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2019年9月6日 アレやってて誰もいない さいかちゃん劇場・中編

2019年9月6日


西香(さいか)「あら?あらっ??誰もいないですわね……ちょっとー!どなたかー!」


 今日の分の日めくりをやるであろう時間に、いつものリビングに顔を出した西香(さいか)だったが、そこには誰の姿も見当たらなかった。だがさっきまでみんな家にはいたのだ。


西香(さいか)「ちょーっとー!皆さん何をやってるんですのー?日めくりは―?」


 西香(さいか)はみんなの部屋に向かって大声で訊ねると、一番近くの部屋の衣玖(いく)がまた大声で部屋の向こうからこう言った。


衣玖(いく)「今日はお休みー!」


西香(さいか)「お休み!?そんなのありなんですか?!」


 衣玖(いく)の部屋の扉を開け放つと、そこでは衣玖(いく)がゲームに夢中になっているのがあった。


衣玖(いく)「雪の場所来た―!」


 なんて話をしているのだが、どうやら西香(さいか)に対しての言葉ではないようだ。画面の向こうから留音(るね)の声が聞こえる。


留音(るね)「おーあたしもタイトルロゴでたー!!ワクワクとまらねー!」


真凛(まりん)「うー!早くみんなで温泉行きたいですー☆」


西香(さいか)「あ!!この人達モンハンやってますわ!!」


 そう、今日はモンハンワールド アイスボーンの発売日である。


衣玖(いく)「今あの子も含めて四人で遊ぶところだから、西香(さいか)、今日の日めくりはおやすみで。もしくはあなたが担当してくれると助かる」


留音(るね)「頼んだぞ―」


西香(さいか)「ちょっと!今日は類稀なる記念日の数なんですのよ!?まがたまの日ですとか回転レストランの日ですとか、96で黒だからって松崎しげるの日とかあるんですのよ!?こんなに面白記念日満載な日なのに、お休み!?」


真凛(まりん)「う~ごめんなさい~、西香(さいか)さんに諭されると心的外傷を負います~……」


衣玖(いく)「でもモンハンを優先するわよ、悪いけど」


西香(さいか)「なんて人たちですか!ずるいですわよ!!わたくしもパーティに入れなさいよ!」


留音(るね)「お前もやる気ないじゃん」


西香(さいか)「やる気はありますわ!モンハンをプレイしたい欲には負けるだけで!」


衣玖(いく)「みんなあなたと同じ気持ちよ」


真凛(まりん)「でもこのゲームは四人用ですのでぇ……」


西香(さいか)「ぐぬぬ……っていうかわたくし、まだ買ってないんですけど……!」


留音(るね)「じゃあ元から出来ないじゃん。ダウンロードならすぐ出来るから落とすだけ落としとけよ」


 西香(さいか)はスマホを取り出しすぐにコールした。ワンコール以内にそれを受けるのは西香(さいか)ファンクラブ上位親衛隊の一人だ。電話をかけながら西香(さいか)は早足で自室へ戻っていき、PS4を起動した。


西香(さいか)「あぁ、親衛隊の方。ちょっと至急であなたのクレジットカードの番号などを教えていただきたいのですが。はい、モンハンがほしいんですの。……358……」


 親衛隊は迷いなく西香(さいか)に番号とセキュリティコードを伝えて西香(さいか)はゆっくり入力している。


西香(さいか)「あら。デラックス版というのがありますわ。じゃあこっちを買いますわね。あと関連DLCもあるじゃありませんか。全部買わせてもらいますわよ」


 親衛隊は躊躇なく素晴らしい敬礼を電話の向こうでしながら了承した。


西香(さいか)「あと親衛隊、モンハンが上手な方、前にワールドのときに手伝ってくれた方を招集してください。……え?もうやってる?じゃあわたくしのキャラを連れて行くので、前のようにキャリーをお願いしますわ」


 こうして後発で西香(さいか)はモンハンを始める事になった。すぐに同居人たちを追い越して装備自慢をしてやるという気持ちでインストールを待ち、一時間後にはもうプレイを開始した。それから数時間の間、放置したり素材を採取するだけでボスがいつのまにか倒されているというプレイを続けて、日も落ちた後でやっと気づいた。


西香(さいか)「……もしかして、今日ってわたくしの個人技の絶好の披露日だったのでは……?」

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