第13話 男尊女卑 撤廃?
いつものように夜。
夕飯後、『治癒』術の勉強したあと、リーアと一戦。
それから温泉に浸かって中で、一人で思案。
女衆を積極的に仕事に関わらせたり、あるいは試練の影響等で、
村人たちの意識も、強い男尊女卑の感覚が薄れてきたように思う。
オレが村に来た頃は、基本的にリーアやリムちゃん、長老以外の女は、
男衆に無条件で唯々諾々と従っていたし、不条理な扱いをされてきたのだが、
最近はそんな男がいると、女衆は反発するし同じ男衆からもひんしゅくをかう。
そして今、村人たちの意識は急激な改革によってもたらされる楽で気分のいい生活から、
非常に柔軟な思考になっている。
樹皮服がいい例だ。
たった30日程度で村人ほぼ全員分を作ってしまえるほど制作技術が一気に進化したぐらいだ。
大規模な――とくに男衆の反発が予想される策を実行するのは今しかないように思う。
将来の為、将来の混乱と――なによりオレの美意識を納得させるために近々策を発動させよう。
…………
寝ていたリーアが温泉に近づいてきたようだ。『探知』術の感覚が伝えた。
洗い場で体を洗っている―― そう。ようやく石鹸とスポンジが出来た。
スポンジはヘチマのような植物から。
石鹸は植物油と古木の灰を利用した石鹸砂だ。固定物ではないがある程度の効果が見られた。
村人用の温泉にも置いてある。
皆、ちゃんと使ってくれるから、以前とは違って皆、清潔好きになってきてる。いいことだ。
リーアが来た。 あいかわらず、びーなすのようなオレの嫁だ。
寝てたハズだったが起きてしまったらしい。
……リーアもそうだが、村人たちも早寝の習慣がなくなってきてる。
前まで、おおよそ夜になって、飯食ってすぐ寝るだったが――
今は夜になって飯食って、温泉入って、松脂の明かりの下で会話したり、アイデアを出し合ったり、
討論したり…… エロエロしたり…… してから寝る。
朝はほとんど起きる時間はあまり変わらないところを見ると、みんな今まで寝過ぎてたみたい。
リーアもそう。≪テント≫のなかは明るいため、寝にくいせいもあるかもしれんが――
飯後、料理の研究したり、オレと話し合ったり、
ついでにリムちゃんとともにオレから数字を習ったり……このあとすぐ、リムちゃんは寝てしまう。
……でエロエロしてコテン。おおよそオレの時計で午後9時。
あ、時計の時間は天界時間から合わせようがないので、テキトーかもしれんが。感覚的な感じで。
一応、誤差はあるかもしれんが…… 一日が24時間っぽいのは確認してある。
ちなみに1月、2月などの月もそうだし、何月何日という概念はない。
年間通して唯一雨が降り続ける"梅雨"が明けたら"夏"。
稲穂が収穫できるようになったら"秋"。木から葉がなくなったら"冬"。
ツクシ――らしきもの――がでたら"春"。そこで一年。
そんなアバウトな感覚だ。よって一年が何日とかは考えられていない。
地球・日本と同じで合ってるなら、オレの感覚でおおよそ今は12月下旬ってとこだ。
閑話休題。
リーアが寝てしまっても9時では早すぎると思うし、オレはまだ寝たくないから、
そのあと温泉入ったり、村のことを考えたり、術の勉強したりする。
だいたい、12時ごろまでオレは起きてる。――が…………
まぁそう言うわけでいつもなら、リーアは寝てるハズの時間だ。
「やっぱりここにいたのね。いつもずっと起きてるんだもの。わたし、起こしてくれればいいのに……」
口を尖らせ、拗ねた口調で文句をいうリーア。かわいい。
「……なれないと夜更かしは難しいぞ? それに夜更かしばっかりしてると君の肌にも悪い」
ちゃぷ、とリーアがオレの横に腰掛ける。
「大丈夫よ。この温泉のおかげで、いつもお肌、すべすべだもん。知ってる?
