一月九日 読書会/飲み会
記憶にあるかぎり大学二年生で初めて飲み会をした。
一年生の時には新入生の歓迎会みたいなものに一度キリでただけでそのときだって酒は飲んでいなかったから、全然良さが分からなかったけど、今日はとても楽しかった。酒を飲んで腹の底から笑う。
あんなに笑ったのは久々だ。お笑い番組を見ててもないくらい、腹の底から笑った。
今日は大学のサークルの人が読書会をするということだった。
課題図書は中村文則の『遮光』という本で内容は恋人を交通事故で失った虚言癖の男が彼女の指をホルマリン漬けにして持ち歩き精神を病んでいくという内容だった。読書会の第一回に相応しい内容だとは正直十二月時点で呼んだ時にはそんなに思っていなかったが、登場人物の心理描写など考察のしがいがあったので、会は大いに盛り上がった。
読書会に来たのは主催者含めて十三人で三人一グループで三回ランダムにメンバーチェンジをして、考察を深め合った。
読書をする機会が多くとも、内容に対する意見交換をする場が設けられることは中々ないので、これがかなり新鮮な体験だったと思う。好きなアニメに対する考察のように、十三人が一丸となって己の意見を他者と並べていくのは興味深いひと時だった。
他の人も中々そういう機会がないらしく、結構みんな真面目に本の内容を読解しようと努めていた。
その勤勉さもあって会が盛り上がったのかもしれない。
会は大体三時間くらい続いたのち、飲み会をすることになった。十人ほどのメンバーで最初私は余りお金を使う気がなく、ビール一杯飲んだら辞めるつもりでいたのだが、飲み会の盛り上がった雰囲気の中一人素面というのが寂しくなり、梅ロックを最終的には三杯ほど追加した。私はまだちょっと前までお酒を飲んだことが無かったひよっこだからあんまりスカしたことしてはいけないという自制心が強く働きすぎたのだと思う。
だが、ああいう場で一度腹の底から大きく笑ったのなら考え方も変わる。あんな気分のいいことはない。精神的なケアに飲み会は必須だろう。私のような話下手でも酔った他人の話を黙って聞いて笑ってるのも面白いし、話しが思いついたら差し込むことだってできる。場のムードを全員で醸造して味わう感じが大変良かった。
今日の読書会で感じたのは皆小説を読むが、私はまったくもってビジネス書や専門書ばかりを呼んできたからそういう差を埋めなくてはと思った。小説を読もう。
それにしても主催の人がまた顔がいいし、気配りがいいしで、男ながらに惚れてしまいそうだという話。
まぁ、そういうのは割り切っているので飲み込むつもりであるが、うん、仲良くなれればいい。
ともかく飲み会最高である。
第二回もぜひ参加させていただきたい。




