2020年4月14日 フレンドリーデー
2020年4月14日
西香「というわけでですね、遊んでくれませんのよ、あの方たち。ですからわたくしも苦労していましてね」
西香は昨日に続いてゲーム中だ。それも今日はミニーズの集まる聖美宅にて。
聖美「うちのリビングのど真ん中を陣取ってゲームをしながら何を苦労しているの? 西香ちゃん」
イリス「それ聞く前に返してしまったほうが良かった気がするわ」
西香「それがですね、今日はフレンドリーデーというではありませんか。新たな友人づくりをする日。ですからね、わたくしが今日の日めくりを担当して、新たなお友達を作るべきだと提言したんですの」
アンジー「読めてきた……」
西香「それでわたくしが譲歩に譲歩を重ねて、まぁ一緒に住んでいますから、あの方たちの誰でもいいからお友達になろうと言ったんです。そうしましたらあの方たちなんて言ったと思いますっ?!」
聖美「お友達にはなれないって……?」
西香「そこまでは言いませんでしたけどね、血迷ったことを言って驚かせるんじゃない、心臓発作が出たらどうする、なんて言い始めまして」
アンジー「随分言われてるよ?」
西香「ですので、もうあの方たちには頼れません。でもわたくしは日めくり大使の一員。ですのでお友達を作らねばなりません。そこで思い出したんですの。そういえば四番手以降の有象無象の方たちがまだ余ってたということに」
イリス「あんたは発言一つ一つに棘をいれる呪いでもかかってんの?」
西香「あなた方も嬉しいでしょう? わたくしが友達になってあげても良いと言ってきたことに。それで聖美さん、わたくしくつろいでるんですけど、お友達にお紅茶などの用意はないのですか?」
聖美「え……あ、じゃあ……でも淹れる紅茶はないよ……」
西香「お友達の日だと言うのにそんな準備も無いなんて……仕方ありませんわね。では美味しいものであればなんでも」
聖美はトボトボとキッチンへ歩いていき、適当にジュースとお菓子を見繕って差し出した。
西香「さて皆さん。ここにはちょうど4人。丁度いいですわね。今わたくしが遊んでいるのは最大4人で遊べるパーティゲームですの」
アンジー「あ、うん。面白いよね、マリオパーチー……」
西香「わたくし知ってますわよ。お友達を作るツールとしてゲームは有効であると。というわけで皆さん、コントローラーをお持ちになって」
実はゲームに興味があるイリス。西香のことはともかく触ってみたい欲が勝ったらしい、カラフルなコントローラーを一つ手に取った。それに釣られてアンジーも持って、聖美も席について準備した。
西香は満足そうにしている。
そしてゲームスタート。実は西香、こんな形での4人プレイはめったに無い。一度だけ真凛らと遊んだことはあるが、それ以降では無いし、なんだったら西香以外の4人で遊んでいるのを見ていた時間のほうが長いのである。
ゲーム開始。西香は流石に慣れているだけあってミニゲームのルールも全て把握していたし、プレイングはよく出来ていた。だがしかし。
西香「あぁイリスさん、そのアイテムを使うことで大量のコインを他のプレイヤーからぶんどれるんですの。今はアンジーさんがコインを多く持ってますわよ。いっぱい奪えますわ」
イリス「いやあんたから取るわよ」
西香「聖美さん、その分岐は左ですわ。そっちに行けばイリスさんが岩に押し戻されて星から遠ざかります。というか右はやめてください、わたくしがいますわよ」
聖美「ごめん……右で……」
西香「アンジーさん!! スターを取るのは反則! わたくしから取るのは反則!!」
アンジー「ごめんね、でも西香ちゃんが一番上手だから……」
となり。
西香「ちょっと……なんですのこれ!! わたくし……4位じゃありませんか!!」
聖美「やったー♪」
アンジー「イリスちゃん2位だよ! 初めてなのにすごいねー!」
イリス「まぁね。アンジーは慣れたものだったわね。1位おめでとう」
西香「ズル!!!」
西香、コントローラーを投げ出す。
西香「ズルですわ! ずる! わたくし本当は強いのに! そうやって皆さんよってたかってわたくしからコインもスターも全部持っていって!! そんなインチキプレイで勝っていい気にならないでくださいね!!」
アンジー「ごめんね、西香ちゃんって色々ちょうど良くて……」
聖美「そうだね、友達の輪の外に一人いると結束固くなるきっかけになるっていうか……」
イリス「こういうゲームでしょ?」
西香「きぃーーー!!! あなた方!! なんてお友達甲斐の無い! わたくしがせっかく遊んで差し上げたのに!! もっとちょうどよく接戦を演じて負けないとダメでしょう!!」
イリス「あんたね、そんなんじゃ本当に友達出来ないわよ。友達というのは譲り合いと尊重の気持ちが無いとダメなの。あんたには努力が足りないわ」
西香「わたくし努力なんてしたくありませんものーーーー!!!」
西香はそんな捨て台詞を吐いて家を飛び出していった。
聖美「ちょっと可哀想だったかな……?」
アンジー「多分明日には元に戻ってると思うし……反省もしないと思うし……」
イリス「それよりゲームをやりましょう。あいつがいない状態でもう一戦よ」
その後も三人は不穏な空気になること無く、そのゲームを楽しんだようだ。
なんせ今日はフレンドリーデー。友達を作る日、友情を確認する日。とても楽しく過ごせた三人だった。




