2020年7月22日 日常ショート スマホ買い替えた西香ちゃん
2020年7月21日
西香「設定出来ました?」
衣玖「もうちょい」
西香「ちゃんとアプリの設定も引き継いでくれないと困りますからね」
衣玖「わかってるって、もう……しかし随分オーバースペックなスマホにしたわね」
西香「当然です。このハイランダーでとても高級なスマホはわたくしが持つにふさわしいものですわよ。まぁ15万円というのはどうかと思いますけど」
衣玖「ハイエンドね。でも本当に5年後でも現役で使えそうなスペックよね。後でちょっとアプリ触らせてくれる?」
西香「却下しますわ! これわたくしのですから!!」
衣玖「ケチ! 超ハイパーケチっ、設定してあげてるのに!」
西香「それとこれとは全く別の話です」
ということで、設定が済み、西香は初めて超高級なスマホというものを使ってみることにした。
西香「はぁ、なんという光沢。輝くディスプレイにこの高級感溢れるずっしりとした重み……画面比率21:9という特別感のあるスクリーンにレンズがいくつもあるカメラ……有象無象のスマホとはわけが違うってもんですわね……」
うっとりとしながらスマホポチポチ。やることは基本的にひたすら貢がれたお金で課金して有料ガチャを回すだけの人生である。
西香「ダイナミックな画面で回すガチャは一味違いま……ってあら……?」
何時間か堪能した西香。
衣玖「どう? 結構いい感じ? 動画みたり音楽聞いたりする時に画面から音が出て端末が音に合わせて振動するそうじゃない。試してみた?」
西香「はぁ、そうなんですの……なんてしょうもない機能……」
衣玖「面白そうじゃない。っていうかテンションだだ下がってるけど」
西香「……まぁ無駄に高いものを買ったなという気持ちは否めませんわね。なんですのこれ、21:9の画面って。ろくに対応してるアプリがないじゃありませんか。余白が気になるんですけど。寝ながら持つにも重いですし、やたら処理能力が高いとかありましたけどバッテリーも前に使ってたやつのほうが長持ちしましたわよこれ。カメラだって大した使いみちありませんし……はーぁ。衣玖さん、これ買いません? 15万円で良いですわよ」
衣玖「中古なんだから安くしてよ」
西香「では14万9500円でどうですか?」
衣玖「いらないわね」
西香「はぁ……使ってれば愛着がわくのでしょうか……」
普段遣いするものは高級品より手に馴染むものを買おう。そう肝に銘じる西香だった。




