表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/414

2019年9月13日 世界の法の日

2019年9月13日


 世界の法の日……世界平和を確立させるため、何人も正式な法律以外に支配される必要は無いのだという理念から制定された「法」の採択を記念した日……これが制定される以前の世界はまだ五人の少女たちを知らず、混沌の中にあったという。


 真凛(まりん)。彼女はひょんなことからその混沌の世界に降り立った。法の無い世界では毎日のように凶悪事件が起こり、人々の感情は負の連鎖を辿っている。


真凛(まりん)「これはいけません……むむむむむっ、テレパシー!」


 その世界の行く末に危機感を持った真凛(まりん)は暗い世をその神通力で持って全てを見通した。


真凛(まりん)「あらら、こっちでは強盗事件が……あー!人殺しだ―!だめー!えっとこっちは……弱いものいじめ!むむむ、なんという混迷した世界なんでしょうか……よしわかりました!とぉー!スーパー!テレパシー!!!」


 ジャジャーン!全人類との脳内パスのつなぎに成功したのだ。


真凛(まりん)「どうもこんにちは皆さん!皆さんだいぶ大変な世界に生きているみたいですねっ!平和で楽しい世界を作るためには、皆さんの意識改革が必要です!というわけで、悪事が起きたら皆さん全員に連帯責任を負ってもらうことにしました!ひとまず今起きている事件の分、痛みの怪電波はっしーん!」


 次の瞬間、全人類が崩れ落ちるほどの苦しみを味わった。パスを通して真凛(まりん)には人々の戸惑いの声が聞こえてくる。


真凛(まりん)「うんうん、どうして悪いことをした人の責任を、悪いことをしてない人も負わなきゃいけないのか戸惑っているみたいですね。あ、今こんな声がありました。自分は善人なのにーって。はい、そういうところですよぉ?そもそも善悪のレッテルが良くないです!悪いと思ったものを悪いと言ってしまったら、たとえその人は頑張っていても気持ちを隅に追いやってしまいます……そうして一人が世界を呪えば、そこから負の連鎖が始まってしまうんです……そういうレッテル張りを無意識にする人たちが多いみたいですから!皆さんダウト!連帯責任です!」


 全人類は再び吐き気を催すほどの苦しみを味わう。そこに善し悪しの括りはない。真の平等である。


真凛(まりん)「皆さんがニコニコしていれば、悲しいことを起こす人はいなくなるはずです!誰かがニコニコしていなかったらそれは周りの皆さんでニコニコさせてあげなきゃダメです!ニコニコが足りなくなったら悲しい事件が起こります……はい!やっぱり連帯責任です!だから皆さんに怪電波をプレゼント!」

 

 こうして何度も怪電波を送り込まれた人類は真凛(まりん)のテレパシーによって脳裏に恐怖を埋め込まれる。


真凛(まりん)「はい、というわけで今日から皆さんのニコニコは義務になりました。まいにちニコニコしていなかったら全員にこの怪電波を流します。ニコニコ出来るように何が必要なのか、しっかり考えてくださいねぇ」


 こうして人間たちは内在する怪電波の恐怖から自分たちを守るため、人に不幸の連鎖を作ってしまうような物事に対して法という形で律し、より平和な世作りを心がけるようになったのが1961年の本日、世界法の日である。


 だがそれを守らず、人の笑顔を奪う者、人を嘲る者もいる。それに対してやはり人は善人と悪人というレッテルで考えるのみで、あれから人の心に革新が起こったわけもなかった。


 これ以降、真凛(まりん)はこの混沌の世界に姿を表してはいない。この世の中の断ち切れない負の連鎖に絶望して消えてしまったのか、はたまた人類を諦めてどこか別の場所へ行ってしまったのか。だが忘れてはならない、人は常にニコニコして生きなければならないということを。


 きっと真凛(まりん)もどこかで見守っているのだ。この世にニコニコが溢れた時、彼女もまた姿を見せるのだろうか。



*

真凛(まりん)「あ!ゲームキューブだ!すごーい!」


衣玖(いく)「明日はゲームキューブが発売された日なのよ。だから今のうちに遊んで明日の日めくりの肥やしになるかなと思って、発掘してきたわ」


留音(るね)「おー!いいじゃん!何やるんだ?」


衣玖(いく)「とりあえずスマブラとマリパとマリカとソニアド2なら手元にあるけど」


真凛(まりん)「マリパしたいですー!」


あの子「(*^_^*)」


留音(るね)「よーっし!じゃあ今日はみんなでマリパナイトだぜー!」


真凛(まりん)「やったー!>ワ<」


西香(さいか)「ちょっと、わたくしのコントローラーはどこですの?これ4人プレイじゃありませんか!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