2020年2月29日 Leap DAYは設定も飛んでいく日
2020年2月29日
今日は閏日。基本的には4年に1度訪れる、追加の1日。
この日は英語ではLeap day、つまり跳躍の日と呼ばれている。暦で見た時に曜日が一つ飛んでいってしまうからだそうだ。
そんな一日得したような今日この日の五人少女と言えば、割と家でのんびりと過ごしていたのである。
今は昼下がり。衣玖はぼんやりとお昼の太陽を見ながら、どうして今が昼なのかなー、なんて思いながら口を開いた。
衣玖「そういえば……どうして閏年、閏日って生まれるのかしらね。だってほら、1日ずれちゃうから閏日になるわけでしょう? ……でも朝なのに夕焼け景色、なんて日見たことないわよね……不思議だわ」
留音「いやお前、自転と公転勘違いしてないか? 1日の時間のずれと閏日はあんまり関係ない話だぞ」
衣玖「え……? 1日の時間のずれ……? なにそれ? ずれるの??朝夜昼になるってこと?」
留音「んな事あるか。そうじゃなくてさ、1日って実際には24時間じゃないって言うし。ちょっと少ないらしいぞ」
衣玖「えっ、そうなの……? だったら尚更謎じゃない……私が眠っている間に時間が早く過ぎてるってことなのかな……不思議すぎるわ……」
留音「眠ってる間にってこた無いだろうけど。ま、そういうの調べると結構面白いぞ。あたしもよくは知らないんだけどさ、ウィキペディアに全部書いてあるんだ」
衣玖「ウィキペディアねぇ。よくあんな字ばっかりのページ見ようと思うわね」
そこに着崩した寝間着で頭ボサボサな真凛が「うぃーっす」と現れた。
留音「遅いな真凛」
真凛「んー。昨日の夜メンブレっててぇ、好きピとずっとラインしてたんだよね~。西香っちいないンゴ?」
留音「今花壇の水やりしてるよ」
真凛「どちゃエモ。オナペコなんだけどなんかあるー?」
衣玖「さっきベーグル用意しといたわよ。あとハムエッグとサラダもあるから自由に食べて」
真凛「り。あざまる水産マジ卍~」
真凛は大きなあくびをしながらキッチンの方へ入っていき、衣玖の用意した普通の食事を用意して食卓でスマホを見ながら食べ始めた。ベーグルを噛む時にポロポロと粉が落ちているが全く気にしていない。
そこに西香がベランダから戻ってきたようだ。家庭菜園用のエプロンをしている。
西香「あっ、真凛ちゃんおはようっ」
真凛「うぃー。西香っち農民説マジじわる」
西香「お世話大変だけど楽しいよ? 今日はネギ収穫した~。晩ごはんに使えるねっ」
真凛「草ー。でもあーしネギなしよりのなし」
留音「っていうか西香、お前時間大丈夫か? 今日どっか出かけるって言ってたよな?」
西香「あっ、うん。もうちょっとだから準備しなきゃ。遅れたら悪いもんね」
真凛「えー、ちなどこいき?」
西香「ニュータウンのモールだよ~」
真凛「えーめっちゃいい。あっこの近くのカレー屋のタピマジで美味しいから寄ってみー。ねー衣玖っち、この前行ったとこのタピマジよきだったよね?」
衣玖「あー、あそこね。美味しかったわね。チキンカレー」
真凛「そっちじゃなくてタピオヵの……でもわかりみ~。お肉めっちゃ柔らかかったし、なんのお肉使ってたんだろ~」
衣玖「わかんないけど多分牛だと思う。柔らかかったから」
真凛「それな。マジ美味しすぎて完食秒で行けるもんね。西香っちマジおすすめだから~」
西香「チキンはチキンだと思うけど……わかった、寄れたら寄ってみるね」
留音「そういやタピオカって芋らしいよな。この前調べてたら出てきたんだけどさ」
衣玖「えぇっ!? いやいや、それは嘘でしょ、流石に」
留音「いやほんとほんと。芋らしいよ。あれ」
真凛「えすんごっ。だからカレー屋なのにタピ置いてあんのかな」
衣玖「いやいや、絶対嘘よ。だってカレーにタピオカ入ってるの見たこと無いもの」
留音「いや、タピオカとカレーの芋は別だって。カレーはじゃがいもじゃん」
衣玖「え? でも今芋って言ったじゃない」
留音「いやだから別の芋なんだってば。じゃがいもと、タピオカの芋」
衣玖「でも今芋って言った……よくわかんない」
留音「だから、じゃがいもと、タピオカの芋。別の芋ってこと」
衣玖「別の芋……? じゃがいもとタピオカのじゃがいも……?」
真凛「ぎゃっはっは、まじワロ」
西香「衣玖ちゃん、じゃがいもとさつまいもってあるでしょ? あんな感じで違う芋のことだよ」
衣玖「えっ! 別の芋!? じゃがいもを枯れ葉で焼いたらさつまいもになるんじゃないの……?」
留音「いやさつまいもはさつまいもだから……」
衣玖「でもお芋じゃん! 難しい~!」
留音からは脳筋が、衣玖からは知性が、真凛からは清潔感が、西香からは何か悪いものが飛んでいった日。
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一方その頃飛んでってないミニーズ
イリス「富士Qハイランドへ行くわよー!」
聖美「わっ、どうしたの急に?」
イリス「今日は2月29日で富士Qの日だそうよ! ねぇ見て! この記念日を見ると『アトラクション施設の富士Qハイランドが入園無料になる』とあるわ! みんなで遊びに行きましょう!」
アンジー「わ、わ~っ。確かに行ったら楽しそうだね。行ってみよっかー」
イリス「きっと混むわよね、なんたって入園無料だもの。……でもあたし、このドゴゴンパっていうの乗ってみたいわ……」
聖美「ここのお化け屋敷もとっても面白いよ~っ、みんなで入ろっか!」
イリス「お化け屋敷……!? バケモノが出てくるの? 退治するの?? どういう内容なのかしら……」
聖美「攻撃しちゃだめだよ? 逃げるだけだからね」
イリス「そうなの……よくわからないけど……ともあれ入園無料はきっと混むはずだから! さぁさぁ二人共、早く用意して行かなきゃ!」
アンジー「う、うん。そうだね」
聖美「(アンジーちゃん、今って毎日入園無料だったよね?)」
アンジー「(うん、アトラクションチケットになってるからね。この記念日情報、ちょっと昔のみたい)」
イリス「さぁ二人共! ドゴゴンパに乗るわよ! ビバ2月29日!!」
今日は富士急の日。なんでも特別な催しもあるのだそうだ。(古い情報による)




