2020年4月4日 四輪駆動の日 看板争奪レース 美少女杯 前編
2020年4月4日
アン さぁ始まりましたー!「看板争奪レース 美少女杯」! 実況・解説はボク、アンジーと!
西香 わたくし、西香様がお送りいたしますわ。
アン さぁさぁ、レース場は既にヒートアップしていますねーっ! でも西香ちゃん、今日はどうしてレースなのかなぁ?
西香 よくわかりません。四輪駆動の日なので車じゃんレースじゃんと盛り上がったようですわ。
アン なるほど。さぁ選手の皆さんがそれぞれ自分の車に乗り込んでいます! まずはマシン紹介から行きましょう! 留音ちゃんはバイクですねー! ライダースーツをぴっちり着込んでかっこいいよー!
西香 っていうか免許とか年齢は大丈夫なんですの? 今までそういう描写がありませんでしたが
アン 問題なく乗れる世界ということにしておいてね! それから衣玖ちゃんは……あぁやっぱり! ハチロクに乗り込んでいます! かすかに聞こえるユーロビートはイニD感マシマシだーっ
西香 なんですのあのパンダみたいなふっるい車は。やる気ないでしょう
アン そう思った全員を抜き去っていくのがハチロク伝説なんだってさー。そして……聖美ちゃんは自転車に乗っています!
西香 個性だけで出場してますわね、あの方。いくら車種が被らないようにと思いましても自転車はないでしょうに
アン それからイリスちゃん! やっぱり箒を持って準備しています! さすが魔法少女だねー!
西香 なんで魔法使いって箒に乗るんでしょうね。っていうか真凛さんがいませんけど
アン 遅刻しているそうだよ。さぁさぁ、いよいよレースが始まろうとしています。選手たちが位置につきました。観客席のあの子もそわそわしてきていますねー! さぁ、いよいよ始まります!
イリス「ぶち抜いてやるわよ留音ー!」
留音「へへっ、おもしれーじゃねーの!」
衣玖「オレは……ロータリーエンジンの血脈に脈々と流れる孤高のスピリットが好きなんだ……プライドにかけて負けられないぜ……(んふふふ……)」
聖美「みんなについていけるように頑張らなくちゃ……っ」
西香 あの、アンジーさん。これ、解説って、一つずつツッコんでいく感じなんですの? わたくし嫌ですわよそんなの。
アン あ、でももうスタートするからとりあえず大丈夫かな……カウントスタート! レディー! ごー! レーススタートしましたー!
西香 あらあら、皆さん早いですわね。聖美さんすら結構な速さで……あらあら。
アン さぁ、第一の難関は連続ヘアピンカーブ! まずは先行する留音ちゃん、体全体での体重移動を使いこなして器用に曲がっていきます! しかし追従するイリスちゃん、空を飛んでいるのでカーブはお構いなしだー! ストレートで圧倒していくー!
イリス「ひゃーっは! 遅いわよ留音!! 曲がるとこ曲がってんじゃあたしには勝てないわ!」
留音「流石に卑怯じゃね!?」
西香 わたくしも流石に卑怯だと思いますが
アン でも今回はなんでもありの美少女杯! 女子ロックの日でもある今日は常識外に決めて勝利を掴んでいってくださーい!
留音「(チッ、早くもアレを使うしか無いか!)」
アン おっと、留音選手、スピードをあげたー! このスピードじゃカーブを曲がりきれません! 一体何をするんでしょうか!
留音「フーン!!!」
アン あ、足だ!足を地面に突き刺して、それを軸にして急回転カーブを決めているー!
西香 良い子は真似しないでくださいね。マジで足持っていかれますわよ
イリス「(チッ、流石にやるわね……ああすればスピードを殺さずにカーブを曲がり、そして最後に地面を蹴ることで射出の速度を併せてバイクのエンジンへの負担を軽減しつつもハイスピードを維持している……!)」
西香 イリスさんがよくわからない納得の仕方をしているような気がしますわ
留音「どうだ! これがあたしの必殺、軸足カーブ!」
アン 拮抗する二人! しかしその後ろに続くのが衣玖ちゃんのハチロクだー!
