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2020年4月12日 真凛ちゃんお誕生日

2020年4月12日


留音(るね)「それじゃあ真凛(まりん)、お誕生日、おめでとうー」


衣玖(いく)&イリス「おめでとう」


アンジー&聖美(きよみ)「おめでとうー!」


 その号令を持ってクラッカーがパカンパカンと鳴らされた。


西香(さいか)「早くフーしてください。ケーキ」


真凛(まりん)「ありがとうございますみなさん♪」


 今日は真凛(まりん)の誕生日である。真凛(まりん)はケーキの上に立ったローソクを吹き消してた。ずれ落ちかけたパーティ帽子を直しながらニコニコと楽しむ真凛(まりん)。ケーキはあの子が丁寧に切って小皿に取り分けて一人ずつに配り、西香(さいか)は先行して食べ始めている。


留音(るね)「あ、これプレゼント。大したもんじゃないけど」


衣玖(いく)「私からも。いつもありがと、オンリーワンの発明品よ」


聖美(きよみ)真凛(まりん)ちゃん! 今日は招待してくれてありがとうー! 私もこれね!」


アンジー「ボクからも♡」


イリス「じゃあ一応、あたしも」


西香(さいか)「ではわたくしからはスマイルを(にっこり)」


真凛(まりん)「わぁ、皆さんありがとうございますー!」


 あの子からも含めて大なり小なりプレゼントを満足そうに受け取った真凛(まりん)。本人は特に何も求めておらず、気持ち程度でも貰えればそれがなんであれ嬉しいのである。


留音(るね)「しかし、まさかこんなところでお祝いするとは思わなかったよ」


アンジー「星がきれいだね~」


 星空がこれでもかと言うほどに輝く地平線と上空を、みんなで見ながらケーキを食べ始めている。


衣玖(いく)「私の光学装置で星々を見えやすくしたの。せっかくだし」


聖美(きよみ)「宇宙すごーい!」


 というわけで、真凛(まりん)の誕生日は宇宙の片隅で開催中なのだ。


イリス「軽く招待されたけど、あたしの極大魔法のレベルなのよね……」


西香(さいか)「隕石の上って案外快適ですのね。重力が少ないんですの?」


真凛(まりん)「^^」


 一同は巨大隕石に乗って過ごしている。誕生日だし真凛(まりん)のしたいことをしようとなった流れで、では宇宙で、となったのだ。そんなわけで、普段真凛(まりん)が実家との移動に使う隕石の上でバーベキューで使えるようなキャンプ用のテーブルなどを広げてお誕生日パーティなのである。


衣玖(いく)「でも偶然よね。人が宇宙に進出した宇宙飛行の記念日に真凛(まりん)が誕生日なんて」


アンジー「『地球は青かった』の日だね」


留音(るね)「その地球がもう見えないわけだが……」


西香(さいか)「それで真凛(まりん)さん、みんなで行きたい場所というのはどこなんですの?」


真凛(まりん)「そろそろつきまーす☆」


 なんて話をしながら、真凛(まりん)の隕石はどんどん深宇宙へと進んでいく。やがて太陽も見えなくなり、別の恒星が遠くに見えてきた頃に航行速度は次第に下がっていった。そこは遠目にも見えていたが、赤々と輝く大きな恒星がいくつも集まっている。重力でお互いがお互いを引き合わないのか心配になるくらいに近く、天体的にありえない配置をしている。


衣玖(いく)「ここなの?」


真凛(まりん)「はいー! パパが用意してくれたんですよぉ☆」


イリス「へぇ。娘思いなのね。こんなにきれいな赤い星がたくさん」


留音(るね)「用意出来るものなのか。依然として真凛(まりん)の両親の話はふんわりと怖いな」


真凛(まりん)「それでですねぇ、今日は私の誕生日に皆さんに集まってもらったので……こうして宇宙の遠くにも来ましたし、きれいな星の光でも見ながらゆっくりしたいなと思いまして☆」


聖美(きよみ)「素敵だねー!」


衣玖(いく)「(赤い星って……)」


真凛(まりん)「はいっ、それじゃあ皆さん見ててくださいね! せーの!」


 視界の中で一番大きく見える、近くにあった星の一つが大爆発を起こした。


留音(るね)「えっ」


真凛(まりん)「ほらほら見てください! きれいな花火ですよ皆さん!」


アンジー「(フリーザさま?)」


真凛(まりん)「はい次ぃ♪」


 真凛(まりん)はそこかしこにある赤い星たちを次々に破裂させていく。星が死ぬ時、膨張して起こす爆発が宇宙を明るく照らしている。


西香(さいか)「わぁ…‥焼けそうなほど明るいですわぁ……」


真凛(まりん)「この隕石は熱線・紫外線・宇宙線などの対策は完璧なので大丈夫ですよ☆」


衣玖(いく)「やっぱり死にかけ惑星の集まりだったのね……」


イリス「……(絶句)」


 真凛(まりん)が指を差したり、何かをする度に一つずつ、あるいはいっぺんにいくつかの星がまとめて爆発していくのだ。本人は喜んでいるが、周りはやや引き気味にそれを見ていた。


聖美(きよみ)真凛(まりん)ちゃん……なんで星々を木っ端微塵にしてるの……?」


真凛(まりん)「はい♪ わたしが楽しいから! というのもあるんですけど、今日はですね、さっきもいいましたけど宇宙飛行の記念日! 平和目的のために宇宙の維持についても言及してるんですよぉ☆ だからです!」


 どごーん! と聞こえないはずの爆発音が聞こえるような気がするほどの大爆発が巻き起こっている。


留音(るね)「それがどうして星々の処刑を見せられているのかにつながるのかが全くわからないんだが」


衣玖(いく)「もともと死ぬ寸前の恒星なのよ。恒星の最後には超新星爆発を起こすでしょ。そうすると周辺惑星が壊滅的な被害を受けるの」


真凛(まりん)「はいー。なのでもうじき死にそうな恒星をパパがこの一帯に集めておいてくれたんですー♪」


 ここで爆発させれば周辺惑星への被害がなくなり、宇宙の平和維持にもつながるという話らしい。


イリス「……娘思いのパパさん……なのよね……?」


真凛(まりん)「爆発の影響圏内にあった星々は無事で、私達もきれいな宇宙花火を見ることが出来ますし、宇宙のお掃除でもありますから! はぁー、こんなに素敵なお誕生日、なかなかありませんね☆」


西香(さいか)「なかなかありませんわね。そりゃあなかなかありませんわよこんなの」


衣玖(いく)「爆発後にできるブラックホールに巻き込まれないようにしてね」


 というわけで、今日は真凛(まりん)の誕生日。記念日的には宇宙の記念日である。


 五人少女がいれば宇宙の平和、維持もおまかせなのだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 確かに超新星爆発は周囲に悪影響を与えますが、それを1か所に集めるとは・・・ 真凛ちゃんのパパにかかれば、ブラックホールは星間航行に危険だから、まとめて駆除するとかできるかも。
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