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人生負け組のスローライフ  作者: 雪那 由多


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夏をだらだら過ごすなんて夢のような話はこの山では伝説です 2

 まったりとした一日をのんべんだらりと過ごす。

 この山に来た頃の無気力だった時以来の何もしていない時間を過ごしていた。

 とは言え烏骨鶏が庭を闊歩している光景は見慣れた物で、程よく酔っ払った体を縁側で横たわらせて日光浴をしていれば容赦なく烏骨鶏につつかれてしまう。まあ、クッション代わりに横で眠られたり、俺を巣材に卵を産んだりされた事を思えば可愛い物だろう。ほんと卵の時は困った。卵を産もうとしているマダムの邪魔は出来ないので付き合う事三分で産んで来れたので助かったと産みたての卵で茹で卵を作って食べた事を宮下に言えば人でなしと罵られた。

 いいじゃん、無精卵だし。

 鮮度が命だよ?

 せめて卵かけご飯にしろと言われたけど大和さんに間を取って温泉卵にすればいいのにと言うアドバイスを貰って以来適当に食べる事に決めた。

 オムレツだったりプリンだったり。

 産みたての濃厚な卵のプリンは最高よ?

 そこでも宮下に俺にも食べさせろと泣きつかれたけどこればかりは生産者の楽しみなので付き合う必要はないとしている。

 ちなみ値その当時宮下家の烏骨鶏の卵はおばさんの管理下に置かれていたので上手くちょろまかせないと食べれない貴重品だったらしい。

 貴重品の意味わからねーwww

 蕎麦も含めておばさん最強説がどんどん俺の中で組み立てられていくが、理論で勝てない相手に挑むような俺ではないので

「おばさん、また宮下の奴卵勝手に食べてたよ」

「翔太お前って奴は!!!」

「綾人の人でなしー!」

「五個たまったら食べるって言う約束を破るからだ」

 当時まだいた大和さんの元嫁を久しぶりに思い出す。

 親戚の家に母親事引き取られて農業に従事しているんだっけ。

 ちらりと聞いた話ではご近所じゅうに噂が飛び交って伝言ゲームのように事実とだいぶかけ離れた酷い事になってるらしいが、そもそもが勝手に人の土地を売り払うとか人の家のお金で家を修理しようとかとんでもない事だからそれ以上を想像してもそれ以上はそこまでいかないと思うが、とりあえず今は勤労に励み大和さんへの離婚時の慰謝料を意外にも毎月滞る事無くちゃんと支払っているらしい。

 それはさておき

 だらだらしてウコ達と日向ぼっこをして熱くなって目を覚ました頃、俺の動く気配で先生も目を覚ましていた。ちなみに先生はちゃっかり畳の上で座布団を枕に高校野球を見ながらと言ういつものスタイル。

 起きずに寝ていてくれてたら平和なのにと目が覚めてしまった物はしょうがないと言う様に暖かなお茶を淹れて先生を起こす。

 因みに当然お茶が貰えると思ってるように伸ばしてきた手が憎たらしいが、一人でお茶を飲んでもおいしくないので火を消した暖炉を囲む様に座れば

「所で返って来てから忙しかったがこの休みの間お前は何をするつもりだ?」

「まぁ、これ以上先生の妨害を受けないようにまめに畑と山の整備をするつもりさ。でも畑は大和さんがやってくれてるし、山や家の周囲は長谷川さんに頼んであるし。とりあえず二階のバアちゃんのコレクションを陰干ししたり離れとウコハウスの二階も掃除しないとな。細かなメンテナンスって所だ」

「離れはシェフの奴が二階も掃除してたぞ。

 あいつ本当に綺麗好きだな」

「先生に爪の垢を煎じて飲んでもらいたいね」

 お断りだとすぐさま言う先生につい笑ってしまえば

「じゃあ烏骨鶏ハウスの二階からやって母屋の二階だな。

 古い本は処分したいけどあいつらまだ読むかな……」

 古い木造だけど作りが然りしているので床が抜ける事はないからの二階に図書室なんて事をしてしまった。植田達が本部屋の事を知ってからあいつら全読破する勢いで漫画を読み漁ってたからな。ちゃんとした自己啓発本みたいなのもあるのにあいつら読まないんかいとしょんぼりしてしまう。だけどだ。

「二階の漫画そろそろ処分しようかな」

 通販で古本をまとめ買いした為に随分と本は黄ばんでいて劣化をしている物もある。どうするべきかなんて悩むも

「だったら下の家に持って行けばいいだろ。あっちの方がちゃんとした本棚もあるしがらがらだからな。そんでここの図書室が寂しかったら新しく購入した本を並べればいい」

「なるほど。汚屋敷の主に言われるとは想像できなかった」

「最近はちゃんとしてるつもりだ。主に宮下が頑張っているが、酷い事にはなってないぞ」

「あったりまえだ。あそこは俺の家だ。

 居候の分際で家を破壊しやがったら容赦なく請求書送るからな」

「請求書は酷いんじゃなーいー?」

 なんて顔をしかめっ面にする物の目は楽しそうに笑っている。

 こっちに戻ってきて改めて住み着いた先生はもう散らかすような事をしていないと言う。まめに宮下が綺麗にしているとは言えそれでも維持できているのは立派な物だろう。

「そうだな、たまには麓の家に顔を出して庭とかメンテナンスしようか」

 実桜さん任せにしていた庭だけど檜風呂に入ったりするのも良いなと思い立ったが吉日。

「せんせ、俺今から麓の家で檜風呂行ってくるわ。あとよろしく」

「あ、待って!先生もお風呂入りに行く!」

 そうやってさっきまで飲んでいた焼酎を抱えて俺を追いかけてくる先生に言わずにはいられない。

「どれだけ飲むつもりだよwww」

「良いじゃない。これが楽しみなんだから」

 帰りがどうなるか判らないので烏骨鶏を小屋に戻して着替えとタオルを持参して麓の家へと向かうのだった。

 


 







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