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2020年2月1日 デイトゥ! クリピュア!

2020年2月1日


 あたし留音(るね)☆ 日めくり中学校のチョーゼツ元気な女の子♪


「おはよう留音(るね)!」


留音(るね)「おはよー!」


「明日の試合、期待してるよ~」


留音(るね)「任しときなって!」


 最強流格闘部で活動していて、一応部のエースなんだ。 勉強はちょーっと苦手だけど、運動なら任せて!


 さってと。今日はもう学校終わり。後は帰るだけなんだ。でもその前にちょっと寄り道をして……って、えぇっ!? なんだか突然空が暗くなって……えぇっ!? なんだかよくわからないチャライケメンみたいな男の人が空に浮いて、黒いエネルギーみたいなのを集めてる!


「くーっくっく! 人間たちのバッドエネルギーを吸い付くし、月極帝国の糧とするのだ!」


 誰も何も聞いてないのにわかりやすい解説みたいなセリフで変なことをやってるの怖い! あっ! でも待って! あいつの下に白いフェレットが倒れてる……! 助けなきゃ! あたしの俊足ならあの怖い人に見つかる前に……!


白フェレ「う……っきゅ……誰っきゅ……?」


留音(るね)「しゃ、喋ったぁ!?」


 この変なフェレット、日本語を喋った!


白フェレ「ボクの声が聞こえるっきゅね……い、今すぐクリピュアを呼んで……バッドエネルギーを吸い付くされる前に……っ」


留音(るね)「く、クリピュアっ……?」


白フェレ「そう……クリピュアは姫くり王国を守る選ばれし戦士のことっきゅ、近くにいるはずなんだっきゅ、この地の最初のクリピュアが……」


「おいそこの小動物……お前、姫くり王国の紋章をつけているな……おい女! そのちびをこっちへよこしな!」


 うわぁっ! さっきのチャラ男があたしたちのすぐ後ろにっ!


留音(るね)「や、ヤダ! チャラ男なんかの言うことを聞くもんかー!」


白フェレ「に、逃げて……そいつは月極帝国の幹部っきゅ……逃げなきゃ君も、日めくれない……月単位での更新になっちゃうっきゅ……」


留音(るね)「えぇっ? 一体何のこと!?」


「おらぁっ! さっさとそいつをよこせってんだよ! でないとお前からやっちまうぞ!」


留音(るね)「うぅっ、逃げなきゃ!」


白フェレ「く、クリピュア……早く来てっ……」


「ふはは! 逃げても無駄だ! 喰らえ! 更新無しボール!!」


 逃げるあたしの背後に、巨大な昏い光を放つ球体が迫っていることがわかる。光を飲み込むその攻撃は周囲の光を奪っていくから……闇が近づいて、もうだめだ! そう思った瞬間、その人は現れた!


??「るんるんマジカル☆ バリフューチャー! ピュアマジカル☆」


 その人はあたしの背後にあった闇の弾を弾き飛ばして、あたしを守るように背後に着地した……ひらひらのマント、キラキラの衣装、ド派手な髪型にハートの武器! かわいかっこいい!


白フェレ「君は!」


留音(るね)「誰?!」


??「フェルディナント。遅れてごめんね。なかなか次のクリピュア候補が見つからなくて……その子は?」


フェルディナント「ボクを助けてくれてたんだっキュ! ボクと意思疎通が出来るということは……もしかしたら素質があるのかもしれないっキュ!」


??「へぇ、ありがとね、あたしはイリス。またの名を、ピュアマジカル」


 そう言いながらそのイリスって子はあたしの抱えるフェレットをナデナデすると、疲れていたか傷ついていたはずのこの子の体がみるみる元気になっていった! すごいっ、魔法みたい!


フェルディナント「このイリスちゃんはこの地で最初のクリピュアになった子なんだっキュ。そういえば君の名前を聞いてなかったっキュ。君の名前は……」


「おおおいてめぇら! 俺を放置してんじゃねぇ! こうなったら……いでよマンスリー!! 奴らを全員叩き潰してしまえー! おらおら! 2体も作ってやるぜぇ!」


留音(るね)「う、うわー! 石ころが化け物になったー!」


フェルディナント「あれは怪物マンスリーっきゅ! バッドエネルギーを月極帝国に持っていかれて、そこで生成された月極チューシャをされることで物質が悪の兵隊になるんだっキュ! あれは月給13万円クラス……かなり強力なバッドエネルギーを持っているっキュ……!」


イリス「っく、2体相手とは……この新しい候補生の変身はできないの!?」


 ピュアマジカルは明らかにたじろいでる。あたしが一緒に戦えれば1対1ずつの状況を作れるのに……!


