表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/414

2019年9月29日 接着の日は人と人とをくっつける日

2019年9月29日


 いつものみんなのリビング。戦慄する西香(さいか)。目の前には見知らぬ美少女が立っている。彼女は一体誰なのか。ここにきてまさかの新キャラなのか。


西香(さいか)「あなたは……一体誰なんです!?」


??『あたしは留音(るね)でも衣玖(いく)でも無い……あたしは、ルニクだ!!」


 その人物は親指で自分を指し示している。髪がツンツンしていたり異様に露出の多い格好ではないが、大体お察しの通りである。


西香(さいか)「……だから一体誰なんです!?」


 西香(さいか)は察しが悪いので気づきはしないが、通りがかった真凛(まりん)が普段どおりの雰囲気で指摘した。


真凛(まりん)「あっ、留音(るね)さん衣玖(いく)さん、おはようございまーす。今日は変な格好してますね。魂がくっついちゃってますよ?」


ルニク『いやぁ~実はそうなの。今日って接着の日でしょ?由来を調べたら"人と人とをくっつける"とか書いてあってね。なるほどって思ってそういう装置が出来ないかなーって、ちょっと試したら出来たんだよ、接着装置』


真凛(まりん)「そういうことですかぁ。でも人と人とをくっつけるってそういう意味じゃないんじゃなかなぁ?」


 至極まっとうな意見であった。


西香(さいか)「それで、衣玖(いく)さんと留音(るね)さんがくっついてしまったということなんですね?」


ルニク『そういうこったね。だから今のあたしはすごいわよ、天才でめっちゃんこ動けるんだから』


 シュッシュ!とシャドウボクシングをするルニク。


西香(さいか)「そうなんですの?衣玖(いく)さんの黒髪と留音(るね)さんの金髪が合わさって茶髪になってるとこといい、背丈が高いのと低いのが合わさって丁度いいくらいになってるのといい、ごくごく普通の人にしか見えなくなっているのですが……」


真凛(まりん)「可愛いですよ☆」


ルニク『ふふん、ならばみているがいいさ。この最強の天才的頭脳と超最強流格闘術が合わさった姿を……行くぞ!天才・超最強波ー!!!……あれっ?」


 ルニクはチッチッチと人差し指を振ると、体の側面に両手を持っていき、波動のスタイルを取り、それを放つ動作をするのだが、そこから何も発射されることはなかった。


真凛(まりん)「最強波、出ませんねぇ?」


ルニク『じゅうべぇだー!』


西香(さいか)「何が10倍ですの?」


ルニク『気合を10倍にしたのに……どうして!?どうして最強波が使えないの!?……まさか……衣玖(いく)の体の脆弱さであたしのフィジカルが平均化され……と、ということはちょっと待って!?むむむ……あっ!やっぱり!!ヒルベルトの23の問題がどう考えてもわからない!っていうかどんな問題だったかすら覚えてない!!ルーのIQが1以下のせいで……あたしのIQ、130以下になってない!?」


西香(さいか)「なにか一人で、いや二人で?騒いでますわね」


真凛(まりん)「そんな狭い席に二人の魂が一緒に座ろうとするからですよぅ」


 真凛(まりん)の指摘は魂レベルの話をしている。彼女には一体何が見えているのだろうか。


ルニク『なんてことなの……ただでさえ一緒に喋るのも大変なのにその上弱体化だなんて……!くっつく意味ないじゃないの!何が接着の日よ!馬鹿らしい!』


西香(さいか)「本当にただのおバカだと思いますわ」


真凛(まりん)「わー、声が重なって聞こえてますけど、意図して一緒に喋ってたんですね~」


ルニク『くっそぉ……っていうかなんかトイレ行きたくなってきた……いや絶対行かないけど!!でも行きたい!でも我慢しなきゃお嫁にいけなくなる!くっそぉー!これいつ解けるの!?フュージョンは30分か!そりゃそうだ!』


西香(さいか)「なんだか忙しそうですわね」


真凛(まりん)「今日はわたしたち、静かに見守ることにしましょうか」


西香(さいか)「そうですわね。読者の方も今日が接着の日だという事はわかったでしょうし、日めくりの義務は果たしましたわ」


ルニク『あたしの体ちっちぇーからトイレ我慢できねんだ!あたしの体の代謝が良すぎるのも問題だし!どうするのトイレ!?気を紛らわせるために円周率を数えるわよ……!3.1415926535……あれ!続きがわからない!スクワットする!?あっ!これ危ない!……どうしよう!?』


真凛(まりん)「大変そぉ~☆」


西香(さいか)「あんまり近寄らないほうがいいですわよ」


ルニク『もうトイレ行こ!合体してる時の事は色々ノーカンだし!でもやっぱりやだ!絶対覚えてる!今日の夜夢に見るよー!』


真凛(まりん)「賑やかですねぇ~」


ルニク『誤算だったわね……能力は平均化されたりお互い足を引っ張ってる感じなのに、尿意はしっかり合体されるなんて……でもそうよね……液体は合わさったら増えるしか無い……くっ!」


西香(さいか)「なにがくっ!なのかはわかりませんが」


真凛(まりん)「うんうん、大変そうですねぇ~。読者の皆さんは今日がいくら接着の日だからといって適当に誰かとくっついちゃいけませんよぉ☆ばいばーい♪」


西香(さいか)「ちょっと飽きてきたのでわたくし出かけてきます」


真凛(まりん)「あっ、いってらっしゃいです~。わたしはもうちょっと眺めてよーっと。この面白い変なの」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