女衆で今、温泉に入ると美人になるって、貴方がキレイなのもそれのおかげだって噂よ?」
「……オレ? キレイなの? まあ男衆どもの脂っぽくてごつい顔からみりゃそうか…………
でも、リーア。
温泉に入ったって、夜更かしで肌に悪くしたら、差引きとんとんで変わらないだろ?
どうせなら今だってキレイなリーアが、もっとキレイになるとオレはうれしいけどね?」
「まあっ。ふふ。わかったわ。
……でもね、貴方がいないと…… 一人で寝るのは……なんだか、寂しいわ」
オレの肩に頭を乗せ甘えるリーア。
ふ……かわいいことを言ってくれる……
「ふふ。かわいいなリーアは。
…………
だけどな――オレ。受肉して――霊気つかいすぎて集中力が切れてる時は別だけど――
普段、あんまり眠くならないんだよな…………なんか無理やり寝てるようでさ……
もしかしたらオレ、寝なくてもいい体になってるかもしれん。
いや、受肉してからというより、日々、霊気が強くなってるような……そんな不自然さがある。
溶鉱炉作るときだって、3日間地下にこもりっぱなしで全然平気だったし…………
この間の治癒術のときだって…… 7日もあまり寝なくても平気っぽかった。
集中力が切れたし、リーアが言うから途中で少し寝たけどさ……
どうにも、自分の体のことだというのに理解不能なことばっかで困る……」
「貴方…… だいじょうぶよ。貴方はあなた。どんなになったって変わらないわ」
どうにも、弱音のように聞こえたらしく……回り込んで背中から抱きしめられた。
いかんな……心配させたか……
話を変えるか……
背中のリーアを横にもどして腰を引きよせる。
「うん。まあ。リーアがそう言ってくれるならどうなろうとかまわんさ。
……それより、ちょっと聞いてくれるか?
まだ確定案ではないが――
オレが何故家をすぐ作ろうとしないかにかかわる話だが――――」
「ああ、そういえばそうね。
……あの設計図なら、なんだか孵卵小屋に似てるよね。
貴方ならすぐ、できそうなのにね」
「うん。
オレら用の家はすぐ建てるつもりだ。材料と設備のメドはたったし。
あと、成人の儀前の子供たちと、妊婦。
そして2歳以下の子がいる女、長老がたの家は優先する。
妊婦、赤子とその母親のみの家を専門で4棟。
現役引退後の長老たち用で1棟。
子供たち10歳――いや、5歳以上と妊娠や子育てしていない女だけが住める家を専用で10棟。
で――ここからが問題なのだが―― 原則、男衆用の家を建てないようにする」
「え"っ! それはダメよっ!
絶対、男衆怒るわよっ。自分たちだけないなんて……」
驚いたリーアががばっと顔を上げオレと目をあわせる。
「うむ。だろうな。
……オレはなリーア、女衆が男衆の都合のいいようにされてる現状が気に入らんのだ。
個人の持ち物とか――競争を加速させるとか――それらとも係わりがあるが……
この村の掟ではあろうが――全員婚――まあ乱交が、発展を阻害するような気がする。
オレとリーアがしたように、お互い以外では基本的に性交しないように――
夫婦という考え方を村に組み込みたい。
だから、夫婦になれば家族用の家を専用で建てるってことにしたいんだが――」
「……温泉で男女別にしたのも、ホントはそのため?」
力が抜けたように問う。
「ああ。村人たちには、健康のためって嘘言ったけどな。
まあ湯の中で性交なんてされたらかなわんのと、それで小さい娘が妊娠なんて目になるのもな。
そう言う理由がないわけでもないけど。
本当の理由は、男女差……というか女衆が裸を隠すべきというのを意識させること。
巫女という特別な位置にいたリーアは、ある程度はそう言うのを意識してるようだが――
他の村人はまったくそうじゃねえだろ?
