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大学生日記  作者: 江戸銀(エディ)
退寮後編
27/60

11日6日 大学生日記


 日記を書くのは何時振りだろう、という始まりで日記を書くのは何回目だろう。


 二重疑問から始まりしかもそれが怠慢を示すものだなんて、自分で書いているくせに自分に対してやけに皮肉的で批判的だな。我がことながら。


 何故このタイミングで日記を書くのか。

 病み始めたのか?

 うん、大概私の日記は精神の不調を抑えたり、整理したりするために書く場合が多いね。

 でも今回はそれよりかはライトだ。

 

 丁度最近からグループで小説を書き始めているのだが、如何せんそのグループで書いている小説のうち私が独断で書いている小説を世間に公開できないことが悩みの一つでね。作っている作品を公開できない承認欲求の欲求不満のせいで、今日は日記を書き始めた。ここで承認欲求を満たすためにね。


 どんなノンフィクション作品でも人に注目されたいという欲を出す作品は読者に不快感を与えやすい。つまらないからね。これは私が中学生時代にこのサイトで知り合った小説家からの受け売りの知識だ。あぁ、彼は無関係な作家に対して「俺を見張ってるんだろ! 知ってるぞ!」的な言葉を活動報告や直接の言葉で浴びせたせいかアカウントが消えてしまったがね。今思うとアレが統合失調症か。幼かった私には親切な精神科医のようにしかみえなかったが、まさか本人が患者とはね。もう会うことはないのが残念だ。


 それで最近は学生生活が上手くいってるかって話をしようじゃないか。

 現役大学生っていう肩書を持っていられるのはこのたった四年間だけなのだ。その一年目も順調に消費していっている。


 サークルに入っていなかったことを後悔している話しは前にしただろうか。

 その話なんだが最近行った文化祭でより一層にその羨望と後悔が強まったよ。


 なんて言えばいいのかな。「たられば」のことを考えるのは不毛でしかないのだが、どうしても非合理的な私はもしあの時何でもいいからサークルや部活に入っていれば、より多くの楽しみや交友関係を持てたかもしれないという悪夢を何度も白昼で見るのだ。


 面白いな。どうせサークルに入っても悩み事は増えるというのに。まぁ、この冬からはもうどうしようもないのだ。考えるばかりより行動した方が有意義だろうな。


 だから最近は読書を始めた。

 『ココ・シャネルの真実』や『不在の騎士』や『共食いの博物誌』……『ソドム120日』も読んだが、アレは中世版怪文書というか岡山の県北で盛り合うのの中世貴族バージョンというか、まぁともかく汚くて読んでられなかったな。アレをクトゥルフとかヴォイニッチ手稿と並べてやるな。列席する左右の作品が可哀そうになる。


 そんな批判的なことが言いたいわけじゃないな。学術図書には意図しない知識が隠れているから読んでいると賢くなれた気分になる。付け焼刃の知識でもそれっぽく小説の中に混ぜ込めば世界の深みや登場人物の知能を底上げできるだろう。


 知識通りに従うだけでは可能性を消してしまうから良くないなとも思うが。最近の、というか人生通して自分の行いは既存の知識やルールを守ることばかりで不自由度や変な閉塞感が素肌にまとわりついてしまっている。

 できないと一回思ってしまったら、それを乗り越えるのは難しくなる。彼のナポレオンは三時間しか睡眠せずに生活した、と言われるとそんな生活はスパルタすぎてできないように聞こえる。偉大な人間にしかできないすごい行いのように思うが、実際自堕落に過ごしていれば三時間睡眠しかしない時だって普通にある。最初の印象だけでできる、できない、を決めてしまうのは大変に勿体ないことだ。だから、自分の中の限界や常識を疑り、破壊したい。


 疑いと破壊ってワードはいいな。暴力的で絶望的。だけどそこから生まれるのは進化だ。己の価値観を進化させることで考え方ややり口も進化する。自分を変えるのには疑いと破壊が必要かもな。


 ……文化祭は閑静で高校や中学よりも物寂しかったな。それもこれも一人で来たからか。


 部屋に入るのにも勇気が必要だったな。変わる準備と踏み出す力さえあれば殻を打ち破ることが出来る。大学生になっても文化祭のブースに入ることに勇気が必要な自分を変えたいばかりだな。情けないだろう。そんなの。


 まぁ、いい。こんなネガティブなことを書きたいわけじゃない。

 もう書くことはない。今日のところは終わる。









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