じた快楽の余韻を数時間たっても今だ残し、

 いつまでも夢心地のままでいたいと思う彼女らであった。




 そのままずっと一日中いたかったが……

 春の宣言がされたとはいえ、裸では冷たい外の空気が一筋、どこからか部屋に入り、

 一番入口近くにいた3人の中で一番背丈のある少女の火照った肌を駈けていった。


「ひゃあぁぁぁっ!!」


 半覚醒状態で冷たいモノがとおった感覚にたまらず飛び起きる、おかっぱの少女……アシェ。



 突然の悲鳴に、幸せ状態であった残りの二人も身を大きくビクッっと跳ねらせると

 むくりと顔をあげ「うぅ~」と揃って恨めしそうにアシェを睨む。


「なんなのよぉ~、シーちゃん。もっと寝かせてよぉ~」

「っ~。せめて~もうすこ~しだけは、あのままでいたかったのです~」


 文句をいいつつもすっかり目が覚めてしまったようで、起き上がりお互いの姿を認めた。


「あはは……起しちゃってごめんね。外の風が入ってきたみたいなの。冷たくて」


「……うぅ~。気持よかったですのに~~。あ~。

 で~も~、はやくリーア様のとこにいかないと~~」


「あ。それは今日はいいみたいなの。昨日ね、けんじゃさま「明日はお休み」って言ってたの」


「行けって言われても無理よ! だるくて動けないわよっ。

 ……あたしたち初めてだったのに賢者様、激しすぎっ。あ~もう。ガビガビッだしっ。

 まぁ、……ミチさんがいってたほど痛くなかったし…き、気持よかったけどさ…

 あ、でもでも……三人同時じゃなくて、賢者様とふたりっきりならよかったのに!

 …………こぅ……甘いかんじで――「アティ…きれいだ…」とか、とか……

 なんて、なんてっ――きゃあ――」


「ティ、落ち着くの「!ふぎゃっ!」


 手刀一閃。アシェは実にこなれた手つきで暴走しかかったアティを止めた。

 止められたアティも止めた相手に文句一つ言わないところは、普段からこうしているのがわかる。


「ティちゃん~二人っきりがよかったなら、そう言えばよかったです?

 はじめ~賢者様、3人いっしょでいいかって~聞いたじゃないですか」


「うぅ……だ、だって、賢者様の前だと……き、緊張して。……フーちゃんは……全然平気そうね…」


「ん~へいきじゃないです~。私だって緊張しちゃいます~」


「ティちゃんはし過ぎだと思うの。けんじゃさま、ティちゃんのこと絶対勘違いしてると思うの。

 なんだか、ティちゃんに一番優しかったし。

 実は、こんなに頑丈で、乱暴にあつかってもいいこなのにね?」


「ちょ……シーちゃんヒドイっ! それはないんじゃないっ?」


「あ~からだが~賢者様ので~すごいことなってるです~温泉いくです~~」

「うん。そうだね。けんじゃさまの御屋敷は温泉が近くだし楽だね~いこ~」


 アシェの言葉に憤慨するアティを放っておいて、ベットから起き上がりふたり部屋の外に出る。


「あ――コラ~! 取り消せ~~

 …………う―― まってよぉ―― あたしもいっしょにいくから~~」


 半泣きになりながら二人を追うのだった。













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