2019年10月11日 誰も知らないFF12記念日とウィンクの日
2019年10月11日
みんなの暮らす家のリビングにて。
衣玖「今日はファイナルファンタジー12記念日がニューヨークで制定されているらしいわ」
留音「へー、ファイナルファンタジーにも記念日があるのか。しかも12の記念日とはまた。……ん?"らしい"なのか?」
西香「曖昧な言い方ですわね」
衣玖「実はこの記念日についての情報がほとんど無いのよ。ニューヨークで本当に制定されたらしいことはスクエニの公式リリースで確認できたんだけど、それに関してのイベントや何かが行われたようなレポートをまとめたようなサイトが全然見つからなかったの。……ウィキにすら一文添えられているくらいで」
真凛「へぇ~。それなのに取り扱うんですかぁ?」
衣玖「私が、FF12、好きだからね」
留音「当時は賛否分かれたよな。システムがこれまでのFFと全く違ってて。あたしも戸惑ったっけ」
オンラインゲームのような内容であった、と回想する留音。
衣玖「でもわかってくると唯一無二の傑作よ。バージョンもオリジナル、インターナショナル版、アッパーリマスター版と出て続編は2作品。うち1作は消えたんだけど……でもそれくらいパワーのある作品なのに、日本じゃあんまり評価されてないのよね」
留音「正直あたしも12はあんまり好きな方じゃないかな。下から数えたほうが早いかも。ガンビットってシステムはちょっと難しくて」
衣玖「革新的なシステムよ。レベルを上げて物理で殴りたいってプレイヤーには難しいのは確かだけど、ガンビットは設定の組み方次第で戦闘が完璧な効率で自動化するという快感を与えてくれるし」
西香「そりゃあ留音さんには無理ですわねぇ」
留音「それでも一応クリアはできたんだけどな……」
衣玖「そのへんのバランス感も良く出来てたからね。ほんの半年前くらいにスイッチ版も発売しているし、興味がある人は是非遊んでみて欲しいわね」
真凛「ゲームの宣伝になっていますねぇ」
衣玖「記念日を見つけて嬉しかったんだけど、あまりにも実態が謎の記念日だし本編の思い出話すくらいしか無くて。当時ニューヨークでイベントも開催されたようなんだけど『プロデューサーがスピーチを行う予定。米国での販売本数に大きな影響を与えることになりそうだ』程度で終わってるし」
留音「それでも取り上げたんだな、FF12記念日」
衣玖「好きだからね」
西香「でもこんな記念日知った所でって感じですわよ?」
衣玖「私が、好きなのっ」
むすっとした衣玖が黙ってしまったので、真凛が頬に人差し指を当てて首をひねった。それからスマホで何かを調べ始める。
真凛「うーん。このまま終わっちゃうのも日めくり的に弱いので、もうちょっと別の記念日でもアプローチしていきたいですねぇ。あ、カミングアウトデーっていうのもあるみたいですよ☆カミングアウトって秘密を打ち明ける、っていう事ですよね?」
西香「あら、いいじゃありませんか。秘密を打ち明けあいましょうよ。わたくしには秘密なんてありませんが、他の人の秘密は知りたいですわ」
包み隠さない西香に留音が小さなため息を吐く。そこに真凛が楽しそうに手を挙げて言った。
真凛「あ!じゃあわたしから行きます!昨日テトリス99で初めて一位になりました!」
留音「え?それ秘密?」
真凛「言ったら自慢になっちゃうかなって秘密にしてました^^v」
すごいでしょ、えっへん。そんな空気を醸し出して胸を張る真凛。
留音「そういうのはカミングアウトって言わないからな」
真凛「え~。じゃあそういう留音さんは何か無いんですかぁ?」
留音「いや、あってもこんなところで言わないし……」
留音は思い当たる秘密があるのか、少し語尾を弱めて言う。そこに黙っていた衣玖がここぞとばかりに言葉を挟んだ。
衣玖「あ、あれでいいじゃない。今日のためにウィンクの練習してたこと」
留音「あっ!おまえ!」
西香「ウィンクって、片目パチクリするやつですわよね?」
衣玖「そうよ。今日はウィンクの日だからってルー、話題を広げられるように練習してたのよ」
真凛「うわ~っ、偉いですね~!留音さん、せっかくだしやってみてくださいよぉ☆」
留音「え~……ん~、結局上手くできなくて……」
両目ぎゅっ。留音の努力の成果が披露された。
衣玖「(ふっ……)」
留音「おい笑うな。お前はできんのかよ?」
衣玖「出来るわよ。イェ!」
衣玖は顔を少し上に方向け、片手の指を三本立てながら舌出しウィンクをやってみせた。
真凛「わぁ~、パンクロックウィンクだ~☆」
髪色がオレンジとか赤にアッシュを入れていたら完璧な感じの表情豊かなタイプのウィンクである。
留音「そういうのじゃなくてさ……可愛くウィンクってどうやるんだ?」
真凛「こうですよ☆」(パチ ミ☆)
留音「あーそういうの。パチってした時に☆がピョワって飛び出すようなウィンクしてみたいんだよ。んっ」
留音はもう一度両目ぎゅっ、をする。
真凛「最初は両目を閉じた状態で片目を開くような意識をするといいんじゃないかなぁ」
留音「なんだそれ。片目が開けねぇのにー」
西香「……(両目ぎゅっ)」
衣玖「あれ?西香?」
西香「はい?」
衣玖「今……ウィンクしようとした?」
西香「してませんけど?」
衣玖「ホントに?出来るの?」
西香「出来ませんけど?何か?」
留音「おっ、お前も出来ないのか。難しいよな?」
西香「というか必要ありませんし。魅了させたいならあっかんべーってするのでも同じくらい可愛いですから。(んべっ)」
西香は軽く下まぶたに人差し指を当てて小さく下を出して見せた。
留音「あっ、いいなぁー、あたしもそれがいい」
西香「これはわたくしのですわよ」
真凛「わたし、両目のどっちでもウィンク出来るんですよぉ☆(パチ☆ミ&ミ☆パチ)」
今日はウィンクの日。