フェルディナント「まだ姫くりチャージが済んでないんだっキュ……イリスちゃんっ、時間を稼いで! この子が変身出来るように! キュキュー!」


イリス「やってみる! マジカル・スプラ・シャワー!」


「ふははははは! このマンスリーにそんな攻撃聞くか!!」


イリス「っく、手強い! やっぱり一人では厳しいかっ」


 こ、このままじゃ……あの子がやられちゃう! 助けなきゃ……っ! 方法なんてわからないけどっ!


フェルディナント「ちょ、ちょっと! 何をする気っキュ? マンスリーは普通の人じゃ戦えないキュ! 近づいたら危ないっキュ!」


留音(るね)「でもっ、あの子が……っ!」


フェルディナント「正義の心はきっと合格っキュね! もう少しだけ待って欲しいっキュ! そうしたら君も、このラブリーデイトゥスマイルハートで変身出来るようになるはずっキュ!」


イリス「うわあああーー! っくぅう!」


 イリスちゃんことピュアマジカルちゃんがやられてる!


留音(るね)「変身……美少女戦士に変身……っ!」


 ずっと憧れてた。変身美少女……ついにあたしにもその機会がやってきたんだ! でも……このままじゃあの子がやられちゃう! 最序盤で人が死ぬ展開は深夜番組! あたしがやりたいのは日曜朝の女児向け最強ヒロインなんだ!


留音(るね)「見てられない!! あたしもなんとか時間を稼ぐから!」


 気を引くくらいなら出来るはず! あたしだって格闘部に所属してるんだから!


フェルディナント「ま、待ってー! キュキュー! 早くチャージ終わってっキュー!!」


留音(るね)「でりゃあー!」


 少しでも時間が稼げればいい! ありったけの全てを込めて! 最強流格闘術・正拳突きーー!!!


イリス「バカ! 生身じゃ勝てっこ……」


留音(るね)「フーーーーーン!!!」


マンスリー「ぎゃああああああああああああああああ」


イリス「えっ……倒した……一撃で?!」


留音(るね)「ドラドラドラドラ!!!フンフンフン!!フーーン!!!!」


「ひぇっ……ひぇー! 月極女王様ー! 恐いのがいるよ~!」


 はっ、無我夢中で乱打と鋭角に差し込むアッパーカット、エグい踏み込みからの急所狙いのストレートで2体の大ボスを木っ端微塵に粉砕してしまった!


フェルディナント「なんだこれ……キュ……」


留音(るね)「やった……やったよ二人共! 悪いやつを倒した!!」


イリス「変身……してないのに……」


留音(るね)「うん! でも変身もしたい! ねぇフェルディナント、だっけ? あたしの変身道具は出来たの?」


フェルディナント「そんなのいらないっキュ! 君は生身でも既にクリピュアを超えた存在だったんだっキュ……素晴らしい! 変身なしっキュ!」


留音(るね)「え! ちょっと待って! あたしは変身したい!!」


イリス「変身道具一式って結構高いのよ。大丈夫、あなたならそのままで強いから十分戦えるわ。そうね……変身なしのクリピュア……あなたは今日からピュア・ネイキッド(はだかいっかん)よ!」


フェルディナント「すごいっキュ……これまでのクリピュアは女の子だけだったっキュ。女の子なら誰でもなれる。それがクリピュアっキュ。でも最近は男の子も変身出来るし、大人でも変身出来るし、ゴリラも変身して、人類総クリピュア化も叶ったものキュ……それがここに来て!! 変身しないけどクリピュアが出たっキュ!!」


イリス「まさかあたしの代であたらしいクリピュアの誕生を見ることになるとはね……すごいわ!」


留音(るね)「いやだから、変身したいんだってば!!」


フェルディナント「必要ないんだっキュ! 君はそのままでクリピュアっキュー!」


留音(るね)「そういうことじゃないんだってばあああーーー!!」


 今日はあの女児向けアニメの記念日。人間の大事な部分に触れるロックなテーマを持ち続けるアニメーションの第1回目が放送された日。

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― 新着の感想 ―
[一言] 深夜番組よりニチアサを愛する、そのスピリットが良いです。 そして、留音ちゃんは、やっぱそうですが、他の子も変身しなくても悪を倒せる子がいますよね?(^_^;)
[一言]  求婚の日、楽しませていただきました。あの西香さんまで結婚させる見事な腕前。しかし誕生日は来るのに、歳は取らないのですね。  五つ子記念日にFF7オリジナル版発売日、そんな絶好の日に舞台裏…
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