変化のない俺の日常 2
食事が終わったら家の掃除。
これは本当に簡単に箒でささっと掃いてて終了。ゴミは庭に掃き出しておしまい。これを都会でやったら怒られるけどあいにく誰もみてないし怒る人もいない。そもそもバアちゃんがそうやってたんだ。間違いなし。
その後は雑草処理班の出動。雑草処理班とはいわゆる烏骨鶏と言うニワトリ。
お高い子だぞ、卵だって滅多に食べれないぞと言われて買った子だ。
ヤギでもよかったんだけどあいつら目が怖いんだよね。
なので使ってないかつての農作業小屋その一に住んでもらっている。
最初は烏骨鶏二羽を飼っていた。
烏骨鶏は真っ白のもふもふが可愛いぞと他の鶏よりも小柄ということもあって車で十分ほどのお隣さんと言うか高校の同級生の家からニジマスと十匹と交換してゲットした。
ただ当時ひよこだったのでオスかメスわからなかったけど結局はオスメスつがいで気がつけば卵を産んで増殖していた驚きの繁殖能力。あまり卵産まないって聞いてたのに、運よく卵食べれたらラッキーぐらいにしか考えてなかったからまあいいか。卵より草刈り要因だからね。
今となっては小屋を好きにさせていたツケというか今では多頭崩壊状態で、何羽居るかは小屋に帰ってくるやつしか把握してない。
帰ってくる奴らはいつも帰ってくるからバアちゃんの知り合いのフランス料理屋の料理人がアウトドアに遊びに来る時に間引いてもらったりしている。
食事をして掃除をして烏骨鶏を出動させたら俺は電気柵とネットに囲まれた畑へと向かう。
ここからは俺の命の問題だ。
ばあちゃんから受け継いだ時こそ畑なんてやらないぞと思ったものの、スーパーにわざわざ買いに行くめんどくささに俺は負けた。
ありがたい事に耕耘機があるから耕すのは簡単だし、それなりに手伝わされたのだ。鍬の使い方から畝の作り方をしっかりとレクチャーしてもらったから問題ない。
最もばあちゃんが丹念に世話をしてくれて一生懸命教えてくれたから俺でも出来るたのだが、いきなり立ったら絶対無理だ。
そんな畑のお世話をするのだが、今やる事は雑草取りだ。
畑の中は人の手でやらないといけない。
雑草要員を連れてきた途端に畑を喰いつくす悪魔にあいつらはなるのだから、もふもふの可愛さには騙されないぞと畑の中に居る俺を羨ましそうに見つめる白い悪魔に睨みを効かせておく。
とりあえず暑くなって集中が途切れる所で適当に成長しすぎて巨大化する前の野菜を収穫して午前中の畑仕事は終わりだ。
成長しすぎた奴は烏骨鶏たちに食べさせたりもするし、たい肥作りのゴミ置き場へと捨てればどこからともなく現われるのだ。
野菜が美味いって言う事をちゃんと理解しているのだと呆れる。
最も今日は上手く成長しなかったトウモロコシを引っこ抜いたからトウモロコシの皮をむいてやってから処分したためにゴミ捨て場は大フィーバーしている。
頼むから壊さないでくれよとゴミ捨て場はかつての馬小屋だ。
さすがに俺の記憶の限り馬はおらず、ずっと放置されていた。
バアちゃん亡き後畑用のたい肥作りに使い出したと言うわけだが、やはり一人暮らしではなかなか集まらない、と言う事にはならなかった。
なんせ周囲は緑しかないからなと、今では緑の侵略と戦うのが日常となっている。
大量にある素麺で昼は軽く済ませて草刈り機を納屋からもってくる。
軽くメンテナンスをしてそのまま家の裏に回り、バアちゃん、ジイちゃん、そしてご先祖達が踏みしめて作った道が飲まれないように草刈り機で雑草を刈っていく。
派手なモーター音に近くに隠れていた烏骨鶏たちが慌てて家の方に逃げて行くのをみてあいつらでも家の方が安心と言う認識はあるんだと感心しながら雑草を刈り取って行く。
そしていつの間にかひょろりと育ってしまっていた木も切る。
キックバックには要注意。
ベルトにぶっさしてきた折りたたみのこぎりで伸びた枝も切る。
切って、切って、切りまくって燃料が切れた所で終了。
とりあえず今日はそのまま放置して草刈り機と鋸を持って家へと戻る。
そのまま草刈り機は軒下に置き、俺は離れの小屋へと向かう。
ここには昔ながらの五右衛門風呂があるのだ。
一度焚くと二、三日は温かいから俺は着てる物を脱いでそのまま五右衛門風呂に向かった。
足の指先でちょんちょんとお湯の温度を確かめてゆっくりと沈んでいく。
足元の簀子に無事着地をして肩までつかる。自然とほっと息が漏れた。
顔を洗ってゆっくりと
我が家の風呂場には大きな窓がある。
畑から向かいの山を展望する事が出来る大きな窓が。
ジイちゃん自慢の風呂だが昔は深くて苦手だったけど、今では一々準備しなくても何時でも入れる便利さを覚えてしまった。勿論それに代わる手間もあるが、慣れてしまえば家の中に作ってもらった風呂なんて長い事使ってない無駄な物になってしまった。
嘘です。
流石に真冬は家の中の風呂を使ってます。雪に埋もれた渡り廊下を歩くほどの勇者ではありません。
ので、冬場はほぼずっと雪に埋もれるのでさすがに手を抜きます。