衣玖「ストレートで早い走り屋は初心者。コーナーを極めて中級。上級者ともなれば、コーナーでもストレートでもない、第三のポイントで差をつける……!」
アン ものすごい速度でカーブへ突っ込んでいくぞぉー!
衣玖「曲がる……ッ! 曲がってくれ! オレのハチロク!!」
アン 全然曲がってないよー!
ドン!!!!! ガチャああアン!!
西香 あーらーらー……あの車やっぱりオンボロですわよ。全然曲がれないじゃありませんの
アン 大事故です。最高速度でカーブへ突っ込んで、ガードレールに弾かれる形で前に進んでいます……衣玖ちゃん大丈夫かな……
衣玖「前輪の食いつきが急に悪くなった……ハッ! タイヤの熱ダレか……?」
西香 マイクのアレで衣玖さんの声がボソボソ聞こえてくるんですけど……なにを言ってるんでしょうかこの人は
アン うん、多分イニシャルDの名台詞を言いたいだけなんじゃないかな……始まって数分じゃタイヤは熱ダレしないと思う……
衣玖「少しぐらいタイヤがへたろうと、オレのテクに乱れはない……勝つのは、オレだ!!」
西香 コレどんな顔で言ってるんでしょう。ぅぶるるっ、恥ずかしくてサブイボが……
アン あっ、またカーブに突っ込んでいきました……でもすごいね、さすが衣玖ちゃんの乗る車。全然傷ついてないよ。とっても頑丈なんだね~
西香 その後ろを前傾姿勢の立ち漕ぎでおよそ自転車と思えない速度で追いかけていく聖美さんもとっても身体が頑丈ですわね。あの方、特技変顔じゃなくて変態行為なんじゃありませんの?
アン う、うーん、とにかくすごいね……でも、とりあえず今の一位はイリスちゃんです! 頑張れー!
西香 ほらほら留音さん頑張りなさいなー。わたくしたちのメンツがかかってますわよー
留音「チッ、このままじゃ勝てない……! ならば!」
アン おおーっと! 留音ちゃん、バイクの上に立ち……? あっ、乗り捨てたー! そして……!?
留音「自分で走ったほう早いぜ!!!」
イリス「(クッ、まだその手があったか……! これならば留音はエンジンの回転数を無視して加速し、最高速度を維持することが出来る……! 考えたわね……!)」
西香 イリスさん、大真面目に考察してますけど留音さんは何も考えてませんわよ
アン イリスちゃんのそれっぽい思考に介入しないであげてほしいんだけど……それはそれとして、留音ちゃん早いです! 既にイリスちゃんと並んでいます!
留音「うおおおおおおおおおおお!(ズドドドドドドド)」
西香 一応この戦いの名前"美少女杯"なんですけど、アレは許容されるんですの? 砂煙あげて走ってますが
アン 女子ロックの日だから大丈夫だと思う……
聖美「(チョット待って……? 留音ちゃんが自走してる……エッ! すっごく前から見たい!)」
西香 あら。聖美さんが衣玖さんを抜き去っていきましたわよ。自転車なんですけど。あの人も大概怪物じみてきていますわね
アン 聖美ちゃん……?
聖美「(揺れてるの!? どうなってるの!? 前から見たい前から見たい前から見たい……!)」
西香 怖いんですけどあの方
アン ボクもたまに怖いんだぁ……さぁ、このレースの行方は一体どうなる!?
西香 えっ。ここで完結しないんですの?
アン そうみたい。ちょっと長くなってきたし、また明日かな~
西香 無駄に長くさせる意味あるんですの? わたくしが優勝で良いのでは?
アン じゃあ続きがなかった場合はボクと西香ちゃんが優勝ってことにしとこっか
西香 は? 勝者は一人です。わたくしだけですわ
アン それではまた明日も「看板争奪レース 美少女杯」をお楽しみくださーい!




