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2020年2月10日 激!日めくり華撃団がやりたかった日

2020年2月10日


 みなさんこんにちは。私の名前は聖美(きよみ)と言います。


 ここは帝都東京。時は1900年、浪漫の時代。ここに超帝国劇場という、有名な大劇場があります。


衣玖(いく)「やっぱり次こそデスメタルを取り入れるべきだと思う。お客さんはそろそろ強い刺激を求めてる」


真凛(まりん)「じゃあ次も歌うので行きますかぁ?」


留音(るね)「えー、次は劇にしようぜー。なんかしっとり系の恋愛みたいなのとかさぁ」


 こうして毎日のように演目を披露しています。歌に劇と大忙しです。


聖美(きよみ)「あっ、恋愛モノ良いと思う! 留音(るね)ちゃんが王子様で、イリスちゃんがお姫様とか!」


イリス「えぇっ、な、なんであたし……お姫様って……」


留音(るね)「おいおい、あたしもお姫様やりたいんだけど?」


アンジー「劇かぁ。戦いのシーンとかも入れたいねぇ」


西香(さいか)「ちょっと? 皆さん、この劇場の出資者がわたくしだって事をお忘れ? 次こそわたくしのド派手衣装計画を再始動させますわ」


衣玖(いく)「舞台装置改造してまで西香(さいか)を派手にする価値ある?」


 こうして日々、お客さんをどう楽しませるかを試行錯誤する私達、日めくり歌劇団ですが、実は裏の顔があるんです。


『ジリリリリリ!』


 あっ! この警告音は!


留音(るね)「ちっ、敵さんは待っちゃくれないね」


西香(さいか)「みなさん! 行きますわよ!」


真凛(まりん)「日めくり華撃団、出動!」


 そう。私たちはこの帝都に現れる魔、隔日会と戦う秘密部隊、日めくり華撃団でもあるのです!


――――――――


聖美(きよみ)「という日めくりネタを考えてみたんですが……」


 聖美(きよみ)は今日が帝国劇場設立によって制定された観劇の日である事から、そんな日めくりネタの提供に来ていた。


衣玖(いく)「好き」


留音(るね)「あぁ、頭の中にすっげー有名な曲が流れてくるよな。はーしーれー光速のーって」


聖美(きよみ)「うんそれそれ。あの作品と五人少女のみんなの雰囲気とすごくマッチしてて、ちょっとパロディしてみるのいいなって思ったんだけど……」


留音(るね)「でもなぁ……ちょっと今日は他の記念日も立て込んでてさ……」


 留音(るね)はパタパタ歩き回る真凛(まりん)に目をやった。真凛(まりん)はベランダにふとんを出し、日に干すので忙しそうだ。


真凛(まりん)「よいっしょっと……ふぅ」


 2と10というのは語呂合わせが多く、真凛(まりん)の持つ2・10(ふ・とん)も語呂によって布団を掃除する日、という記念日が制定されている。


衣玖(いく)「私も今日は左利きグッズの日だから左利きグッズを作ろうと思ってたし……」


留音(るね)「そういや衣玖(いく)は左利きだったか」


衣玖(いく)「詳しく言えば両利きなんだけどね」


聖美(きよみ)「流石だ~……」


留音(るね)「あたしも実は解放者やる日かなって思っててさ。見てみろよ今日の記念日。パンケーキの日、アメリカンフライドポテトの日、フードの日、フルーツアートの日、コッペパンの日、豚丼の日、白馬そばの日、レンジフードの日……こんなのお腹パンパンになるだろ? 解放者を呼んでお腹パンパンの記念日をやめさせようと思ってさ……」


聖美(きよみ)「そんなにあるんだー……」


留音(るね)「だからすまん、今日はちょっと記念日がたて込みすぎててさ、日めくり歌劇団はちょっと出来なさそうだ」


聖美(きよみ)「そうだよね、じゃあ日めくり華撃団はまたの機会にするね」


 聖美(きよみ)は少ししょんぼりしながら五人少女の家を出た。留音(るね)衣玖(いく)も悪いことをしたなという気持ちにはなったが、それぞれの日めくりの為には仕方のないことであると、日めくりに熱意の強い聖美(きよみ)自身が一番それをわかっているのだ。


 家に帰った聖美(きよみ)。玄関にアンジーの靴が置いてある。部屋に戻るとイリスとアンジーが話していて、どうやら二人で聖美(きよみ)が帰るのを待っていたようだ。


イリス「おかえり」


アンジー「あっ! おかえりー!」


 アンジーは待ちわびていたらしく、かばんをゴソゴソと探るとイリスと聖美(きよみ)に小さな何かを手渡した。


聖美(きよみ)「なぁに?」


アンジー「一応今日の記念日にちなんで……」


 それは毛糸で出来たキーホルダーだった。お手製のようで、編み込まれた紐が三つの輪っかを作って連結されている。


アンジー「ニットのキーホルダーだよ。流石に着用できるような物は作れなくて……」


イリス「へぇー。アンジーが作ったの?」


アンジー「うん。教えてもらってだけど……3人でおそろいだよ~」


聖美(きよみ)「わぁっ可愛いー! ありがとうアンジーちゃん!」


アンジー「えっへへ、ボクもたまには日めくりしないとね」


 今日は小さくても温かい、ニットの日でもある。


――――――――――――


 西香(さいか)ファンクラブにて。


 今日の観劇の日にちなんでいるのかいないのか、西香(さいか)は珍しくファンサービスで歌をうたっていた。


https://youtu.be/ur4BkAkR71w(35秒~)


♪~~ 心まで 黄金に かがやくわたーくしー

♪~~ ブースを蹴散らし~て わたくしを示すのだー


♪~~ みーつーげー、ファンの方~、わーたーくーし超可憐~

♪~~ うーなーれー、衝撃の~、わたくーし超可愛い~~


(1分40秒~)

『わたくし、皆さんのためにがんばります。

だから皆さんも沢山お貢ぎください!

わたくしは貢がれるために歌います!

それがゲキカワ西香(さいか)様なのです!』



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― 新着の感想 ―
[一言] 懐かしいなぁ……ひたすらミニゲームばっかりやってたなぁサクラ大戦。 キャラ的にはルネ→カンナ、サイカ→スミレ、イク→紅蘭なんですかねやっぱり
[一言] たくさんの記念日なんですね。もったいない。 少し他の日に分ければいいのにw ラストは西香ちゃん。さすが。
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