オレの前だろうと男衆の前だろうと、かまわず裸になっても全然平気みたいだし。
で――そういうのを意識させたうえで、無差別な性交を制限することにあるわけだ。
それで意識させて――
オレがリーアと二人で入るという形で夫婦という概念を見せたいって思ったわけだが……
いままでの改革と違って、コレはさすがにやり方として自信がもてん……」
「……うーーん。
貴方のいうこともわかるんだけど――ちょっといきなりすぎるわ。
温泉のことはともかく――
おうちのことは……貴方のやり方だと、女衆に有利過ぎ。
確かに今は女衆の方が数が多いから、やり易いかもしれないけど――
女衆からしてみたら、女衆たちだけの家がたったら、夫婦になる理由がないわ。
貴方の考えだと、男衆が自分の子供って考えが強くなるんでしょ? ――村長の家系のように。
そうなると、女衆が今育ててる子供はどうするの? 夫婦になったらその子は?」
「………うーーむ。なるほど確かに。
家が欲しけりゃ、自分の子かどうか、わからない子を育てろってことになるになるな。
……
うーむ。だがなあ……。
ホラ、村の女の子でリクゥちゃんいるだろ?
あの子シュイくんのこと好きみたいだが、
成人の儀を終われば、誰にでも股開く子になっちまうんだろ?
オレの感性から考えると――ちょい容認できねえんだよなあ。
それにリーアもそうなるところだったし。
このままだとリムちゃんも……
…………ダメ。絶対。耐えれん」
うん。無理。リムちゃんが、そう言う目にあうのは見逃せねえ。
もちろんリムちゃん以外も、今の女衆も……嫌がる娘だっているだろうに。
現状はそういうものだって諦めてる……またはそれが当然としているだけで。
でも、特定の男女間で夫婦にも似た感情……互いが気にいってる間柄の組もいるのも確かだ。
特定の相手を特別な呼び方――"貴方"とか――
特定の相手のみに呼ばせるニックネームみたいなもんがあったりするし。
その一方で――女で好きな男がいても、だれにでも股開くし、
男で――否。女だって好きな相手がいても独占ができない。
独占するという感情、考えがあるのかも…………いや、ないんだろうな……
「………」
リーアも考え込んでしまった。
「だが今なら、今の状況なら、頭が柔らかい今なら……
将来に向けたなにかをできそうな気がするんだが…………
それに死亡率を減らしつつあるから、少し出産率を抑えても大丈夫だしな。
もちろん、オレの感性だけの問題じゃねえぞ?
少なくても、男尊女卑をなくせば――
男衆だけでなく、女衆のアイデアとかも実現しやすくなるんだ。樹皮服もそうだったろ?
今の状況はオレが女衆のアイデアを聞いて、命令して実現させてるんだ。
女衆の考えと男衆の考えが合さってるわけじゃねえ。オレがいちいち仲介してる状況だ。
これをもっと自由に、元が誰の考えだろうと気にしないくらい合されば、もっと良くなるはずだ。
――そのためには女衆の発言力を上げる。男衆と同格にする。
少なくても、女が男を拒否できるシステム。
乱交はまあ、女が嫌じゃ無けりゃいいとするけど……
できれば、好きな男とじゃなきゃ寝たくない、とかそれくらい言えるようにしたい」
「うーーーん。そうねえ……でも……
男衆が住める家を建てないっていうのは問題あるし、いきなりすぎるし……
それに……貴方に作って貰わなくても、貴方が作った家を参考に勝手に作っちゃうんじゃない?
家をご褒美にするんなら、貴方じゃないと作れないようなものにしないと」
「あっ! そ、そうか。勝手に作られたら意味がないか……
……うっかりしてた。考えが足りなかったな……う~~む……」
「ええ。だから男衆が新しい家に住めなくなるやり方はしない方がいいと思うわ。
でも、夫婦っていうのを皆に教えるのはいいかもね。
……そうね。
家は今のまま――じゃなくて――ええと……住む家だけを良くする方法にして――
夫婦になった場合だけ、貴方しか作れないような家に住めれるようにして、
妻が生んだ子は父が誰であれ、5,6歳くらいまで――そこまでは育てないといけない。
その後は、どの子も村で一緒に育てる。――今までと同じようにね。
あと、貴方から祝福すれば――うん。チロさんとか私の持ってる指輪とか欲しがってたし……
そんな感じのなにかを上げればいいんじゃない?
