2019年10月19日 ほめ育の日 さいかちゃんがみんなを褒めまくるのを頑張る日
2019年10月19日
どうも皆さんこんにちは。わたくしの名前は西香。全世界を持って天辺に位置する唯一無二の美少女ですわ。
そんなわたくしが、献身的にも本日の日めくりを担当致します。本日は「ほめ育」の日。褒め言葉を溢れる一日を送ろう、という日なのです。
さて、それでは早速ほめ活、始めちゃいましょう。
はじめは誰からが良いでしょう。最初に見かけた衣玖さんから行きましょうか。
衣玖「何?」
西香「衣玖さん、その手に持った物体はなんですか?」
衣玖「あぁこれ?さっき片手間に作ってたの。スマホを触っている時にふと口寂しくなる時ってあるでしょ?そんな時にいいかなと思って……グレープ餅発生装置」
西香「なんですのそれ?」
衣玖「ほら、駄菓子のグレープ餅ってあるでしょ?あれのパッケージのサイズってスマホと同じくらいだからね、スマホのカバーにすればいいかなって。これで食糧問題も解決するわ。グレープ餅しか出てこないけど、いつでも何個でも食べられるのよ(どや)」
褒めるとしたらこんなことしかありませんわね。
西香「わぁーっすごいですわねぇ~っ!衣玖さんったらそんな意味がわからない妙ちくりんなものを開発してものっすっごーく自慢気に語ってどやれるその精神、わたくしとぉーっても感服いたしますわっ!」
衣玖「……は?#」
西香「着眼点が違いますわね!グレープ餅って駄菓子でしょう?なんでわざわざ駄菓子なんでしょう!どうせ出すならもっと良いものにすればよろしいのに、そこを敢えて安っちい対してお腹も膨れない駄菓子!流石IQ3億万兆京阿僧祇不可思議無量大数の知能指数を持つ衣玖さんですわねー!」
わたくしの褒めっぷりったら自分でも恐ろしくなりますわねっ。
西香「考えることが常人とは違ってわたくしには全く理解できませんわよぉーっ、お金のほうが絶対嬉しいですし食べるものでしたらもっと他に色々あるじゃありませんか!栄養ならアーモンドチョコとか!それなのに敢えてそんな大して目立たないし餅っていうか平たいグミみたいなグレープ餅ですから!これはもう天才の衣玖さんにしか発想できませんわ!」
衣玖「……グレープ餅好きなの!いいじゃん!うっざ!!###」
あら、衣玖さんが去ってしまいました。あまりほめたりしないわたくしに褒められて照れてしまったのでしょう。素直じゃありませんからね、あの人も。
続いて……あ、真凛さんがリビングのお掃除をしてますわね。
西香「真凛さん、お掃除ご苦労様。いつもよくやってますわね」
真凛「あ、はーい☆癖ですから~♪」
真凛さんにはこの事くらいしか褒めるところありませんわね。
西香「すごいですわねぇ真凛さん。そうやっていっつもいっつも飽きないでお掃除出来て。だって普通の人なら汚れてない場所をわざわざお掃除致しませんもの。それなのにそんなに楽しそうに。わたくしからしたら他に趣味もなくて惰性で続けているようにしか思えませんわ。場所次第じゃお金だって貰えるでしょうに、その奴隷根性はわたくしには無いものですもの~、すっごーくすごいと思いますわ~っ」
真凛「……^^#」
西香「この家の人に良いように使われてなおニコニコ出来るその精神、わたくし尊敬はしませんがいっつも便利だと思ってますわ~。あっ、わたくしの部屋のお掃除も後でお願いしてもよろしいかしら?あ、あと読みっぱなしにした留音さんの部屋から勝手に拝借した少女漫画を元の場所に戻しておいてほしいんですの。そういうのが趣味の真凛さんには楽しい作業でしょ?」
あぁわたくし、はからずも真凛さんが好きな事柄を提供してしまいましたわね。褒め言葉だけに留まらないわたくしの気遣いったらとどまることを知りませんわね。
真凛「わたしは好きだからやってるんですよねぇ^^^^^^###奴隷根性とか言われると」
西香「はい?」
真凛「^^……」
真凛さんがニコニコしたまま立ち去ってしまいました。言葉を言いかけて立ち去るなんて。まぁいいですわ。さてお次は、あ、いましたわ、リビングでゲームをやってる留音さん。何やら体を動かしてますわね。新しいゲームでしょうか。
西香「あら留音さん、ゲームですの?」
