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2020年6月15日 暑くなってきた

2020年6月15日


真凛(まりん)「この暑い中で……よくやりますねぇ」


イリス「ふっ……この暑い日に。お前たちの陣営は弱体化し、そしてこのミニーズはより強化された!」


留音(るね)「とりあえず日陰で話そうな」


 どこぞの街中で邂逅した宿敵同士、五人少女とミニーズたち。


聖美(きよみ)「今は私達の方が五人少女、と言っても過言ではないね!」


アンジー「数字的にはそう!!」


衣玖(いく)「そのとおり!!」


 イリス、聖美(きよみ)、アンジーに続き、その後ろから衣玖(いく)が出てきて大きく頷いている。


留音(るね)「なぁ……そんなにエアコンつけたかった?」


衣玖(いく)「そのとおり!!!」


西香(さいか)「わたくしもそのとおりですわ!!」


 西香(さいか)衣玖(いく)の横に並び、留音(るね)真凛(まりん)と対峙している図である。


 一体何があったのかといえば、これは数時間前の事。


衣玖(いく)「あつぅい……溶ける~……エアコンつけよ~……」


 衣玖(いく)は机に突っ伏して、コップについた水滴を拭っては自分のほっぺにつけて少しでも涼むという奇行をしながら溶けかけていた。


真凛(まりん)「まだ大丈夫ですよぉ^^」


 真凛(まりん)は頬からたらんと汗を流しつつも、6月半ばではまだ早いと頑なにエアコンをつけようとしないのだ。


西香(さいか)「あのですね……時期的につけないなんてのはとても愚かな話ですわよ、人は暑いと死にます」


留音(るね)「でもまだエアコンつけるほどの暑さではないだろー。夏本番になったら5度以上上がるぞ?」


衣玖(いく)「そういう問題じゃない……暑いのは今……」


真凛(まりん)「つけません^^ 電気代も安くないですし、地球環境にも配慮してのことです^^」


西香(さいか)「どの口が地球環境と言ってるんだか……あー暑い~!」


 というところでミニーズが現れ、それがまぁ元気だったもので。


西香(さいか)「ミニーズの方々、暑くないんですの……?」


アンジー「ぜんぜーん!」


聖美(きよみ)「イリスちゃんのおかげでー!」


イリス「ふふん、当然よ」


衣玖(いく)「なんで……?」


イリス「魔法で熱気変換をしてるからね。あたしたちは今ほんの少しだって暑くないってワケ」


聖美(きよみ)「ねー! カラッとした秋の夜みたいに涼しい!」


アンジー「優しい涼しさだよねー! すごく快適!」


イリス「これが魔法の力ってものよ」


衣玖(いく)「それはMP的なものがあって3人が限度だったりするの?」


イリス「そんな事あるわけないでしょ。あたしの魔力は超膨大。少し空気を変換するくらいうちわで扇ぐよりも簡単よ」


衣玖(いく)「ほぼノーリスクで涼しいのね……よしわかった。今日から私はミニーズよ!」


西香(さいか)「乗りました。わたくしも参戦いたしましょう。エアコンつけない貧乏少女とはおさらばです!! 後悔なさい留音(るね)さん真凛(まりん)さん!!」


イリス「なんだかよくわからないけどわかったわ。ふはーはっはっは! どうだ留音(るね)! これがあたしのカリスマよ! お前達の仲間はもうこっちのもん! 思い知ったか!」


西香(さいか)「そんなことはいいので早く涼しくしてくださいます?」


衣玖(いく)「日光は遮らないなら帽子はあったほうがよさそうね。ちょっと取ってくる」


聖美(きよみ)「やったー! 衣玖(いく)ちゃんと西香(さいか)ちゃんと遊べるー!」


 というわけで一度作戦会議に戻り、再び戻ってきたミニーズたちだった。


衣玖(いく)「私達は抗議する! 暑い日はちゃんとクーラーをつけるべきだと!!」


西香(さいか)「そのとおりですわ! 愚かな考えはやめ、とっととわたくしたちにエアコンのリモコンをお渡しなさい!!」


真凛(まりん)「やーでーすー」


イリス「あたし的にはどっちでもいいけどね! 暑い寒いでお前たちが弱まってくれるなら!」


アンジー「でも実際、暑いと体壊しちゃうよ? 今日だって30度は超えてるし……」


真凛(まりん)「でも……衣玖(いく)さんはエアコンがんがんつけてゲーム機とパソコンをつけて、そのためにテレビだって3つくらいつけるじゃないですかぁ……」


衣玖(いく)「それは不可抗力というもの」


真凛(まりん)「つけすぎなんですよぉ……西香(さいか)さんだって設定気温18度だし……」


西香(さいか)「それくらいにしなきゃお布団をしっかりかぶってぬくぬく過ごせないじゃありませんか!」


真凛(まりん)「汗かかないくらいの部屋の温度にして過ごしましょうよぉ……」


聖美(きよみ)「それは……たしかにそうかも……」


衣玖(いく)「でもいくつもつけないと脳のタスクがあまっちゃって時間がもったいないし」


西香(さいか)「夏なのにお布団をしっかり被って眠る、これこそが夏の醍醐味でしょう!?」


アンジー「それは環境にも体にも良くないよぅ……」


イリス「……何やら悪いのは衣玖(いく)西香(さいか)らしいわね。仕方ない、二人共クビ!」


西香(さいか)「そんな! 夏なのに外に出ても汗をかかない無料でひんやりVIPタイムはもう終わりなんですの!?」


イリス「終わりよ!」


衣玖(いく)「そんなの許さない。ねぇ真凛(まりん)、無料で環境にも優しくひんやりするならいいでしょう?」


真凛(まりん)「それならまぁ……」


衣玖(いく)「ならばイリス、あなたをこちらに迎えるわ!」


イリス「なんだと!! ……えっ……」


衣玖(いく)「こっちでひんやりさせてちょうだい」


聖美(きよみ)「そんなぁ!!」


イリス「(内部から留音(るね)を狙うチャンス……でも二人が可哀想ね……)悪いけどそれは出来ない……あたしはミニーズとして、二人を置いていくことはできないわ」


西香(さいか)「だったら皆さん入ってくださいな。イリスさんとびきりひんやりさせてくださいね」


聖美(きよみ)「いいの!?」


アンジー「わーい。じゃあ今日はみんなで涼もうーっ」


 今日は暑中見舞いの日。暑さでバテないように、しっかり適正温度でクーラーをつけよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回はイリスちゃんが人気者なお話。 ですよね。
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