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2020年3月6日 弟の日

2020年3月6日


衣玖(いく)「(最近……なんだか私のエピソードが少ない気がするのよね……)」


衣玖(いく)「(そりゃ人数も増えてきて、一人ひとりに焦点が合う機会は少なくなるのは仕方ないけど……一応日めくりを開始したの私なんだけどな……)」


衣玖(いく)「(なんて事を考えていたら……今日の弟の日に合わせて弟化ビームを作り出してしまった……そうだお姉ちゃんになろう)」


 というわけで作り出されてしまった弟化ビーム発射装置。変なビームを発射することでその変なビームにあたった相手は弟になってしまうのだ。


衣玖(いく)「そして何やら外が騒がしいわね」


 研究室を出た衣玖(いく)。玄関の方で今日も今日とてミニーズのオラつきが始まっている。


真凛(まりん)「しませんよぉ、世界一周なんて……」


聖美(きよみ)「でも今日は世界一周記念日なんだよっ?」


イリス「そのとおり! だから世界を一周する速さで勝負ってわけ!」


真凛(まりん)「うーん、わたしは別にしたくないですし……じゃあ西香(さいか)さんを送り込みますからぁ」


西香(さいか)「はっ? 嫌ですわよ。わたくしのんびり観光で世界を回ることはありますけど、勝負で回るなんてくだらないですわ。ゆとりを持ってまわりませんと」


アンジー「(ボクものんびり回りたいな~……ふぁああ……ねむねむ)」


衣玖(いく)「何、ミニーズのみんな、今日も日めくりしに来てくれたの?」


イリス「別にあんたたちのためじゃないわよ! あたしたちがあんたたちに勝って、日めくりをいつでも乗っとれるようになんだからね!」


衣玖(いく)「そうなんだ。じゃあちょうどいいや」


 ビビビ―! と、ありきたりな怪光線発射音を響かせ、衣玖(いく)はノータイムでその手に持っていた弟化ビーム装置を撃っていた。


聖美(きよみ)「あ、アンジーちゃん!!」


アンジー「えっ。うわああーー!!」


 びびびびび! アンジーはしびれたようにそのビームの影響を受けてしまった!


イリス「アンジー! お、おのれ衣玖(いく)! 不意打ちとは卑怯な! アンジーに一体何をしたの!?」


衣玖(いく)「弟にしたの」


聖美(きよみ)「弟……っ? あ、わかった! 今日は弟の日……だからきっと衣玖(いく)ちゃんは女の子ですら弟にしてしまう装置を開発したんだ! それでアンジーちゃんを弟にしたんだよ!」


衣玖(いく)「すごいわね聖美(きよみ)。完全に正しい読みよ」


アンジー「で、でもボクなんとも……ハっ、お、男の子になっちゃったみたーいっ……」


 完全に棒読みである。


イリス「う、嘘っ!? ちょ、ちょっとアンジー、後ろから失礼するわねっ……」


 イリスはかつてのアダルトの日がごとく、アンジーの背後に経って胸部を鷲掴みにした。


アンジー「ゃんっ、ちょっ……」


イリス「ハァッ!!! ……無くなっている!! 無くなっているわ!! 先日の三姉妹の日には確かにあったアンジーのお胸が!!」


アンジー「えぇっ……一体何してたのぉ……」


 詳しくはつい一昨日の三姉妹を日を参照の事である。


聖美(きよみ)「だ、大丈夫だよアンジーちゃん。衣玖(いく)ちゃんの発明品だもん、きっと影響は今日だけだからっ」


衣玖(いく)聖美(きよみ)は本当にわかってるわね、その通りよ」


西香(さいか)「というか皆さん、アンジーさんってそもそも男の子ではありませんでしたか?」


イリス「はぁ!? あんたこんな可愛い子に向かってなんてこと言ってんの!? それはあんたでも酷すぎるわよ! アンジー! 聞かないでいいのよ、こんなやつの言葉!」


アンジー「う、うん……」


西香(さいか)「あら? わたくしの記憶違いでしたか……? はて?」


 西香(さいか)はどうでもいいこと(お金にならないこと)を覚えていられないのだ。


真凛(まりん)「……^^」


衣玖(いく)「まぁ今は男の娘ということで。さぁアンジー、今日は私の弟よ」


アンジー「弟よって言われても……」


イリス「だめよ! アンジーは渡さない! 仮に弟だとしてもあたしたちの弟よ!」


聖美(きよみ)「そ、そうだよーっ! アンジーちゃんだけ五人少女入なんてっ……ず、ずるいし……」


衣玖(いく)「でもほら、順番に名前を読んでみてアンジー」


アンジー「えー……イリスちゃん、聖美(きよみ)ちゃん、真凛(まりん)ちゃん、西香(さいか)ちゃん、お姉ちゃん……あれ!? 衣玖(いく)お姉ちゃんだけお姉ちゃんって呼んじゃう!」


衣玖(いく)「ふふん。お姉ちゃんですから。さぁアンジー、こっちにおいで。お姉ちゃんがとってもお姉ちゃんらしいことをしてあげるから。……あれ、お姉ちゃんらしいことって何……?」


アンジー「うっ……そんな……体が引き寄せられる……ボクの中の弟パワーが反応して、お姉ちゃんには絶対服従という姉弟あるあるがボクを衣玖(いく)ちゃんの方に引っ張ってるんだ……!」


 抗うアンジー。だが身体はお姉ちゃんには逆らえない。そういえば家でもそうだった気がする。あれよあれよと言う間に女の子の服を着せられていた。


聖美(きよみ)「だ、だめっ!! このままじゃ五人少女+弟になっちゃう!! ずるい!! だったら衣玖(いく)ちゃん! 私にもそれを撃って!! 私も弟にして!!」


 聖美(きよみ)はアンジーの腕を引っ張り、そしてかばうようにそう言った。


イリス「聖美(きよみ)!?」


衣玖(いく)「じゃあ遠慮なく……弟ビーム」


イリス「聖美(きよみ)ぃー!」


聖美(きよみ)「い、衣玖(いく)お姉ちゃん……やったぁ……ふふふ……衣玖(いく)お姉ちゃーん♡」


イリス「あぁっ! なんてこと!! ええい、我らミニーズ、死する時は同じ!!  あたしもあんたの弟になってこの子たちを守る! でも魂までは売らないわよ衣玖(いく)! あたしは絶対にお姉ちゃんなんて呼ばないんだから!!」


衣玖(いく)「わかったわ。弟ビーム」


イリス「衣玖(いく)姉!! もう変な発明するのやめろよな!」


 イリス君はやんちゃ系でお姉ちゃんが恥ずかしいと思ってる系の年頃弟になったらしい。


衣玖(いく)「よし、今日は私の日めくりになりそうね。さぁ弟達、お姉ちゃんにいっぱい甘えてね」


聖美(きよみ)「甘えるぅ~♡ お姉ちゃん~~っ♡♡♡」


 なんでも兄の日の三ヶ月前なので弟の日、だそうである。兄と妹も良いが、姉と弟も良いものだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 久々の衣玖ちゃん活躍回ですね。 実は甘えてほしかっただけとか。
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