2019年9月29日 接着の日は人と人とをくっつける日
2019年9月29日
いつものみんなのリビング。戦慄する西香。目の前には見知らぬ美少女が立っている。彼女は一体誰なのか。ここにきてまさかの新キャラなのか。
西香「あなたは……一体誰なんです!?」
??『あたしは留音でも衣玖でも無い……あたしは、ルニクだ!!」
その人物は親指で自分を指し示している。髪がツンツンしていたり異様に露出の多い格好ではないが、大体お察しの通りである。
西香「……だから一体誰なんです!?」
西香は察しが悪いので気づきはしないが、通りがかった真凛が普段どおりの雰囲気で指摘した。
真凛「あっ、留音さん衣玖さん、おはようございまーす。今日は変な格好してますね。魂がくっついちゃってますよ?」
ルニク『いやぁ~実はそうなの。今日って接着の日でしょ?由来を調べたら"人と人とをくっつける"とか書いてあってね。なるほどって思ってそういう装置が出来ないかなーって、ちょっと試したら出来たんだよ、接着装置』
真凛「そういうことですかぁ。でも人と人とをくっつけるってそういう意味じゃないんじゃなかなぁ?」
至極まっとうな意見であった。
西香「それで、衣玖さんと留音さんがくっついてしまったということなんですね?」
ルニク『そういうこったね。だから今のあたしはすごいわよ、天才でめっちゃんこ動けるんだから』
シュッシュ!とシャドウボクシングをするルニク。
西香「そうなんですの?衣玖さんの黒髪と留音さんの金髪が合わさって茶髪になってるとこといい、背丈が高いのと低いのが合わさって丁度いいくらいになってるのといい、ごくごく普通の人にしか見えなくなっているのですが……」
真凛「可愛いですよ☆」
ルニク『ふふん、ならばみているがいいさ。この最強の天才的頭脳と超最強流格闘術が合わさった姿を……行くぞ!天才・超最強波ー!!!……あれっ?」
ルニクはチッチッチと人差し指を振ると、体の側面に両手を持っていき、波動のスタイルを取り、それを放つ動作をするのだが、そこから何も発射されることはなかった。
真凛「最強波、出ませんねぇ?」
ルニク『じゅうべぇだー!』
西香「何が10倍ですの?」
ルニク『気合を10倍にしたのに……どうして!?どうして最強波が使えないの!?……まさか……衣玖の体の脆弱さであたしのフィジカルが平均化され……と、ということはちょっと待って!?むむむ……あっ!やっぱり!!ヒルベルトの23の問題がどう考えてもわからない!っていうかどんな問題だったかすら覚えてない!!ルーのIQが1以下のせいで……あたしのIQ、130以下になってない!?」
西香「なにか一人で、いや二人で?騒いでますわね」
真凛「そんな狭い席に二人の魂が一緒に座ろうとするからですよぅ」
真凛の指摘は魂レベルの話をしている。彼女には一体何が見えているのだろうか。
ルニク『なんてことなの……ただでさえ一緒に喋るのも大変なのにその上弱体化だなんて……!くっつく意味ないじゃないの!何が接着の日よ!馬鹿らしい!』
西香「本当にただのおバカだと思いますわ」
真凛「わー、声が重なって聞こえてますけど、意図して一緒に喋ってたんですね~」
ルニク『くっそぉ……っていうかなんかトイレ行きたくなってきた……いや絶対行かないけど!!でも行きたい!でも我慢しなきゃお嫁にいけなくなる!くっそぉー!これいつ解けるの!?フュージョンは30分か!そりゃそうだ!』
西香「なんだか忙しそうですわね」
真凛「今日はわたしたち、静かに見守ることにしましょうか」
西香「そうですわね。読者の方も今日が接着の日だという事はわかったでしょうし、日めくりの義務は果たしましたわ」
ルニク『あたしの体ちっちぇーからトイレ我慢できねんだ!あたしの体の代謝が良すぎるのも問題だし!どうするのトイレ!?気を紛らわせるために円周率を数えるわよ……!3.1415926535……あれ!続きがわからない!スクワットする!?あっ!これ危ない!……どうしよう!?』
真凛「大変そぉ~☆」
西香「あんまり近寄らないほうがいいですわよ」
ルニク『もうトイレ行こ!合体してる時の事は色々ノーカンだし!でもやっぱりやだ!絶対覚えてる!今日の夜夢に見るよー!』
真凛「賑やかですねぇ~」
ルニク『誤算だったわね……能力は平均化されたりお互い足を引っ張ってる感じなのに、尿意はしっかり合体されるなんて……でもそうよね……液体は合わさったら増えるしか無い……くっ!」
西香「なにがくっ!なのかはわかりませんが」
真凛「うんうん、大変そうですねぇ~。読者の皆さんは今日がいくら接着の日だからといって適当に誰かとくっついちゃいけませんよぉ☆ばいばーい♪」
西香「ちょっと飽きてきたのでわたくし出かけてきます」
真凛「あっ、いってらっしゃいです~。わたしはもうちょっと眺めてよーっと。この面白い変なの」




