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2019年10月12日 日めくり存続会議

2019年10月12日


衣玖(いく)「正直日めくり困ってきた」


 照れているのかいないのか、頭をポリポリと掻きながらあっけらかんと衣玖(いく)はそう言った。


留音(るね)「あっ!?」


西香(さいか)留音(るね)さんのガラの悪いのが出ましたわよ。でも流石に聞き返しますわね。衣玖(いく)さんの始めた企画ですけどこれ」


衣玖(いく)「いやね、やめたいって話じゃないのよ。記念日をテーマにやってきて思うのはブレがすごいってことなの。ネタにしやすい日があればいいんだけど、正直無理やりネタにする日とかあるでしょ?」


真凛(まりん)「あっ(昨日のFF12記念日……)」


衣玖(いく)「まぁ今日なんかもそうなんだけど。記念日ったら豆乳の日くらいしか無いのよ。無理でしょ?話広げてもいいけど、絶対誰も得しないのよね」


西香(さいか)「わたくし豆乳好きですけど」


衣玖(いく)「好きかどうかで日めくり出来ないでしょ!(ダン!)」


留音(るね)「お前昨日散々好きなのテーマにしてたよな?ハチロクの日のアーカイブ、もっかい見るか?」


衣玖(いく)「ともかく、もう全然広がらない日が出てきた場合にどうすればいいのかを考えたの。もうね、記念日ネタじゃなくてもいいんじゃないかなって思ったのよ。最初は記念日紹介を頑張ってた気がするんだけど、今じゃもうそこどうでも良いのかなって思い始めてきて。精緻な記念日情報を提供できなくなる回が今後出てきても文句ないわよね?」


真凛(まりん)「えっとぉ、多分わたし達から記念日の情報を入手しようとする人はいないんじゃないかなぁ……」


衣玖(いく)「そんな事ないわよ!ぎょぎょなまこ先生は銭湯の日に入りに行こうかなって言ってくれたし!」


留音(るね)「まぁでも、そこまで気にしなくていいんじゃないか?基本的にあたしたちの火薬に満ちたバトルシーンと宇宙での超高速ドッグファイトを目当てに来てくれてる人の方が多いと思うぞ」


衣玖(いく)「やっぱりそうよね。記念日紹介より私達の活躍の方が大事よね?」


西香(さいか)「わたくし、日めくり始めてから火薬の匂いすら嗅いだ事ないんですけど?」


真凛(まりん)「はぁ、それじゃあ衣玖(いく)さん、なにか今日はやりたいお話があるっていうことですかぁ?」


衣玖(いく)「うん、バンドやりたい。ヘビメタとかパンクロックとかの。みんなでグループ組も?」


 衣玖(いく)はパンクロッカーがするような指を三本立てながら手の甲を見せるポーズを取りながらそう言った。


留音(るね)「バンドー?……確かに記念日ネタで出来なさそうだけど……」


真凛(まりん)「わー、ちょっとたのしそ~、ふわふわタイムとか歌いたいです~♪」


衣玖(いく)「いや、私が目指すのはそういうのじゃないから」


西香(さいか)「わたくしはスクールアイドルが良いですわねっ!最近の課金対象はもっぱらスクールアイドルなんですの、わたくし」


衣玖(いく)「いや、私が目指すのはそっちでもないからね。もっとかっこよくてダークなのだから。スクールアイドルはシャウトとかしないでしょ?」


 え~、と小さく抗議する真凛(まりん)西香(さいか)の様子を全く意に介していない衣玖(いく)を見て、留音(るね)が呆れたようにため息を一つ。


留音(るね)「なぁ、無理だよバンド、バンドは無理だ。もう音楽性の違いで解散する結末しか見えてねーもん。音楽性の違いで結成も出来なさそうっていうか多分出会わない人たちだよその方向性だと」


衣玖(いく)「いや、でもやりたいの。やる。だってもう広げようの無い記念日ネタを考えるのうんざりなんだもん。そんなのより音楽性の違いでギスギスしたバンド人生歩んだほうがマシ!」


真凛(まりん)「わかりました……衣玖(いく)さんがそこまで覚悟を決めたのであればわたしも手伝います!やりましょうバンド!次の記念日ネタが微妙な日はバンドシチュエーションで遊びましょー!」


 ぐっ!と特に難しいことは考えていない真凛(まりん)


西香(さいか)「わたくしはスクールアイドルになってたくさん課金してもらいたいですわ」


留音(るね)「大丈夫かぁ……?でもバンドか……あたし歌えるかなぁ……」


衣玖(いく)「いや、歌うのは私よ、言い出しっぺなんだから当然でしょ」


留音(るね)「えー!いいじゃん!あたしもバンドの華になってみてぇよ!」


衣玖(いく)「シャウト要員で使ってあげてもいいけど」


留音(るね)「やだよ!意外と可愛い声で素敵な歌詞を歌って疲れた人のハートに響いちゃう感じの歌い手やりたい!」


衣玖(いく)「言っておくけど、ルーに用意する歌詞は『ウボォー!』か『AhhhhhhAAAAA!!』だけよ」


留音(るね)「おー上等だよ!そんなバンド誰が入るか!」


西香(さいか)「ほとんど秒で結成しない予測を達成しましたわね」


 流石バカ二人ですわ、と呟く西香(さいか)


衣玖(いく)「でも記念日少ないなー使えないなーって日はもうこれからそういうテイストもあるかもって宣言しておくわ。ルーもなんだかんだ言って付き合ってくれるでしょ?」


留音(るね)「マンネリって一番怖いと思うしな。でも歌いたいのはホントだぞ。あたしは"歌いたいって思うけど人前出たら緊張しちゃうところを、誰かのひと押しとか何か感動的なきっかけでいざ声を出したら会場の空気を掴んでしまう美少女歌手"みたいな展開でやりたいぞ」


衣玖(いく)「そこら辺は前向きに検討しましょう」


真凛(まりん)「うんうん。いざとなったらいつでも地球を消滅させて色々なかったことにしますから、安心して何でもトライしてみましょ~」


 今日は豆乳の日。バストアップに効果があるという豆乳について、衣玖(いく)はもっと取り上げるべき話題であったかもしれない。

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