2020年1月22日 ラブラブサンドの日 真凛と聖美
2020年1月22日
疲れて家に帰るあなた。あなたはただいまと声をあげる前だが、既にあなたは人ではないあるものから出迎えを受けていた。
それはとても香ばしいカレーの香り。喉の奥からじゅわっと唾液が溢れそうになるほど、香辛料があなたの鼻孔をつついてくる。
あなたは家の扉を開け、より濃いスパイスの香りを味わう。ただいまと言ったあなたを出迎えたのは、この家に住んでいる真凛ではなく、最近真凛が友達になったらしい聖美という女の子だった。聖美は制服を着ていて、普通の女子高生が家にいるというのはなんだか奇妙な気分だ。
聖美「あっ、おかえりなさい! ご飯用意できてるよっ」
聖美は真凛同様に朗らかで明るい子だ。どこか垢抜けていないというか、素朴な可愛さも持っているのだが、その見た目はあなたが見てきた女の子の中でも間違いなくトップ10、いやベスト8を争うほどの美少女だった。トップアイドルグループの看板と言われても信じてしまう。
リビングに入ったあなたの前には当然カレーが置かれていた。だがカレーライスではない。大きな白いパン……これはナンだ。それにカレーは2種類と、野菜が付け合せに置いてある。
真凛「さっ、ご飯にしましょー☆」
ちょうど晩御飯に良い時間だ。あなたは上着を脱いで手洗いうがいをしっかり済ませ、食卓についた。
どうやら今日は聖美も一緒にご飯を食べるようだ。あなたは彼女たちの向かいに座り「いただきます」と手を合わせた。
真凛「冷めないうちにどうぞー♪」
あなたはまずは野菜から食べて、それからナンをちぎる。2種類あるカレーの、まずは左側からつけて食べた。これはいつも真凛が作るカレーだ。家庭的で、でもスパイスがしっかり使われてこだわりも感じる。食べ慣れた安心の味。
真凛「どうですか?^^」
あなたがカレーをつけたナンを頬張るのを見て、楽しそうに真凛が尋ねる。あなたは当然美味しいよと答えた。真凛が作った料理に外れはない。
次にあなたは、もう一つ、右側のカレーにナンをつけた。色合いはあまり見ないのだが、こっちも美味しそうだ。真凛のいつもつくるのが黒~焦げ茶系の色なのだが、こっちは少しオレンジがかっているといえば良いのか、色が明るく赤みがある。
つけて食べたそれは、いつものよりも少し辛い。それに具材の大きさが細やかでもある。味はかなりスパイシーで、でも手を止める理由にはならないという、あなたにとっては完璧な塩梅の辛口カレーだった。
聖美「ど、どうかな……口に合うといいなーって……私がつくったんだ」
聖美が気合を入れて作ったカレーのようだ。あなたは大きく頷きとても美味しいと伝えた。真凛の味がみんなに美味しい味なら、これはあなたに刺さる味というところだ。
きっと西香は辛いと言うだろうし、衣玖はソースやチョコを足したがり、留音はもっと大きな肉を入れて欲しいなんて言いそうだ。それを回避する完璧なカレーが真凛のものなのだが、これはあなたにとって完璧なカレーの一つだ。
あなたはもう一度味を確かめるべく、聖美のカレーに再びナンをつけた。普段は食べない味。香辛料が鼻を突き抜けて、じんわりと体の内側からあなたを温めていく辛味がある。
そして続けざまにもう一度聖美のカレーにナンをつけて食べた時、それを見ていた真凛がムっとしたのを感じとった。
真凛「もーう! もうもうもうー!」
牛になった真凛はあなたの隣座り、あなたからナンを奪い取ったのだ。そして適度な大きさにちぎると、それを自分の取り分のカレーにつけて「あーん!」とあなたにナンを突き出した。
あなたは苦笑いで真凛の突き出したナンを食べた。もちろんこっちもすごく美味しいのだが、あなたに食べさせた真凛を見て、聖美も立ち上がる。
聖美「あっ! ず……私もー!」
なんと聖美もあなたの隣に座り始めたではないか。ナンをちぎり、自分が使っていたカレーにナンをつけてあなたの口元に持っていく。
あなたは気が付かなかったが、二人共自分のナンを食べた時、一口で食べ切れないでカレーを付け足して食べていたのだから、これに気づいて熟考したら非常に食べにくかっただろう。
あなたは急いで真凛のナンを食べると、次に聖美のナンを食べなければならなくなった。両手に花の状態ではあるが、落ち着いて食べられない。
聖美「美味しいよねっ? あなたの嗜好に合わせたのを作ったんだぁ」
真凛「た、確かに美味しいですけど、わたしのも美味しいですよね? あなたが好きないつもの味で……ねっ?」
どうやら真凛は不安がっているようだ。もちろん真凛のも好きだし、聖美のも美味しいのは間違いない。
真凛「はいっ! つぎはこっちですよ!」
聖美「あぁっ真凛ちゃんずるい! まだこっち残ってるのにー!」
二人共こっちを向いてとあなたを引っ張り合うようにしてカレーとナンを口に押し付けてくる。
あなたはなんとか二人のを交互に食べて完食した。元々どちらも完食できるほどの量ではあったし、当然するつもりだったのだが、これでは無駄に気をつかうというものである。
じっとりとした汗は辛味からか、それとも二人の圧からか。とにかくあなたは食事を終えて、今度は全然食べるのが進んでいなかった二人がゆっくり食べ始める。
しかし、二人共あなたのナンにガッツリと自分の持っていたカレーを塗るものだから、二人共自分のカレーがほとんど無くなっていたのだ。
その反対にあなたの取皿のカレーはどちらもほとんど残っていた。だからあなたは仕方ないなと真凛のナンを取ると、それを適度にちぎって自分のカレーにつけて渡そうとした。すると。
真凛「はむっ」
真凛は受け取らず、口で直接食べたのだ。
聖美「あーっ! 私も!」
聖美もあなたにナンを渡してきた。あなたはため息交じりに、同じことをしてあげた。
聖美「はーんむっ」
聖美も幸せそうにあなたからナンを食べている。
真凛「んーっ、美味しいですね~」
聖美「ね~っ」
もしかしたら味はなんでもいいのかもしれない。あなたから食べさせてもらうことで二人共幸せそうにしている。もはや二人共自分で食べようという気になっておらず、あなたを左右から挟んで食べる毎に口を開けて食べさせてもらう事を待っていた。
ようやく仕事が終わって食器をキッチンに持っていくと、真凛がシンクでお皿を洗い始めた。あなたは手伝うために横に立ち、真凛が洗った皿を拭いていく。その隣に聖美が立つと、あなたから受け取った皿を、横のお皿用の棚に片していった。
たまに指が触れて、カレー美味しかったね、なんて誤魔化して。
あなたを挟んで二人の美少女。ラブラブサンドでお腹いっぱい。