2019年9月27日 世界観光の日 異惑星に観光へ行った話
2019年9月27日
留音「いやー、まさかこんな場所に観光に来れるとは思わなかったよ」
いつもどおり、五人揃っての美少女たちは見慣れない景色の前に並んで立っていた。そこは美しい緑の空と透き通った緑の湖、そして群青の田園が広がっている。およそ地球の光景とは思えなかった。
衣玖「ホントね。ありがとね真凛、今日は招待してくれて」
真凛「喜んでもらえてよかったです^^」
真凛はニッコリと誇らしげにそう言った。ここに来られたのは真凛がいたからこそなのである。
西香「ちょうどいいネタ消化になりますわよね、今日は世界観光の日だと言うのに、わたくしたちの中に誰一人として観光について良いお話が出来る人がいなかったので」
衣玖「だって外に出る意味が無いじゃない。家でゲームして心を探求して新しいものを研究開発してるほうがよっぽど有意義だし」
留音「いや、あたしは普通にハワイとかいいなって話したかったけど……まぁでも、真凛の機転には感謝だよな、衣玖だってここには乗り気で来たし」
衣玖「そりゃあね。真凛のツテで別銀河の惑星に観光に行けるってなったら話は別よ。全く知識の及ばない場所なら観光する価値はあるわ」
そう、ここには真凛の惑星間瞬間移動によって来たのだ。これはまれに出てくる真凛の初出し設定の一つである。
西香「観光には世界どころか宇宙に出てしまう……流石わたくしたちですわね」
あの子「(*◠‿◠*)」
留音「しかし別の惑星なんて出たこと無いからなぁ……おっ、あれ現地の人じゃないか?」
衣玖「ホントだ。どんなタコチュー星人がいるのかなって思ったら、私達みたいに人型をしてるのね」
遠くに見えてきたのは集落だろうか。巨大な円形の奇妙な形の建物の付近に数人の人が出歩いており、そこに向かって真凛が大きな声で手を振りながら呼びかけた。
真凛「あのぉー!こんにちはー!こちらに住んでる方々ですかぁー?」
するとそこにいた現地民の一人が、真凛に挨拶をするように手を上げ、叫び声を挙げる。
現地民1「きぃぇええええええ!!なんかいるううううう!!!!かえれえええええ!!!」
西香「あらっ、何か歓迎されていない雰囲気ですわね?」
ぎょっとする四人だが、真凛は楽しそうに現地民と意思疎通を取っているようだ。それはそうだろう、日本語に聞こえるかも知れない言葉も、実際は異惑星語である。真凛には違和感なく聞こえている。
真凛「私達は別の惑星から来たんですけどぉ、ここはいい場所ですねーっ!」
留音「おい真凛、相手方の様子がおかしいけど大丈夫なのか?」
現地民2「みなのものおおおおお!!であえでああああえええええ!ぜんたいしゃげきよおおおおい!」
まだまだ相手は叫んでいる。かなり攻撃的ではあるが、真凛的には「よくぞいらっしゃいました、歓迎します」的に聞こえている。現地民は続々と集まり始めた。
衣玖「あれって何かしら、重火器?」
真凛「すごい歓迎っぷりですよ皆さんー!あ、現地の方もありがとうございます~」
現地民3「ふぉいああああああああ!!」
っすると現地民は一方的に手に持った筒状のモノを五人の向け、トリガーを押し込んだ。
留音「う、うわぁぁぁぁ!?あいつらなんか撃ってきたぞ!!?いてぇいてぇ!銃にしては全然痛くねぇけどいてぇっ!」
主に真凛と留音にペチペチと豆のような何かがあたっている。あの子には弾が当たる前に消滅している。
西香&衣玖「(すっ……)」
留音「どおおおおい!あたしを盾にするんじゃねぇよ!おおいいい現地民!やめろお前らぁぁああ!」
真凛「あっー、留音さん、そんなに怒鳴ったらダメですよぅ。これはここの星の方々の歓迎方法なんですからぁっ」
留音「あっ?!歓迎!?」
衣玖「なるほどね……つまり劇場版ダブルオー現象というわけか……」
西香「なんですのそれは?」
留音「コミュニケーションの方法は星が違えば大きく違うって話か……!真凛!お前スーパーバイリンガルなんだろ?!あいつらなんて言いながらぶちかましてきてんだ!?」
現地民4、5「かえええれえええええ!!かえれえええええ!」
現地民たちはズドドドドと何かしら武装を放ちながらそう叫んでいる。
衣玖「完全に帰れ帰れ言われてるけど……でも発音上そう聞こえるだけってことなのね」
真凛「ここはこの星の中でもかなりマイナーな観光地なので、こうやって人が来てくれて嬉しいですって!みんな舞い上がっているんだそうです☆すごい歓迎っぷりです~!」
西香「異星人は見かけによらないものですわね……!これで歓迎を受けているとは……!」
留音「本当に歓迎なのかこれ!?輪ゴムみたいなのでずっとピャンピャンされてる感じなんだけど!?」
真凛「あのぅすみませーん!この星ではその歓迎を受けるにはどうしたらいいんですかぁー?」
現地民6「だまりゃあああああああ!!いねぇええええええいいい!!」
真凛が現地民とコミュニケーションを取ると、「なるほどぉ☆」と真凛はみんなに向き直って伝えた。
真凛「ええとぉ、ここでこういった歓迎を受けたら、相手に背中を見せて「たいさーん!」と言いながら立ち去るのが一番ポピュラーなんだそうですよぉ☆」
西香「追い出されてますわよね?それ」
真凛「この国ではそれが一番お互いを尊重する方法なんです☆とにかく大事なのはあの方々から見えなくなる場所に行くことなんですって!」
衣玖「なるほど……これが異星旅行……郷に入っては郷に従えというものよね。行くわよみんな!たいさーーーーーん!!」
留音「たいさんたいさーーーん!!」
走って逃げるように立ち去るみんな。それを現地民の方々は銃的な物を掲げ、怒声のような歓迎ムードで叫んでいる。
現地民達「にどとくるなああああああああああ」
真凛「あはは☆あんなに皆さん快く迎えてくれて、とってもいい場所に来ちゃいましたねぇ♪」
西香「全く気持ちよくないのですが……」
衣玖「でも楽しいわねっ!これこそ観光だわ!真の意味で新しい文化に触れるってこういうことなのよ!」
真凛「楽しんでもらえてよかったです~☆世界観光の日……観光の楽しさが伝わる日めくりになりましたねぇ♪」
留音「あたしはもっと普通のバカンスで良かったなぁ……」