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2020年6月2日 裏切りの日

2020年6月2日


イリス「どうやら……強くなりすぎてしまったらしいわね」


 イリスは自分の片手を見つめ、そこに胎動するマナの量に戸惑いと興奮を覚えながら言う。眼前には倒れる留音(るね)らの姿……イリスがなぎ倒した後らしい。


聖美(きよみ)「本当に……ついに五人少女ちゃんたちを倒す日が来るなんて……」


留音(るね)「くっ……魔法なんぞに……このあたしが1対1で……本気だったのに……」


 イリスは勝った。留音(るね)との1対1の戦いに。


衣玖(いく)「私の装置も全て対策してくるなんて……どこからか情報が漏れていたとしか思えない……」


イリス「えぇそうね。あたしも驚いたわよ。まさか西香(さいか)によってあんたたちに勝つきっかけが得られるなんてね」


西香(さいか)「んおーっほっほっほ! 残念でした皆さん! 善良なわたくしのイメージを大きく裏切ったことでしょうが、わたくしは勝ち馬に乗るタイプの美少女! 既にイリスさんの強化に目をつけ、こうして先んじて裏で手を組んでいて正解でしたわ……!」


衣玖(いく)西香(さいか)が裏切ることは予想の範疇だったわよ……」


留音(るね)「イリスがここまで強くなっていたことだけが裏切られたって感じだ……」


真凛(まりん)「あの子すらあっち側に取られて……これじゃあわたしも何も出来ませんっ……」


 西香(さいか)はすべての情報を持っていたのだ。衣玖(いく)の発明品も対策を始め、スパイ活動によって全ての効果が抑えられ、あの子を抑えることで真凛(まりん)の特殊行動を制することが出来ていた。


アンジー「これで……ついにボクたちが主役になるってこと……? 信じられない……」


 アンジーはあの子を優しく確保しながら言った。


留音(るね)「くっ……明日からあたしたちが……ミニーズになるなんて……」


西香(さいか)「残念でしたわね留音(るね)さん! それに衣玖(いく)さんと真凛(まりん)さんも! 明日からはわたくしが五人少女の主役として君臨し、やがて世界を席巻していくことでしょう……!」


 こうして西香(さいか)の裏切りにより五人少女は崩壊したのだった。……だが。


イリス「何を言ってるの? あんたが主役なわけないでしょ。ミニーズ、いや、新生五人少女はスリートップ。そこにヒロイン一人と色物一人よ」


聖美(きよみ)「毎回センターは変わるけど、西香(さいか)ちゃんは基本的に私の隣に居てもらうねっ!」


西香(さいか)「はっ……?」


アンジー「うーっ、ボクもついにトップかぁ……どうしよう、実感わかなぁい☆」


西香(さいか)「ちょ、ちょっとまってください。わたくしが手を貸したのはわたくしが新たなオンリーワンのトップとなるためで……」


イリス「はぁ? 勝手にこっちについただけじゃない。色物枠で採用してあげるんだから感謝しなさいよ。でなきゃ衣玖(いく)真凛(まりん)をこっちにつかせてるわ」


留音(るね)「お、おいあたしは……?」


イリス「あんたを取ったら誰があたしと戦ってくれるのよ」


西香(さいか)「そんな……聞いてませんわよ! この裏切り者!!」


イリス「何も約束してないってば」


西香(さいか)「ぐぬぬぬ……では仕方がありません! たまにメインヒロインになれる方が得と見ました! 真凛(まりん)さん、留音(るね)さん、衣玖(いく)さん! わたくしが戻りましたわ!! あの子を取り戻して再び五人少女と行きましょう!」


留音(るね)「バタッ……」


衣玖(いく)「ルーが力尽きた……」


真凛(まりん)「追い打ちが鋭かったですね……」


イリス「言っておくけど、西香(さいか)が戦いに役立ったのって持ってきた情報くらいよ。この子がいる限り真凛(まりん)が手出しできないのはわかってる。だから別に戻ったって何も変わらないけど」


アンジー「ボクたちアイドルだよっ、聖美(きよみ)ちゃん!」


聖美(きよみ)「うんっ、権力とか使うつもりはないけど、立場的にはみんなより上になるのかなぁ? そうなったら色々お願いとか出来るのかなぁっ?」


西香(さいか)「あなたがた……残念ですわね。皆さんが予想をしていないことが一つだけありますわ」


イリス「ふんっ、なんなのよ。あんた一人に何が出来るというの?」


西香(さいか)「わたくし、今まで隠していましたが実は天才で最強かつ太陽の宇宙巫女なのです。その能力は超変身。とぁー!」


 西香(さいか)は飛び上がり、空中で激しい光が発生する。一体何が? 全員が目をそらした瞬間にそこには巨大な人型の戦士が立っていた。


西香(さいか)「ギャラクティカ・プリンセスナイト。これがわたくしの真の姿ですわ!!」


 全員を見下ろすその西香(さいか)に全員度肝を抜かれてた。まさか西香(さいか)がこんな変身能力を持っていたなんて誰も思わない。全員の予想を裏切った西香(さいか)は「さぁ来なさいイリスさん!」と挑発している。


イリス「な、なんてこと……今までこんな能力を隠していたなんて! 一番強いのは……もしかして西香(さいか)……!?」


西香(さいか)「その通り……わたくしは一人で全員分の能力を持っていましたからね……今まで隠してのらりくらりとやってきましたが、わたくしがセンターになれないのであれば仕方がありません。全て踏み潰すまでですわ!」


聖美(きよみ)「させない! ホーリービーム!!」


 聖美(きよみ)は口から純白のビームを放ち、西香(さいか)が振り上げた足の裏に浴びせた。すると強力な水圧でも食らったように西香(さいか)は転げてしまった。


アンジー「き、聖美(きよみ)ちゃん?」


聖美(きよみ)「みんな、黙っていてごめんね。実は私はいくつかの攻撃方法を持っていたの。でもどれも見た目が好きじゃなくて……口からビームなんていつの時代の悪役なのって感じだよね……黙っていてごめん……」


イリス「聖美(きよみ)……いいのよ。口から吐瀉物のようなビームを出したってずっと友達よ。でも少しびっくりしたわ」


 予想を裏切る攻撃方法だったが、これは西香(さいか)によく効いたらしい。西香(さいか)は変身が解除され、地に伏していた。見た目を裏切る弱さである。


西香(さいか)「くぅ……結局元の関係性に戻るという予想を裏切って完全敗北してしまうとは……バタッ」


アンジー「正直どこかで負けてやっぱりもとの鞘におさまるのかなと思ったけど……」


聖美(きよみ)「大方の予想を裏切って完全勝利してしまったね……」


イリス「明日から日めくれミニーズが始まるわよ!!」


 だがその予想は裏切られることになる。裏切りの日だから。

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― 新着の感想 ―
[一言] いや、「裏切りの日」でなくても、西香ちゃんは・・・・・・
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