あと、ホラ、わたしたちがしたような誓子とかしてもらって。貴方から直接お祝いすれば?」
「ふむ。特にリスクなく、選択肢を増やすだけ、という考え方か……
そうなるともちろん夫婦になったら、その後は性交はお互いのみ。
それを今のやり方に組み込むだけってことだな?
……ふむ――。
微妙だなぁ……それだと夫婦になれなきゃ、女衆の立場はかわらんってことだよなぁ……
男衆から見てもあまり夫婦になるメリット……利点がないよなぁ……
それに考えてみれば、それだとオレが――たとえば死んじまったらおしまいだよなぁ。
まあ、一度夫婦って概念をひろく広めれば問題ないかもだが……」
「そうね……。でも貴方が女衆に拒否をしてもいいって言って、
男衆にもそれを認めるように命令すれば、たぶんそれで済みそうよ?」
いきなりすべてをひっくり返すようなことを言うリーア。
…………へ?
「はぁ??
……いや、いやいや……それはないだろ? そんな無茶苦茶な。
今まであった権利を放棄しろって言ってるもんだぞ!? 普通なら大反発くらう内容だぞ?」
「ううん。今の貴方なら大丈夫だと思うけどね?
村人たちからすごく信頼されてるし。
狩りだって、温泉だって、なんだって……貴方が村にもたらしてくれたものはとても多いし。
トドメに……この間の、赤ん坊が死んじゃったときので――
あの、貴方は嫌がるだろうケド……絶対、神様に違いないなんて言われてるのよ?
だから、貴方が命令すればみんな従うと思うけど?
男衆だけ家なしとか……よほど不公平でない限り。あとはなんかご褒美があれば」
……。
「………そ、それはマズイ。 マズすぎる」
いかん。それは絶対にいかん。神扱いはマズイ。
あれは霊気や、精霊を感じ取れれば誰でもできること……そういっても無駄だろうな……
うーーん。宗教になっちまってるのか……
むう。宗教……
まてよ? ――神扱いでなく…… 違うやり方なら……
オレが神じゃなく、オレ以外を…………
………うーん……そうだな……例えば――精霊を神に祀りあげれば………
それなら天界の掟に触れねえんじゃ?
ってことでオレの立場は……司祭? ギリギリのライン……か、な? だが――
八百万信仰? いや、精霊信仰ってことか? それならセーフでは?
いわいる古神道。シャーマニズムってやつだ。
絶対の神ではなく、万物に宿る精霊を崇めるもの。邪馬台国の鬼道。アイヌの信仰。そんなの。
天界では精霊って友人とか、あるいは……自我のない魂のような……
ひどいときは――下界の動物に似た扱いに結構近いものがあるが――
それでも精霊の意思を尊重してるのは間違いない。
――精霊を蔑ろにしては【魔】に落ちるって。
うん。天界価値観でも問題なさそう。 ……たぶん。きっと。めいびー。……なければいいな……
うまくいけばオレ以外でも精霊術を扱えれる者が出てくるかもしれん。
本来、受肉している状態では霊気を扱えない、いや、認識できないけど――
オレの試練――『身体強化』術を受ければ霊気が上がる。
それに言ってはなんだが――死者の霊気を分けることでも――考えたくはないが上がる。
急に上った場合、霊気を認識できるものも出てこよう。
一度でも認識ができれば――オレのように受肉状態でも扱えれるだろうしな……
少なくともオレが作った簡単な魔導具を扱えれるようにはなれるだろ。
うん。かまどとかコンロかわりの『熱石』とか。
おお! いける! まほー科学ってやつだ。
エコで、くりーんな。アレだ。あーーー、なんだっけ、確か……りりかるなんとかっていうヤツ。
そんな感じの。
だが、宗教と広まるのは……貴人を刺激するだろうな……
細々と信仰。そんな感じにしたいな。うん。司祭という名称はだめだ。
今のまま賢者で。
…………
そんな感じのことをリーアに話してみる。
………どうかな?」
リーアはにっこり笑って
「ええ。いいんじゃない? 貴方が神様扱いじゃないのは仕方がないけど。
それ以外はまったく問題なさそう。
神様じゃないっていうだけで村人を導きやすくなると思うわ」
なんか嬉しそうだな……リーア。
……ああ。そうか。前にオレに神様と名乗ってくれって言ったから。
それに近い扱いになるってことか? 一族内でもそれならつよく出れるってことだな……
……ミスったか?
