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人生負け組のスローライフ  作者: 雪那 由多


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身体が動く季節なので皆さん働こうではないか 10

 うかつな事を言ってはいけない、改めて反省をする綾人だったがあれからすぐに圭斗の家へと戻ってきた。

 とりあえず納屋のリフォームと言う大仕事を始める事になった。

 一応風呂とトイレは別々に作り、そして台所もちゃんと作る。居間と食堂を一緒にして、納屋の屋根裏に寝室を作り、車を入れていた車庫の部分も室内として作り直す。去年の夏に納屋の中は整理整頓は植田達がやってくれたのですっきりしている。水道電気は元々通っていたし、ガスはプロパン、台所は電気コンロで十分。一応トイレもあるのでそこは新しく作り変え。風呂はすぐさま調べたら展示品だけど売りに出されていたので直ぐに購入。一度水道屋に来てもらわないといけないなとついでにガス屋にも予定が決まり次第だけどと断って先に連絡を入れておく。これは綾人の街の家を作る時に先に連絡だけでも入れておけば前倒しも可能な事から学んだ事だ。

「とりあえず家はどういう風にする?」

 聞くも

「俺より実桜に聞いてください」

 あくまでも家の事は実桜さんがやるので実桜さんの使いやすい様にと言う言葉に俺はPCを起動して

「じゃあ、水道がここにあるからここが台所でいいかな?」

 中庭を眺めるような位置取りに

「はい、明るいので問題はありませんが、圭斗君達が家を覗かれてると思われかもしれないので窓に目隠しがある方がいいのでは?」

 常識的な思考に、それは自分の環境に対しても発揮して食えと思う綾人だったが

「あー、まあ、俺は気にしないがそのうち香奈が戻った時とか俺達以外が気にするとかあるから今は良くてもとりあえずそこは考えておこう」

 なにしろ今は資金がない。

 少しでも浮かす為に今でなくてもいいはずだと後から幾らでも何とでもなるので後回しにする。

「前に陸斗の遊び部屋として作ったのがあるからそれで弄ってみよう」

 この納屋の家は総て計りきっている。柱の位置も抜けない壁の位置も網羅しているのでそこから作れる可能性を広げて行く。

 台所と食堂を中心に奥に向かって居間を作る。中庭と反対側に窓を作れば明りも十分だし、反対側は斜面となっているので道を挟んだお向かいとはしせんがあうことはない。

 そして車庫にしていた場所に台所側と高さを合わせて床を作る。

「あ、玄関と言うか、中庭側に出れるようにお勝手口を作ってください」

 何かあればすぐに駆けつけれて便利だと思うのです、そう言う理由は自分達で何とかしなくてはいけない俺達にはない発想だった。

 出来たら台所に直通できるようにと言う案に、どうせなら少し広めに土間を作っておこう。そしてトイレの位置から風呂場を土間の隣にすれば洗濯機も土間に置けると言う提案にはすぐに実桜さんが乗ってくれた。

 土間と言う段差がどうかと思ったけど

「なんか田舎の家って感じで良くないですか?」

 古民家チームに毒されていると無の心でほほ笑むのだった。

 家の真ん中に廊下が走る事になったが駐車場の所だった所に一部屋作って、二階に上がる階段を作る。二階は天井が低い部屋となるが、明かり窓があるだけの屋根裏部屋は一応将来的に凛ちゃんの部屋になる様にと二部屋の個室を作る事にした。

 これで二度と奴らが潜り込む事はないだろう……

 どうでもいいが、やっぱり匂いとか衛生面もあるので天井とかは一度剥がしたり、柱もサンダーで磨いてニスをガッツリと塗ることにするのだった。

 綾人が操るPCで壁の色やフローリングもどんどん決められていく。即決した風呂も新しいく購入したトイレも明日には配達される。そして中古だけど台所の流しも伝手を辿ってやってくる。申し訳ないが今ある流しは可哀想なくらい錆びだらけだ。新品じゃなくていいと言う実桜さんの言葉に甘えさせてもらって必要な物はどんどん購入して行く。

 畳の部屋は一切ない。そこまでの贅沢は出来ないとこれも実桜さんが即決してくれて、圭斗のホッとした顔に俺達も実桜さんが理解ある人でほんと良かったと思う。

「それよりも断熱材とか大丈夫なのか?」

 先生の一声に

「一応浩太さんにどれだけあるか、皆さんにどれだけ手持ちがあるか聞いてみたら何とかなりそう。多少足りないかもしれない分は購入しても?」

「寒さはどうしようもないから買ってくれ」

 断熱材をけちって光熱費が上がるなんて何て理不尽と言う圭斗はこの街なかよりも雪深い山の奥の村の出身だからこそ言える言葉。断熱材サイコー!それは俺も身に沁みて言える言葉なのでいかに重要かを理解できない奴には説教したいと思う。

「あとは屋根とかどうなってます?雨漏り何てあったらリフォームしても意味ないですよ」

 多少は独自で建築の勉強をし始めた山田の指摘に

「雨漏りはしてないけど、屋根はそろそろ寿命だな」

 納屋の外から見上げる屋根は昔ながらのトタン屋根。

 錆が浮いているしそもそもトタンの寿命は驚くほど短い。

 五から十年事に塗装をし直しても二十年の寿命。トタンを家の外壁に使えば二十年後には張り替えなくてはいけない運命となる。驚くほどの安さでトタンを選ぶ人もいるがコスパの悪さに後悔する人もいる。今では新素材によってコストを考えれば安く上がる素材も存在する。

「圭斗、見ての通りこのトタンはもう寿命が来てる。思い切ってガルバニウムに変更だ」

 俺の指示にトタンほど安くはないがそれでも俺よりも確かな事を知るだけに難しい顔をしながらも承諾する圭斗だった。

 そんなわけで出来る事はガンガンする事となる。

 出来るとこと言えば破壊だ。古い壁を壊し、天井を外す。床を外したけどま柱は腐ってないのはちょくちょく空気を入れ替えてた努力の結果だ。

 ありがたい事に建物自体はシンプルな作りなので新しい屋根の面積も、貼り方も綾人の街の家ほどではないくらいにイージーだし、皆さんに手持ちの断熱材を聞いた所で何人かが見学に来ると申し出をしてくれたのだ。 

 もちろん内田親子もついにあの納屋に手を付けるのか。だったら手伝うぞと言ってくれたし、長沢さんまで早速と言う様に足を運んで様子を見に来てくれたのだった。

 そして、街中の圭斗の家と言う容易さに時間に余裕がある人が常時手伝いに来ると言う……


「もうすぐ雪が降るから手数が多いのは助かるけどな」


 容赦なく人件費の計上となるこの状況に皆さん一回分は岡野夫妻の独立祝いだと言って安く上げるこの現状を喜ぶべきなのかと悩むのだった。





 



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