2019年8月14日 専売特許の日
2019年8月14日
留音「今日は専売特許の日ということなんだ。あたしらは基本的に何かしら最強なわけだけど、そういうことじゃない特技ってなんかあるか?例えばなんか、ほら、就活とかで誇れるような。ちょっとしたことでもいいし、日常っぽいことで」
衣玖「おえっ、生理的嫌悪感をもよおす単語聞いて嗚咽が……」
真凛「特技ですかぁ。わたしはやっぱりお料理とかお菓子作りですかね~☆今日はジェラートを作ってあるので、後で食べましょう~♪」
西香「わたくしはなんでしょう。やっぱり誰にでもすぐに話に行ける気さくな所でしょうか。それと最近はすぐに相手の言う言葉を想像出来るんですの」
衣玖「えっ、そうなの?友達一人も出来ないのに?」
西香「はい。女性に声をかけた時限定なのですけどね、大体パターンがわかってきましたのよ、わたくし。わたくしが最初に言葉をかけた次の言葉は『ど、どうも』とか『はぁ』とか。それで二つか三つくらい会話を交わすと『すいません、急いでいるので』か『すいません、用事があるので』というパターンが八割ですわね。ゆとりの無い日本社会の闇ですわ」
真凛「すごい特技ですねー」
留音「あたしはやっぱりプラモ作りとかになるのかなぁ。でもさ、そもそも特技ってなんなんだ?」
衣玖「ちょっと、あなたが持ってきたのよ今日の日めくりネタ」
留音「でもさ、考えてみたらプラモなんて説明書見りゃ作ろうと思えば作れるし、特技の定義は特別な技能のことって書いてあるんだよ。で、特技をもっと検索すると、何よりも先に就活、面接、履歴書ってのが出てくる。そこじゃあたかも正解があるかのように書かれてるし」
衣玖「おえっ」
留音「そうなると特技ってなんなんだ?"就活で使える特技の見つけ方"とかが真っ先に出てくる社会ってなんなんだよって思わね?」
衣玖「おえ~っ」
真凛「でもテイルズとかだと特技って一番下の技ってイメージですよねぇ」
留音「あぁ、連携順か。通常攻撃、特技、秘技、奥義ってランク上げてくしな。……じゃあテイルズ的にはさほどすごくないことでも良いってことなのか?」
衣玖「テイルズ的に最もポピュラーな特技である魔神剣を例にしてみるとそうよね、作品全体で使えるキャラは30とか超えてるし」
留音「じゃあそれくらい一般的なものを社会の中で特技であるって言っても平気なのか?だってさ、例えば考えてみ?ヴェイグ君とリオン君が魔神剣撃てますって言うとするだろ?ヴェイグ君、魔神剣使えるようになるのめちゃくちゃ遅いんだよ、挙げ句そんなに強くないぜ?でも反面、リオン君は最初から覚えてる上に秘奥義でも魔神剣使うぞ?こんなガバガバでも特技でひとくくりにして社会は納得するのか?」
真凛「もっと日常に即した説明をしてください~っ」
衣玖「例えばプラモとしたら、素組を完成させて飾るまでの技術なのか、それとも追い込んで影付けたりジオラマ組むかってラインよね。後者じゃないとプラモの大会で勝ち残れないし」
留音「そう考えるとさ、特技って説明するのめちゃクソ難しいじゃん。この場合の社会的な正解は絶対にジオラマ組む方だろ?この特技魔神剣理論はかなり真理突いてると思うよ。果たしてヴェイグ君の魔神剣は他人に言えるほど特技としてパワーがあるのか」
西香「なんだかゼンッゼン違う方向に行ってる気がしますわね」
衣玖「でも意外と大事なことかもしれないわ。例えば文章書いてる人がいて、評価サイトで基本0ポイントでも文字書きしてると言えるのか、それとも1000ポイントくらいからが……」
留音「いや、衣玖!その話はやめとこう!!!例えちょっと悪いから!色んな人どころかあたしたち自身を傷つけることになりかねないから!」
西香「よくわかりませんけど、別になんだって特技だと言えばいいじゃありませんか。下なんて探せばいくらでもいますわよ?」
留音「それで特技になるのかって話なんだが……でもそれくらい考えないでこれが特技だーって言えるほうが生きやすそうだよな」
衣玖「多分、特技は自分を生きることですって言えるような余裕のある社会になれば、誰もが胸張ってネットで『特技とは』なんて検索しないで済む世界になるんでしょうね」
留音「深くもあり……暗いな……あたしらは一体何の話をしてるんだ」
衣玖「哲学的で嫌いじゃないわよ」
真凛「(嫌なことがあった時に全てを破壊できない人たちは大変だな―)」




