2020年4月26日 よい風呂の日
2020年4月26日
聖美「もう我慢できないの……お願い、そこをどいて」
夕暮れ時、河原にミニーズの三人はいた。構図はいつかのときと同じ、聖美対アンジーとイリス。
アンジー「ダメだよ聖美ちゃん。そんなの良くない……」
イリス「そうよ聖美……! どうしてなの? どうしてそこまで本気になって……」
聖美「二人こそわからないよ……! なんでそうまでして私を止めようとするの!? 私はただ、今日はよい風呂の日だからみんなとお風呂に入りたいって言っただけ!」
アンジー「でも!! 聖美ちゃん、さっき言ったよ! 上も下も前も後ろも全部洗ってあげたいって!! そういう感じは良くないよ!!」
聖美「そんなの普通だよ! お風呂に入ったら全部洗うでしょ!?」
イリス「聖美がやる必要はないのよ!!」
聖美「嫌だ!!! 五人少女ちゃんの身体は私が洗う!!!!」
河原を遠巻きにして見ている夜ご飯の買い出しに出ていた親子が、見てはいけませんと足早に立ち去っていく。
アンジー「最大の譲歩でも、お背中お流しします、だよ……聖美ちゃん……!」
聖美「嫌だ……! 私は隅から隅まで洗ってあげるんだ……! 全部キレイにする! 舐めても汚くないくらいに!!」
イリス「もうやめてぇ聖美ぃ!! あたしはそんなあなたを見たくない!!」
イリスは涙目になりながら聖美に叫んでいる。
聖美「でも……だってよい風呂の日なんだもん! 今日くらい一緒にお風呂に入るわがままを言わせてよ!」
アンジー「そこまではいいんだよっ? でも聖美ちゃんはその先が過激なの!」
聖美「そんな事無い! 私はっ……お疲れの皆に身体を洗っていいお風呂に浸かってもらいながら身体をマッサージしてあげるつもりで……」
イリス「じゃあその鼻血は何なの!?」
聖美「うっ! これは……っ」
アンジー「聖美ちゃん……その鼻血がやましい事を考えてる証拠だよ……」
聖美「ちがっ……私は……健全にマッサージを……」
イリス「純粋なマッサージならね……聖美、お風呂に入る必要はないのよ」
聖美「うぅっ……!」
アンジー「ごめんね聖美ちゃん……君を逮捕する。五人少女ちゃんは全年齢対象なんだ……君の思想は危険すぎるんだ……大丈夫、今日が終わればきっと君も元に戻るから……」
聖美「やだぁ……っ! みたいの……どうしても五人少女ちゃんのお風呂シーンがっ……ひっぐ、ひっぐ、見たかったのぉ~! うわぁぁぁぁぁぁん」
イリス「……ごめんね聖美。でも、足りないかも知れないけど……聖美が望むなら、私もアンジーも一緒にお風呂に入ってあげる。それで我慢してくれない……?」
アンジー「えっ」
聖美「ぐすっ……イリスちゃん……」
イリス「身体を洗ってくれてもいい。もちろん前も下もダメだけど……あたしの背中、流してくれる……?」
聖美「イリスちゃぁん……ごめん、ごめんねっ……そんな事を言わせて……っ、私が……変なことを言ったばっかりに……!」
イリス「いいのよ聖美……! 友達だもん、そういうところも好きだから……!」
アンジー「い、いい話だな~……」
イリス「ほら、アンジーも悪い話じゃないって言ってくれてる。二人でアンジーの背中、流してあげましょう」
アンジー「エッ!?」
聖美「うん……うんっ。二人でアンジーちゃんのこと、いっぱいキレイにしようね……」
アンジー「そ、それはダメ……(もっとひどい展開になるー!!!)」
――――――――――
一方、五人少女は別にみんなでお風呂に入ったりはしていない。
構図としては、四角い卓を四人でそれぞれの辺から囲み、その後ろに西香が立っている。どうやら四人用のテーブルゲームをプレイしているようだ。西香を抜いて。
西香「ちょっと皆さん」
真凛「……あっ、チーです」
西香「あのですね」
留音「えー、わかんねー……とりあえず文字は難しいんだよな。西切ろ」
西香「真っ先に西を切らないでください」
あの子「(。>ㅅ<。)」
西香「あぁ、あなたはいいんですの。続けなさって」
衣玖「はい。それロン。メンタンピンドラドラで満貫ね」
西香「ねぇ~! どうしてわたくしを省いて麻雀で遊ぶんですのー!」
真凛「だってこれ四人用のゲームですし……」
西香「このスネ夫!」
衣玖「負け抜けで回してもいいけど……」
西香「そうしましょう」
留音「でもお前、ルール知らないって言ってたじゃん」
西香「だからってわたくしをハブらないでください! わたくしもこの子とゲームしたいんですの!」
あの子「(•'-'•)و✧」
今日は4にんで26(つる)む、オンライン麻雀の日なんだそうだ。




