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人生負け組のスローライフ  作者: 雪那 由多


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冬場は雪から家を守る為に動かずにいれば冬眠と言われるなんて知らないと思ったら大間違いだ! 1

 視界が真っ白になる季節がやって来た。

 一メートル先も見えない、そんな季節。

 だけど飯田さんはやってくる。

 休日は雪にも吹雪にもめげずにやってくる。

 頼むからこんな日は大人しくしてくれと言いたくなるのは俺だけだろうか?


「確かに家に居ようと思ってたのですが、綾人さんがちゃんと食事をしているのではないどうかと心配でして」


 出会った頃の俺の食生活がどうやらトラウマを植えていたらしい。

 まあ、食べてエネルギーに変換出来れば良いじゃん?

 そう思っていたティーンズでしたが、高校卒業したてのろくに包丁を握った事のない子供が料理に目覚めると思ったら大間違いだと言ってやりたい。

 いや、もう何度も言ったけどね。

 俺を丸々と太らせる事に使命を得た飯田さんは今だ体形すら変わらない俺をどうすれば太らせるか頭を悩ませている。

 うん。

 頭を働かせる事ってエネルギーの消費が結構激しいからね。

 食べた分消費できる俺の頭ほんと燃費悪くてごめんなさい。

 寧ろ足りないです。

 

「ポテトグラタン食べさせて下さい」

「いやですねえ、別に食べさせてあげないわけじゃないですよ」


 まるで意地悪しているみたいじゃないですかとあははと笑う飯田さんの目は完全に据わっていた。


 さて、何でこんな事になったかと言うと、単に俺の仕事がのりにのって栄養無視してお湯と炊いたご飯だけで一週間を過ごしていたからだ。

 いや、梅干しとかそう言うのももちろんつけている。

 砂糖はなくても生きていけるけど塩分はないと命の危険があるから。命大事、この山のルールだ。

 一週間前にフランスから帰ってきて

 炊飯器に入った炊きたてのご飯に梅干しを投入したお釜とお湯を沸かしただけのポットを手に自室でひたすら黙々とプログラムの作成。

 先日フランスから帰ってきてまだ治らない時差ボケにそれなら起きてようかとアメリカからもらった納品無期限のこんな感じで~と言う緩い依頼を受けていた物にとりかかってみれば意外となんか面白い形になるかもとお釜を抱えて作り始めればもうそれ以外目に入らないと言う俺の悪い癖が出て、飯田さんに怒られている所だった。

 

 なんせ、一週間前フランスから帰ってきてここまで送ってくれて以来の姿があの日から変ってないのだ。

 あまり人様に言えない話だが、こうやって夢中になるとお風呂とかもどうでもよくなる。 

 だけど本当なら週末先生が来て世話をしろと大騒ぎをするのだが、その日も今日のようなホワイトアウトする天候なので泣く泣く止めたと言う。

 いや、檜風呂あれば良いだろ?

 そうつっこめば雪景色の庭や街並みを眺めながら風呂を独占していたと言う。

 なのでまずここでこの状態の俺は発見されなかった。

 さらにいつもなら来ていた宮下が手に入れた家のお世話に家から足が遠のいた。

 まあ、折角手に入れた家を可愛がりたい気持ちはわからないでもない。

 先生が来なければ宮下も来ない。

 動画の方は宮下の家の工事の動画が当分流れると言う、宮下が俺の設計図(森下さん監修)で家のリフォームをコツコツ進めているらしい。

 勿論圭斗や園芸部も手を貸してくれている。

 雪が融ける頃皆さん呼ぶ理由無くなるんじゃね?とおもえど

「まだ屋根の張替が残ってるからな。これはさすがに人手が欲しい」

 香奈も絡んでいるので圭斗の要求の厳しさに一人笑った。












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