2019年9月13日 世界の法の日
2019年9月13日
世界の法の日……世界平和を確立させるため、何人も正式な法律以外に支配される必要は無いのだという理念から制定された「法」の採択を記念した日……これが制定される以前の世界はまだ五人の少女たちを知らず、混沌の中にあったという。
真凛。彼女はひょんなことからその混沌の世界に降り立った。法の無い世界では毎日のように凶悪事件が起こり、人々の感情は負の連鎖を辿っている。
真凛「これはいけません……むむむむむっ、テレパシー!」
その世界の行く末に危機感を持った真凛は暗い世をその神通力で持って全てを見通した。
真凛「あらら、こっちでは強盗事件が……あー!人殺しだ―!だめー!えっとこっちは……弱いものいじめ!むむむ、なんという混迷した世界なんでしょうか……よしわかりました!とぉー!スーパー!テレパシー!!!」
ジャジャーン!全人類との脳内パスのつなぎに成功したのだ。
真凛「どうもこんにちは皆さん!皆さんだいぶ大変な世界に生きているみたいですねっ!平和で楽しい世界を作るためには、皆さんの意識改革が必要です!というわけで、悪事が起きたら皆さん全員に連帯責任を負ってもらうことにしました!ひとまず今起きている事件の分、痛みの怪電波はっしーん!」
次の瞬間、全人類が崩れ落ちるほどの苦しみを味わった。パスを通して真凛には人々の戸惑いの声が聞こえてくる。
真凛「うんうん、どうして悪いことをした人の責任を、悪いことをしてない人も負わなきゃいけないのか戸惑っているみたいですね。あ、今こんな声がありました。自分は善人なのにーって。はい、そういうところですよぉ?そもそも善悪のレッテルが良くないです!悪いと思ったものを悪いと言ってしまったら、たとえその人は頑張っていても気持ちを隅に追いやってしまいます……そうして一人が世界を呪えば、そこから負の連鎖が始まってしまうんです……そういうレッテル張りを無意識にする人たちが多いみたいですから!皆さんダウト!連帯責任です!」
全人類は再び吐き気を催すほどの苦しみを味わう。そこに善し悪しの括りはない。真の平等である。
真凛「皆さんがニコニコしていれば、悲しいことを起こす人はいなくなるはずです!誰かがニコニコしていなかったらそれは周りの皆さんでニコニコさせてあげなきゃダメです!ニコニコが足りなくなったら悲しい事件が起こります……はい!やっぱり連帯責任です!だから皆さんに怪電波をプレゼント!」
こうして何度も怪電波を送り込まれた人類は真凛のテレパシーによって脳裏に恐怖を埋め込まれる。
真凛「はい、というわけで今日から皆さんのニコニコは義務になりました。まいにちニコニコしていなかったら全員にこの怪電波を流します。ニコニコ出来るように何が必要なのか、しっかり考えてくださいねぇ」
こうして人間たちは内在する怪電波の恐怖から自分たちを守るため、人に不幸の連鎖を作ってしまうような物事に対して法という形で律し、より平和な世作りを心がけるようになったのが1961年の本日、世界法の日である。
だがそれを守らず、人の笑顔を奪う者、人を嘲る者もいる。それに対してやはり人は善人と悪人というレッテルで考えるのみで、あれから人の心に革新が起こったわけもなかった。
これ以降、真凛はこの混沌の世界に姿を表してはいない。この世の中の断ち切れない負の連鎖に絶望して消えてしまったのか、はたまた人類を諦めてどこか別の場所へ行ってしまったのか。だが忘れてはならない、人は常にニコニコして生きなければならないということを。
きっと真凛もどこかで見守っているのだ。この世にニコニコが溢れた時、彼女もまた姿を見せるのだろうか。
*
真凛「あ!ゲームキューブだ!すごーい!」
衣玖「明日はゲームキューブが発売された日なのよ。だから今のうちに遊んで明日の日めくりの肥やしになるかなと思って、発掘してきたわ」
留音「おー!いいじゃん!何やるんだ?」
衣玖「とりあえずスマブラとマリパとマリカとソニアド2なら手元にあるけど」
真凛「マリパしたいですー!」
あの子「(*^_^*)」
留音「よーっし!じゃあ今日はみんなでマリパナイトだぜー!」
真凛「やったー!>ワ<」
西香「ちょっと、わたくしのコントローラーはどこですの?これ4人プレイじゃありませんか!」