七月十六日
今日は虚無の日。
昼に目覚めて、父親に嫌味を言われて、散歩して、勉強して、後は家に籠って勉強したりこれ書いたり。
なんだか自分の中の自分の理想像が少しずつ剥げていくような感覚を持つようになってきた。
理想と現実の違いの差を埋めていたのは盲目だったが、今は少しだけ昔よりも盲目じゃなくなっているのかもしれない。或いは年齢にあぐらをかいていた自分が最早若者ではなくなりつつある事実に無意識が、将来像を描き始めたのかも。
私は一人が好き。
だけど、この前までは漠然と一人でいることに寂しさと不安を抱いていた。
けれど今は逆転して人と一緒にいることが億劫になってきた。
自分を相手に合わせることが出来なくなってきたのかもしれない。自分らしさを見失って、自分らしくいなくていい自分の中に閉じこもっている。
誰かが見ているからちゃんとしなくちゃならない、みたいな緊張感を抱くのが嫌になったのか。
或いは人が持つ自分のイメージがどんなものだったか忘れたのか。
私は前の私じゃなくなってしまった気がする。
それは性格の変化であって、基本的なスペックの更新ではないと思う。
その行進のきっかけは何だったんだろうか。
一年生の時に出会って今道先生の神曲講義録、アレを読んで以来私は今の私になり始めた。
上辺の知識で満足し、外来とのかかわりを断つような。いや、その性質は感じ方を変えただけで最初から一本道だった。
読書を股しようと思って、繰り返すようになったのは今道先生の本に出合ってしまったからだ。
あの出会いが果たしてよかったのかどうかはよくわからない。
分からなくていい気がする。
逃亡。
 