留音「あぁ。昨日新しいフィットゲーム買ってきたから。みろよ、このコントローラー、リングなんだよ、面白いよな。足踏みすると進んで……もっとこういうWiiのときにあったようなゲームたくさん出してくれても良いんだけどな―」
運動好きの留音さん。褒められる場所を探すのって本当に難しいですが、この方は単純なのでこんな事を言っておけばいいでしょう。
西香「流石ですわね~っ、頭まで筋肉で出来ている留音さんはわざわざゲームで買ってまで運動なんて。色んな意味で大して役にも立たないのにそこまでやってわたくしいつも楽しいのかなって疑問なんですけど、まぁそういう細かい事を考える脳も筋肉に侵食されて考えられないんだろうなって思ったら教えるのも面倒ですもの~っ。それなのにちゃんと生きててすごいですわぁ~」
留音「あ?#」
西香「だって普段から少女思考みたいなところがあったり、実は乙女チックなところがあるのに、やってることはトレーニングですわよねぇ。たまには脳トレもしては如何?って思いますけど、そんなの出来ないほどに筋肉が頭から足の先まで鍛えられていて考える脳は無いはずですし、いやぁわたくしね、そこまで体全体の筋肉化が出来るのは本当に才能だって思いますのよ。あなたがおバカなのもそれだけ筋肉が脳領域を圧迫しているという証明になっているのですから、わたくしすごいと思いますわ~っ」
留音「……やべ、言い返せねぇ……めちゃくちゃ言い返したいんだけど……」
西香「ほら!的確な言葉が思い浮かばないほど脳まで筋肉が鍛えられているって事ですわよ!……あっ!あなたもいた!」
留音さんなんて放っておいて!あの子がいました!この子にもしっかりほめ育をしなければ!でもどうしましょう!褒める場所しかなさすぎて何から言ったら良いのか!!とりあえず片っ端から言いましょうか!!!
西香「あなたはいつも天使様ですわね!どうして何を着てもそんなにお似合いなのですかっ?そんなに髪も艷やかで、それにこんなにきめ細かい肌で、柔らかくて温かくていい匂いで……」
あの子「(๑•᎑•๑)」
西香「あぁっ!そんな笑顔を向けないでください!眩しくてあなたのきれいな瞳を見ることが出来ないじゃありませんかっ!」
あの子「(๑º º๑)」
西香「あぁぁっ!照れないで!わたくしは単に事実を述べているのみで……そんなに謙遜して……あなたの心は何よりも美しく尊いですわね……あなたが生きているという事実だけで、わたくしはこのつまらない世界を生きていくことが出来ます……っ。本当に生まれてきてありがとうございますっ……この感謝は言葉に表せません!そうですわ!今日は相続税を考える日なんですの!相続といえば……わたくしの死後の保険金は全てあなたが受け取れるように設定しに行きましょう!」
あの子「(ㅇㅁㅇ;;)」
あの子「( º﹏º。 )」
西香「泣かないでくださいましっ!わたくしは死にませんわ!でもわたくしの遺産があなたに受け継がれると考えただけでも嬉しくてつい口が滑ってしまっただけで……」
わたくしはあの子をつれて家を出ていきました。まぁ本当に相続を設定しても良かったのですが、この子と二人なら公園を歩くだけでも良いですわね!……わたくし達が出ていった後残った方たちが集まっていたようですが。
衣玖「で、いつ○す?証拠が残らない方法を最低でも5000通りは用意できるわよ」
留音「え?家に入れなきゃいいんじゃねぇの?最近寒くなってきたし野たれるだろ」
真凛「だめですよぉ☆あの子も一緒なんですから……それよりもわたしが地球を破壊して西香さんのいる場所だけを最後まで残して地球崩壊の様子を目の前で見てもらいながら少しずつ酸素が無くなる恐怖を味わってもらうというのはどうでしょうか^^」
衣玖「それ良いわね、恐怖に発狂してくれないかしら」
留音「……でもあいつ、何したって次の日にはケロッとしてるんだよな……」
真凛「……そうですね。わたし達が大人になるしかないんですよね……」
衣玖「はぁ……今日のはなんだったのかしらね」
皆さん、わたくしが日めくりをしっかり遂行したことに感謝を重ねていることですわね。読者の皆さん、あなた方も褒めて差し上げますわ。わたくし以外に見どころも無いでしょうにこんな長い文章に付き合ってくださって。
よかったら明日も見に来たっていいんですわよ?わたくしが出ない日は華もありませんけどね。




