【特別回】またも素晴らしいファンアートを頂いてしまいました!!!!
2019年9月15日
真凛「わ、わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!大変です!!みなさぁぁぁん!!集まってくださァァァい!!!」
留音「何事だ!真凛!?何故か全員もう揃っているぞ!!!」
もうみんなが一人ずつ集まるという描写すらカットするほどの緊急事態であった。
西香「何かしらこの感じ……風がわたくしに死を予感させる……」
衣玖「で、そんなに声を張り上げてどうしたの?何かが印刷され……ふぁあああー!!こ、これはまさか……!!」
パソコンの脇にあるプリンタから、じわじわと絵が出てきていた。そして印刷の終わったそれを手にとった真凛はゼルダよろしくな効果音を口ずさみつつ両手で掲げて全員に見せつけた。
真凛「はい……ついに来てしまいました……ファンアート第二弾が……ついに!!わたしのファンアートが来てしまいました!!!」
留音「どぁあああああ!!!あたしも写ってるぅうううう!!ぃやったーーー!!やったな真凛!!アンドあたし!!!」
バーっと両手を挙げてバンザイの留音。
真凛「やりましたね留音さーん!これでわたしも像の浮かぶちゃんとした美少女キャラになりましたぁ~!!」
西香「ふっ……ふぇ……ひっ……ふぐ……うぇっ……」
その現実を見せつけられた西香が音もなく崩れ落ちている。
衣玖「へぇ、良かったわね。おめでとう二人共。西香は涙を流しながら痙攣してるけど、きっとモールス信号のリズムで痙攣してお祝いしてるわ」
留音「いやぁ本当に……今回も可愛いなぁ!お前も可愛いよ真凛!!ニコニコしてて最高だなぁ!」
真凛「留音さんこそ、口調と態度と振る舞いの粗暴さと溢れ出る筋肉質な男気が抑えられていい具合に美少女になってますよぉー♪」
留音「あんまり褒めてないぞっ♡」
衣玖「でもこんな風に二人でいる様子まで書いてもらえるなんて、正直羨ましいわね。すごくよく書けてるし……ところでこれ、いつの二人なのかしらね」
真凛「いつものわたし達ですよね☆留音さん♪」
留音「そうだぞー!あたしたちはいつもこんな風にくっつきあってニコニコしてるんだからなー!」
衣玖「……あっ、これあの時の事じゃない?ほら……」
ふぁんふぁんふぁんふぁ~ん……(回想に入る音)
*
これはいつかのお昼時、真凛が買い物から帰ってくると、リビングのスペースで椅子ではない何かに座り、不思議なポーズで身を捩らせている留音が目に入った。ちなみに衣玖はソファにあの子の隣に座ってテレビゲームで遊び、西香はあの子の膝を枕に寝転がってスマホを眺めている。
真凛「あれれ?留音さん、それってもしかして、バランスボールっていうやつですか?」
おしゃれな紙袋をリビングの食事用テーブルに起きながら真凛が尋ねると、留音が不思議なポーズをやめて言った。
留音「ん、そうそう。そういやうちになかったなと思って、一個買ってみたんだよ。インナーマッスルとかはもちろん、かなり色々鍛えられるんだけど、今まで使ってなかったからさ」
留音はバランスボールの上に座り、ぼよんぼよんと跳ねながらそう言った。
真凛「うわぁー、楽しそうですねぇ~☆わたしもやってみたいですぅー!後で使わせてくださいー!」
留音「いいぞ、これってこうして座りながらぴょんぴょん跳ねてるだけでも楽しいからな。そういう真凛は何買ってきたんだ?」
真凛は袋からニコニコと中の物を取り出し、留音に「はいっ」、と見せつけた。物欲に支配された西香もちらとそちらを見るが、どうやらお気に召す者ではなかったのか、どうでも良さそうに再びゲームに戻った。
真凛「じゃじゃーん!花瓶です!とっても可愛いのがあったので買ってきたんですー☆」
留音「おっ!ちっこくて可愛いじゃん!」
真凛「はい~、こっちの食卓のテーブルは少し大きめでスペースが出来るので、小さなお花でも飾ったら可愛いかな―って思って♪あっ、留音さん、リビングでそれ(バランスボール)使うのはいいですけど、ぶっ飛ばして割ったりしたら許しませんよ☆」
留音「そんなことするわけないだろー。そういう風に使うものじゃないしさ」
