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2020年2月15日 ツクールの日

2020年2月15日


イリス「テストプレイねぇ……まさか聖美(きよみ)がゲームを作るとは思わなかったわよ」


聖美(きよみ)「難しくないんだよ~。ゲームを作れるソフトがあってね、ポンポンって要素を置いて設定詰めるだけでできちゃうの」


アンジー「でもあれ大変じゃなかった? かなり没頭しないと作れないよね?」


聖美(きよみ)「うーん、でも短い内容だしね、題材から楽しかったよ~」


 イリスがコントローラーを握り、開いたウィンドウに聖美(きよみ)の作ったゲームのタイトル画面が表示された。


イリス「【五人少女物語】……」


アンジー「RPG?」


聖美(きよみ)「ぅふふん。RPGだよー」


 イリスはニューゲームボタンを押してゲームをスタートさせた。スクロールする文字にはストーリーが表示されている。どうやら平和な世界に突如現れた破壊の魔王にさらわれたあの子を助けるために立ち向かう五人少女の物語だそうである。


聖美(きよみ)「主人公は勇者でね、自分がなりきれるようにオリジナルキャラにしたんだ。名前は好きに決めてね」


イリス「じゃあ……イリス、と……」


アンジー「最初からみんな仲間なんだね。みんなで魔王を倒しに行くのか~」


聖美(きよみ)「うん、本当はシナリオとかじっくり考えられたらマルチエンディングにして、好感度システムでお話追加したかったんだけどね、とりあえず簡単な冒険のところだけしか作ってないんだぁ」


 外に出るといよいよ冒険の始まりである。道すがら、ザコ敵にエンカウントする。


イリス「早速出たわね。RPGらしくていいじゃない。じゃああたしは攻撃で……雑魚敵は基本的にただの攻撃でいいんでしょ?」


アンジー「うん。ボスまでMP節約していこう」


聖美(きよみ)「うふふふ」


 コマンドを入力するとダイアログに戦闘の軌跡が表示されていく。イリスの素手攻撃、敵に25のダメージ。西香(さいか)の武器攻撃、131のダメージ。衣玖(いく)の素手攻撃、19のダメージ。真凛(まりん)の素手攻撃、敵に20のダメージ。留音(るね)の素手攻撃。敵全体に999のダメージ、敵全体に999のダメージ。


イリス「……んっ? あれ?」


アンジー「留音(るね)ちゃんがおかしいことになってるけど……」


聖美(きよみ)「おかしいかな? みんなに忠実に作ってるんだけど……留音(るね)ちゃんならそれくらいするかなって」


アンジー「ま、たしかにそっか……留音(るね)ちゃんだったら全体2回攻撃のカンスト攻撃くらいするよね……」


聖美(きよみ)「このゲームの売りは五人少女のみんなへのリスペクトと忠実さなの。あっ、イリスちゃん、そこに街があるから、ショップでアイテムを揃えていくといいよ、もうすぐ魔王が出てくるからね」


イリス「早いのね。わかったわ」


 そして街に立ち寄った。しかし買い物をしても数度の戦闘によって入手できたお金の量から、ろくなアイテムは買えなさそうに思えた。


『いらっしゃいませ 勇者様一行。何がご入用ですか?』


 所持金30マニー。薬草だけしか買えないはずなのだが、会話アイコンが光っている。イリスはとりあえずそれを押してみた。


西香(さいか)『こほん。もし商人さん。わたくしたち勇者一行だとわかっているんですのね?』


『えぇもちろんです。王様より皆さんには優先的にお売りするように仰せつかって……』


西香(さいか)『でしたらぁ! どうしてお金なんて取るんでしょう? わたくしたちが魔王を倒す。その上で必要な物資を、何故買わなきゃいけないのですか? 困ってらっしゃるのよね、王様も、あなたも。……おかしい話だと思いませんか?』


『へ、へぇ……つまり……?』


西香(さいか)『全員分の装備一式と回復アイテム、もちろん提供してくださいますわよね?』


『そ、それは……生活がありまして……』


西香(さいか)『魔王に滅ぼされますわよ。生活どころじゃありませんわ。でもわたくしたちなら守ることが出来る。そこに最大の投資をしなくてどうするのです? あなたも商売人でしょう? こういう部分を見誤ってしまう事ありませんわよね? まがりなりにも、商人として生きてらっしゃるわけですからぁ?』


『あ、うあ……あう……』


留音(るね)『あの、あたしの分はいいので……』


衣玖(いく)『回復アイテムもいらないわよ。私の作った薬で無敵になれるから』


西香(さいか)『ちょっと! もらえるものをもらわないでどうするんですか! タダで仕入れて有料で売れば所持金が増えますでしょう!!』


 そんな話が終わると、ダイアログに「店のアイテムを無料で入手可能になった!」と表示された。


イリス「西香(さいか)はゲームの中でもとんでもないやつね」


アンジー「現実に忠実だね~」


聖美(きよみ)「こだわりのポイントなのーっ」


 その村で装備を揃え、やがて魔王城に到着した。これまでの道中でに各キャラの特性を把握した。


 まず留音(るね)は通常攻撃がザコ敵全体を一撃必殺、わざコマンドで『超最強波』を放つと戦闘に勝利する。


 真凛(まりん)は基本的に攻撃されないが、相手の全体攻撃などで攻撃された場合に最強のカウンターで反撃して戦闘に勝利する。コマンド『はかい』で能動的に戦闘に勝利する事も出来る。


 衣玖(いく)は様々な発明品で味方を援護するタイプだった。戦闘中、永久に無敵になる装置、敵を全く行動させなくなる装置などもあるが、衣玖(いく)も『次元装置』で敵を異次元に送って戦闘に勝利する事もできる。


 西香(さいか)は街でのみ最強で、戦闘時は勇者に毛が生えた程度の戦闘力である。ただし味方を鼓舞し(おこらせ)て行動回数を増やすことも出来るので、西香からのコンボで戦闘に勝利する事が出来る。


聖美(きよみ)「ここまではあっさりだけど、魔王戦も凝ってるんだよ~」


アンジー「これまでの再現度を考えると一瞬で勝ちそうだけど……」


 現れた魔王の影。魔王の前には元気な姿のあの子の姿がある。そして魔王が話しかけてきた。


『すまなかったこの星の住人よ、吾輩が悪かった。この子の言葉に心打たれた。吾輩は全ての制圧軍を撤退させ……、いや迷惑をかけた分この星の住人と協力し、手を取り合ってこの国の発展に協力しようと思う。こんな素晴らしい子がいる星を制圧しようなど、吾輩はなんて愚かだったのだ……』


 そしてハッピーエンドのテロップが流れるのだった。


イリス「なるほどね……これは納得の展開というか……」


アンジー「いい意味で忠実だよね……ゲーム的には悪い意味でだけど……」


聖美(きよみ)「やっぱり五人少女ちゃんたちがすごいからね、自然な流れにしたらこうなっちゃうなーって思ったの、作ってて」


 今日はツクールシリーズの記念日。メジャータイトル顔負けの傑作から、作者のこだわりが反映されまくる奇作まで、自由にゲームを作れるゲームの日。

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― 新着の感想 ―
[一言] >今日はツクールシリーズの記念日 おおう。そういう日もあったのですか? 昔、RPGツクールで作ってて、途中で挫折しました。
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