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2020年6月22日 ボウリングの日 こち亀の日

2020年6月22日


 今日のミニーズはボウリングに来ている。初めてボウリングをプレイできる場所が建設されたという記録がされた今日はボウリングの日なのだ。


 というわけで遊びに来た3人。イリスはルールを知らなかったのでアンジーと聖美(きよみ)が投げ方から教えてあげて、いよいよ形になってきたところだった。


「ねぇー彼女たちー、俺達と一緒に投げようよー」


 金髪でボサボサヘア、耳にはピアスの男3人が話しかけてきたのだ。運悪く隣のレーンでプレイしている。


 ミニーズは女子3人。(と言っても一人は男の娘だが)格好の的というものだったのだろう。


イリス「何?」


「男だけじゃ寂しくてさ。ねぇねぇ、こっち来てくれたらボウリング代払ってあげるしさ!」


 典型的なナンパだった。聖美(きよみ)は黙ってしまっているし、アンジーもなんて返そうか考えあぐねている。


イリス「悪いけど、友達だけで遊んでるから。構わないでもらえない?」


「えー、いいじゃんかー。ここで遊ぶのだって君らくらいじゃ安くないっしょ? 俺たち大学で時間あるしさ、お金も結構持ってんのよ。遊んでよー」


「君たち初心者でしょ? さっき投げるの見てたけどさ、もう少しですっげー良くなるよ。俺らめっちゃ上手いのから教えてあげるよ~~」


 どうやらイリスが教えてもらっている様子も後ろから見ていたらしい。


イリス「別にいい。友達と遊びたいの。あなた達に興味ないし」


「えーじゃあさ、まじで上手いってとこ見せるからさ、それ見てから考えてくれない?」


 男は自信たっぷりにボールを持ち、それなりにキレイなフォームで投球した。緩やかなカーブを描いたボールはレーンの端から端まで行き来してピンに向かい、ピンギリギリのところでガターに入ってピンを倒すこと無く転がっていった。


「ちょっ! お前なにやってんだよ!」


「あれっ……」


 ナンパ組は内心少し焦っているようだが、それをごまかすように笑っている。


イリス「何を教えるって?」


 男は続いて更に投球したが、ボールは一切ピンに当たらない。


「可愛い子に声掛けて緊張しちゃったかなー……」


 続いて、イリスが自分のレーンで順番が来たので教えてもらったばかりのやや形の悪いフォームで投げると、ボールはキレッキレのどぎついカーブを描いて曲がり、全てのピンを弾き飛ばし、ついでに飛んだピンが隣のレーンのストライクまで取ってしまう。


イリス「これくらいのレベルになってから話しかけてくれる?」


 そう言って黙らせるのだった。男たちは居づらそうになってやがて退室していき、3人は楽しく投げることが出来たようだ。結局スコアはイリスが一番低かった。なかなか難しいわ、と楽しそうに振り返っている。


アンジー「でもイリスちゃん、本気出したら簡単にプロになれちゃうね。途中のボールすごかったし……」


イリス「まぁボール転がすなんて魔法初歩中の初歩よ。勝負では使わないけど……」


聖美(きよみ)「ねぇねぇ、今度は五人少女ちゃんたちも呼んでみんなでやろうよっ!」


アンジー「それいいねっ! 普通のボウリングになるならだけど……」


イリス「確かに。留音(るね)なんてオーバースローで球投げそうね……」


聖美(きよみ)「みんな取ろうと思えばストライクなんて簡単に取れるんだろうなぁー」


 パーフェクトゲームで300点固定のボウリングでは少しルールが狭いかもしれない。


――――――――――――


衣玖(いく)「今日はジャンプで『こち亀』が始まった日なんだって」


留音(るね)「そうなのか……あのとんでもない漫画の……」


真凛(まりん)「漫画ですかぁ?」


衣玖(いく)「そう。40年間休載なし、単行本200巻、ギネス記録。毎回何かを取り扱って話を進める作品としてのリスペクトは計り知れないわね」


西香(さいか)「印税はどれくらい入ったのでしょうね?」


留音(るね)「単行本200巻、止まらず完走か。あたしたちの今の状態で当てはめるとどうなるんだ?」


衣玖(いく)「単行本は1巻辺り大体9か10話収録だから、私達の1日が1話で漫画化したところでそろそろ40巻に到達するかも、ってところでしょうね。これの5倍、お話考えても足りないのよ」


真凛(まりん)「とんでもないですねぇ」


留音(るね)「こちとらもういつネタ切れを起こすかってところなのにな」


西香(さいか)「最近は少々向かい風ですしね……」


衣玖(いく)「初心を忘れずにやっていきましょう」

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― 新着の感想 ―
[良い点] イリスちゃんの魔法、悪い虫よけにバッチリ。 こち亀は、あれは同じ漫画家さんも「人間のやることではない」と言ったとか。
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