そんな会話をしたあと、真凛は可愛いお花を求めに再び出かけた、その少し後だった。
衣玖「ねぇルー。そういえばバランスボールって極めて来ると上に乗ってバク宙みたいなことも出来るのよね?」
留音「あぁ、ちょっと話題になったことあったなぁ。あれくらいならあたしにもできんじゃないか?よっ!!」
次の瞬間にはどがしゃーん!という音がしていた。留音の特殊な使用法によって射出されたバランスボールが何回かのバウンドを経て食卓テーブル方面を壊滅させ、主に真凛の買ってきたとっても可愛い花瓶を粉々に砕いたのだ。
西香「すごいですわね。誰との会話も挟むこと無く、小さな振り一つで誰もが想像した展開を作り出すなんて。面倒なことになりそうですのでわたくしは少し外出します。それでは留音さん永遠にさようなら」
留音「はわわわわわ……やっちまったぁ……い、衣玖が妙な振りするからぁ!」
衣玖「振ってないわよ。私は単にバランスボールに対する知識もあるって事をひけらかしたかっただけ」
留音「くっそぉー……下手こいたぁ……真凛が帰ってきたらどんな目に合わされるか……」
真凛「……どんな目に合いたいですかぁ……?^^」
うろたえる留音の背後から音もなく現れた真凛が留音の背中を両手でガシッと掴む。いつもどおりの笑顔を浮かべながら怒りを垂れ流す真凛の表情を、震えながらゆっくりと振り返って見た留音。この後真凛によってお手軽に世界は滅び、また再生した。
ふぁんふぁんふぁんふぁ~ん……(回想終了の音)
*
衣玖「……って時の様子じゃない?」
留音「いや絶対ちげぇよ!もっと可愛い状況に決まってんだろぉ!?なんとなくそう見えてくる人がいたらせっっかく書いてくれたhatimituhanao様に申し訳が立たねぇよ?!」
真凛「そうですよぉ!風評被害です!こんなに可愛いアートなのにー!……でもそれはそれとして留音さん。そういえばあの時は花瓶さんの無念を晴らすだけで終わってしまって……たしかあの時、花瓶は弁償するし他にもなんでも買ってあげるって命乞いをしてましたよね……?」
留音「ひっ……おい衣玖!!真凛が余計なこと思い出しちゃったじゃねぇか!くそぉ、死に損だあたしー……」
衣玖「自業自得よ。バランスボールの用法を守らないせい」
真凛「それじゃあ留音さん、早速今から出かけましょう~、しっかり弁償してもらって、それからえっとぉ、最近新しいフライパンが欲しいなぁーって思ってたんですよぉ」
留音「あーもう、仕方ないか……でもあんまり高いのはやめてくれよ……?」
るんるんと出かけるための準備を始めに自室に戻っていく真凛と留音。リビングに残った衣玖に、ゾンビのようになっている西香が言った。
西香「グッジョブですわ、衣玖さん……このままあの二人に風評攻撃を仕掛けてくださいまし……まさか……わだぐじ……うぐぅっ、真凛さんにも先を越されるなんて思いませっ、でじだぁ……ぐすん」
衣玖「……私はね、別にいいのよ、本当に。羨ましいとは思うけど、真凛に先を越されたって、西香が貰って私が最後に残ったって別に気にしないの。学会ではハブられ慣れてるし……でもね、ルーが二枚目貰ったって考えると……なんなんでしょうね、この気持ち」
衣玖はなんとなく、小学校からの思い出を少しだけ頭の内に走らせる。それを懐かしんでいるのはきっと、幼馴染が遠くへ行ってしまうような感覚を覚えたからなのだろう。
西香「衣玖さん、それは多分嫉妬ですわ……あなたも暗黒面が見えてきましたね……」
衣玖「そうなのかしらね」
それからリビングの外の廊下で、玄関に向かう留音が大きな声で真凛を呼ぶ。
留音「おーいまりーん。まだかー?ってかどこ行くよー?」
真凛「今行きます~☆近くのマルイオンでいいですよぉ♪」
先に靴を履いて準備を終えた留音に真凛も続く。
真凛「ではっ、行きましょーっ♪」
玄関を出て軽く体を動かしていた留音の背中に楽しそうに手をおいた真凛は、とっても可愛い笑顔でそう言った。
衣玖「(あっ……この絵か……ファンアート……)」
本当に本当に本当に感謝してもしきれません!!hatimituhanao様!最高に素敵な可愛い可愛い真凛ちゃんと留音ちゃんをありがとうございました!!今回もアートをネタに話を一つ書かせていただきましたー!