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28話 犯人でもおかしくない女です

 アナのジュース屋を後にすると、私は再びジェイクの医院に直行した。


 つい1ヶ月前までは夏でちょっと移動するだけでも汗だくになったものだが、今は少しずつ気温も下がっているようで過ごしやすい。ジェイクが仕事中なら仕方ないが、そうで無かった場合は少し話を聞いてみても良いだろう。


 運がいい事にジェイクは、医院の庭のハーブや花に水をまいていた。仕事中では無さそうである。


「ジェイク、こんにちわ」

「ああ、マスミか」


 ジェイクは、やっぱり少し様子が変だった。いつものような朗らかさが全くない。やっぱり何か隠しているようだと察する。


「事件の調査しているんだって?」

「ええ。噂になってる?」

「マリーやローラ達が噂をして居たよ」


 そう言ってジェイクは苦笑していたが、やっぱり元気がない。


「ジェイク、ソニアってどんな子?」


 漫画だったらジェイクの周りに「ギクリ」とい言葉が踊っていそうなぐらい、ジェイクは慌てた表情を見せる。


「聞いたわよ。元婚約者なのね」

「はぁ。やっぱりこの村でろくに隠し事はできないな」


 ジェイクは、ポツポツとソニアについて話し始める。最初は親に言われたお見合いのような形でソニアに出会ったが、その奔放さや無邪気さにすっかり虜になったようだ。ジェイクの目からはソニアは小悪魔系にようである。


「でも浮気されてさ。諦めて仕事に専念していたんだけどなぁ」


 ここでまた深いため息。いつか女に興味が無いと言っていた事は、半分ぐらいは嘘だったんかもしれない。イケメンでモテるジェイクは女避けの意味でも言って居たのかもしれないが。


「ソニアが帰ってきたら居てもたっても居られなくてね。ちょうどそんな時にマークとソニアが一緒にいるのを見てさ」


 やっぱりマークとソニアが関係があったのは事実にようである。それでマークはずっと憂鬱だったらしい。心の中でマークを呪った事は一度や二度ではなく、実際にマークに接触して色々探っていたと告白。恋愛に興味がないとは嘘ばっかり。ジェイクは重度の恋愛脳だった。


「それでマークは何かしてた?」

「まあ、よくはわからなかったけど奥さんのケイトとかなり不仲というのはわかったね」

「他には?」

「かなりの女好き見たいだ。ソニアにも近づくなって言ったんだけどなぁ」

「それで?ソニアは、会うのやめたりしてた?」

「そんな事はなかったよ」


 ジェイクは再び深くため息をつく。意図しないにせよ、こうして村人の秘密を知ってしまった。だんだん私も罪悪感を持ち始めたが、このままではいられない。


「他に何か気づいた事ある?」

「まあ、僕はソニアが犯人でもおかしくは無いと思うね。あの子はかなりに変わり者だし、興味を持ったものには強い執着心持つから」

「あなたには執着心持ってた?」

「それは無いね。ソニアは僕の事は好きじゃないから」


 少し悲しくなってきた。イケメン医師だが、どうしてこう女に趣味が悪いにだろうか。


「私はソニアにあった事無いけど、会えるかしらね?」

「ああ、たぶんアトリエにいるよ」


 私は、この後ソニアに会う事に決めた。評判の悪い女で会うのは怖いが、マークと関わりがあったのも事実である。この女が何か知っている可能性が高い。

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