2020年2月28日 エッセイ記念日
2020年2月28日
今日は1580年、初めて『エッセイ』とされるものを刊行したミシェル・ド・モンテーニュ氏の誕生日であることから制定されたエッセイの記念日だそうだ。
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留音作
~筋肉とは~
世の中には見えないものが多いと思う。見えないというのは、自分からも見えなかったり、他人からは見えなかったり。頑張っているのに評価されない、評価されないのは頑張っていないから……そんな風に評価されたりもする。
それはやっぱり、目に見えないからだと思う。
でも筋肉は違う。筋肉は鍛えたら出てくる。超主張する。すごくたくましく。
それに努力なんていう、見た人の目線で変わってくる曖昧なものじゃない。出したら出る。作ったら出る。
そう、筋肉は答えてくれる。筋肉こそ、人が無力でないことの意味だ。だって誰にでもあるものだから。
だから筋肉はすごい。鍛え方によって大きくすることも出来るし、小さくしなやかに力を発揮するようにも出来る。
筋肉は奥が深い。付き合いが難しい存在だけど、成長するのはすごく楽しい。子供みたいに可愛い。
筋肉こそ、目に見える人の努力の結晶だ。それにプロテインめちゃくちゃ美味しい。ミルクティー味がおすすめだ。あと鶏肉も筋肉に良い。筋肉がよく育つ。
きんにくはいいもんだなぁ
るね
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衣玖「うーん、2点。100点満点中。エッセイに点も何も無いけど、2点がつけたくなるエッセイだったわ」
留音「酷っ! 頑張って書いたのに!」
西香「なんでわざわざエッセイでまで脳筋を披露しているんですの?」
衣玖「最初はよかったと思うわよ。でも最終的に何か勘違いしてる」
留音「エッセイってああやってまとめるもんじゃないのか……!?」
西香「わたくし知ってますわよ。なんとかだなぁって言ってひらがなで名前書く人」
衣玖「まぁいいわ。書いてきてえらい。真凛も書いてきたのよね?」
真凛「ドキドキ……持ってきました……緊張するーっ」
留音「よし、お手並み拝見だ」
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真凛作
~おそうじをすること~
わたしはお掃除が大好きです。
例えば細かい隙間にある埃をとった時。そこはわたしの領土となります。
埃があったらそこは埃の領土です。だって埃があったら咳をしちゃって、人間には暮らせない汚れた土地になるからです。
それをさっと一掃すれば、その埃を消し去って、生物の住める土地に開拓されるんです。
その埃も、いいえ、もしかしたら埃さんも、自分たちの住みやすい陰の場所を探してやっと移住してきた誰かなのかもしれません。
でもわたしにとって邪魔だから。ワイパーで一掃して、そこを綺麗にできちゃうんです。埃さんたちが侵略してきた土地を、わたしはほんの数秒で取り戻すんです。埃さんの侵略は無駄な努力なんです。
埃さんはいろんな場所を侵略します。人の目がとどかないような場所を狙って侵略してきます。
でも見逃しません。わたしは埃さんを一匹残らず駆逐します。
でもたまに、わざと掃除をしない隙間を作ったり、お掃除することを見逃したりします。
そうするとそこに埃さんは溜まっていきます。このときの気持ちはとってもドキドキです。わたしが掃除を見逃してる、あぁでもまだ出来ない。これは恋に近い気持ちなのかもしれません。
それをためてためて、その後まとめて掃除します。せっかく溜まったのに。せっかく埃さんは大きく勢力を拡大したのに。それをわたしはほんの一回、撫でるだけで埃さんの頑張りを無に帰せるんです。
それがすごく楽しいから、お掃除って大好きなんです。夏場は虫も現れるから、隠れてるのを見つけるのはとても楽しいです。ちなみにてんとう虫はブチってつぶれます。
だからわたしは、お掃除が大好きです。
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衣玖「うーん、書き手の世界観が伝わってきたわね」
留音「戦慄したな、虫潰す下りはいるのか?」
西香「ちょっと頭おかしいですわ」
真凛「おかしくないですよぉ! お掃除の持つ捕食者の楽しみ方を綴ったものなのにぃ……」
衣玖「でも意外ね。あえて掃除を見逃していることなんてあったなんて。そういう事を知れたのも良かったと思うわ」
真凛「そうですよぉ。ほら、家畜は太らせるものだって言うじゃないですかぁ。後で掃除するのが楽しみなんですよぉ☆」
衣玖「へぇ。基本どの場所も片付いてるから検討もつかないわね」
留音「お前自分の部屋どう認識してんの?」
真凛「あっ、次はこの子が発表してくれるみたいです!」
あの子「(๑º º๑)」
そこで発表されたあの子のエッセイ。その内容はみんなとの日常を綴ったものだった。
広い世界の中でみんなに出会えたこと。そしてこうやって日常を過ごしていられることの幸せについて。
みんなと過ごす日々では大変なこともあるけど、人から見たら無駄な時間に思われるかも知れないけれど、こうして一緒に入られることが幸せで、それこそが自分自身の最高の人生になっているんだ、と。
そして最後に、きっと世界が真っ暗闇になったってずっと一緒だよ、そんなことが宇宙規模の愛を持ち、地球人総エッセイスト化してもその感動を作り出せないほどの文章を持って表現されたエッセイが発表されたのだった。
留音「うわぁぁぁぁぁぁ、うわぁぁああああああん」
真凛「びぇええええええええええええええええええん」
西香「ぐしゅんっ、ぐしゅんっ、ちーーーーん!!(鼻かみ)えっぇ、ぐしゅぐしゅっ」
衣玖「うぅっ、ひっぐ、ひっぐ……(ポロポロポロ)」
あの子「( º﹏º。 )」
読んでる内に感極まったあの子もすこしだけ涙を流している。
西香「もっぅ、わだぐじのっ……はっびょう、できばぜんわ……うっぐ」
衣玖もこくこくと頷いている。
衣玖「こんなにいいのが発表されたらね……生きててよかった……」
人生と、無駄な時間と、素晴らしいという言葉はイコールで繋がる。それが五人少女のエッセイ。




