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大学生日記  作者: 江戸銀(エディ)
退寮後編
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十二月十日


 今日は何もせず無為な時間を過ごしてしまった。しようしようと思っていた読書も、勉学も進まない。ただ易い方へと重力に流されていく。怠惰だ。ユーチューブ、ニコニコ動画、Twitter、エロ動画を見てしまうのが良くないのではないか。自堕落になると性欲に支配されてしまうから、家から出てカフェか図書館で勉強すべきだ。外ではさすがにちんちんを晒してまで発散しようとはしないだろう。他者からの抑圧でしか欲望を抑圧できないというのは大変なことだ。いかに母親から「宿題やりなさい!」と催促されるステレオタイプな家庭が有効かを確認した。

 

 とにかく我慢なり禁欲なりを覚えなければ人として終わってしまう。いや、もう遅いかもしれないが獣にまでは成りたくない。尊大な自尊心と臆病な羞恥心を忘れられない高飛車内弁慶であれども虎にはなれない。虎になって改心できるのなら虎になりたい。何事も見た目から入るタイプ。


 近々テストもある。ここはひとつ明日からの展望についてでも考えてみることにするか。

 十五日と十八日にテストがある。これを書いているのが十日の真夜中、十一日なわけで残されている時間はそう長いとは言えない。明日は何をすべきで何をしないべきかを忠実に決めなくてはならない。


 普段なら読書を最重要項目にしているところだが、まず間違いなく第一は勉強だ。

 勉強を第一として明日は大学に残ろうと思う。

 図書館で勉強をする。そのために明日は意識をもうろうとさせてはいけないから、今日は早めに寝ることにしよう。


 言霊というのがあるからあまりじぶんのことを悪く書きたくはないが、私は余りにダメ人間で他人と自分を水と油のように切り離して考えてしまう。そのくせ寂しがり屋でからぶるくらい話していないと気が済まない静寂嫌いの臆病者である。付け加えて、線が細く、運動も出来ず、薄っぺらい言葉と皮肉を使って、どうにか頭の抜けてるねじを埋めようとしている。素直なことは他人に言えず、いつも褒めそやしてばかりのくせに、一人になるとこうして愚痴ばかり吐く腰抜けである。


 しかしながら、ここまでそんなダメ人間が二十歳にもなったんだ。こんなのがだ。根気強い社会であり、根気強い両親であった。昔は虐待まがいのこともままされたのは覚えているが、それを脇に置いていても感謝していないと嘘を憑くのは至難の業であろう。

 そんな社会と人々のために何かを遺したいと思うのは私にしてみれば、当然でせめて与えられたものを飲み込むだけの咀嚼力と嚥下はできる自分でありたい。

 動機付けとしてはそんなところか。

 何事も動機ありき。そして計画ありきだ。

 今ここで二つ建てた。明日こそは自分の望む自分をする。

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― 新着の感想 ―
[一言] 家で仕事している人の中には 家では落ち着かないので……と言うことで アパート借りている人もいるみたいだよ パソコン使わない勉強なら 「地区センター」みたいなところに 自習室があるから、そこを…
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