まずいかな…… でもリーア喜んでるしなぁ……
……
うーーん。
ふたたびオレの肩に頭を乗せ甘えるリーアの腰を抱き、……お胸の先っぽをいじりながら……
……思いめぐらす。
…………
その後、リーアが湯と他もろもろにのぼせそうになったので、
湯からあがり部屋でいろいろ話し合った。
結果次のように決まった。
・村に精霊信仰を広める。精霊に感謝し、精霊をないがしろにしないこと。初代司祭はオレ。
・司祭の名称は村の外で一切使ってはいけない。
・オレの力は精霊を介することで発動していることを説明。
・精霊信仰の結果、霊力が高い者が術が使えるようになるかもしれない可能性を伝える。
・オレとリーア(おまけのリムちゃん)用の家を建てる。上下水路あり。他便利なのあり。
・村人用の木造の家を建設。排水路、暖炉または囲炉裏のみ。
汲み取りトイレあり。部屋はリビング、大人用、子供用の3つのみ。
・大人用室以外での性交を原則禁じる。
・男女双方は尊敬しあい、一方的な命令はしてはいけない。
・女は男の性交命令を拒否できる。ただし5年以内に夫を得るかして子を作らないといけない。
・互いに好き合う夫婦という概念を伝える。
・お互いに独占しあう夫婦になりたい場合は司祭に伝える。
・司祭は新たに作る"精霊堂"(教会みたいなものに名称をつけた)で二人を祝福。
・夫婦には二人用の上水あり、風呂ありの特別な家を作られる。
・村のすべての5歳以上の子供は原則、村共同で兄弟として育てられる。
・夫婦になった男女にはいろいろ恩恵がある。
・夫婦になって3年以内に子供を一人以上作らないといけない。できないときは夫婦解消。
・夫婦は3人以上の子供を作る事を推奨。
・現在の巫女制度は継続 (オレは潰したかったが貴人対策と一族対策で代案がなかった)
・成人の儀終了後の女児の1年村長拘束も同じ (理由は上と同じ。ロリだからではないっ)
村人に受け入れられるだろう、ぎりぎりの案だ。
現状の女一人当たり2 , 3年で1人という子供の出生率をいきなり下げるわけにはいかない状況、
そしてそれ以外も含めて現状からの妥協案の結果こうなった。
術を教えるにあたってリーアの霊力回復のウソがばれる可能性もあったが、
村人で術が使えるようになっても、おそらく霊力が高い女性だけだから大丈夫だろうと思う。
家の上水に関しては、蛇口がオレの『錬成』でしか作れず、
まだ村の鍛冶レベルでは作れそうにないためだ。
備考として夫婦の恩恵は、試練の再挑戦権とか、霊力が高い者の場合、術の指導など。
それらが検討された。
もっとも試練の安全性とか、ホントに術が使えるようになれるのか? とか問題はあるが。
……まあ70日近くたった現在、誰も問題なさそうだから、試練は大丈夫だろうと思う。
…………
翌日それらを長老やタスケ・チロとの話し合い後、村人に公布。
公布にあたって、特に男衆からの反感と、それなりに混乱があったが、
オレが前に出て試練の再挑戦権などを考えている、と伝えたところあっという間に収まった。