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2020年1月1日 【謹賀新年FA】あけましておめでとうございます!

2020年1月1日


真凛(まりん)「わ~っ! あけましておめでとうございます~!」


 五人少女は神社でお参り中である。まだ日付が変わってからそう時間も経たない暗い時間。屋台の並ぶ並木道は神社から駅まで連なって、こんな時間にも関わらず多くの人で賑わっている。


留音(るね)「今年もお互い頑張ろうなー」


 そんなところで、こんな時間に……。


聖美(きよみ)「は、はいっ! こちらこそ今年もよろしくお願いします!」


アンジー「よろしく~!」


イリス「なぁーんで新年早々あんた達と鉢合わせないといけないのよ!」


 ミニーズも同じ神社に初詣中だったのである。


真凛(まりん)「まぁまぁ、一緒にまわりますかぁ?」


聖美(きよみ)「まわる! まわろー!」


イリス「ちょっと聖美(きよみ)! くっ、すっかりほだされて……しかし留音(るね)、新年一発目から勝負の機会に恵まれたわ! あたしは今、1月1日のための装束に身を包んでいる……!」


 イリスは赤を基調とするしっかりとした着物を着込んでいた。聖美(きよみ)も同様に羽織と合わせて、落ち着いた雰囲気を纏わせている。


留音(るね)「うん。着物きれいだよな。似合ってるよ」


イリス「お、おのれ留音(るね)! ……おのれ留音(るね)!」


アンジー「ボクはどうー?」


 アンジーは派手な色のカジュアル系の着物を着ている。ミニーズの中では一番着物が似合う体型という事もあってきゃっきゃと回る仕草が人目を誘う。


留音(るね)「うん、可愛い可愛い。アンジーはホント可愛い系なんでも似合うんじゃないかな。聖美(きよみ)も綺麗だしな」


アンジー「ふっふーんっ♪」


聖美(きよみ)「る、留音(るね)ちゃんも立派なの着てて……みんなも可愛いよー!」


 ちなみに五人少女たちも総着物である。真凛(まりん)西香(さいか)は簡単な結び方であれば一人で着ることが出来る。


イリス「おのれ留音(るね)ッ! 勝負よ勝負! お前に負けてからあたしは防護の魔法の研究にも力を入れた……前のようにはいかないってところを新年の始まりに見せつけて……」


留音(るね)「えー、今日はやめとけって。着物汚れちゃうぞ。こういうのって洗うの大変なんだよな?」


真凛(まりん)「そうですねぇ。わたしも自分で洗ったことないですよぉ」


イリス「そうなの……聖美(きよみ)の家に借りたものだからあんまりアレしちゃうのも困るわね……」


アンジー「そう言えば他のみんなはどこにいるのー?」


真凛(まりん)「あっちでベビーカステラ食べてますよぉ。衣玖(いく)さんが疲れて動けなくなっちゃったので」


留音(るね)「の割にわたあめとかりんご飴食べたいとか要求多いんだよな」


聖美(きよみ)「じゃあ買っていかないとー! 五人少女ちゃんたちはもう参拝はしたの?」


留音(るね)「あたしたちはな。衣玖(いく)たちはやってないけど。出店でちょっとなんか買ったらあとはおみくじ引いて甘酒飲みながら帰るかってとこ」


イリス「おみくじ……たしか今年の幸運値を測れるというヤツね……ふふ、ちょうどいい。留音(るね)! おみくじで勝負しなさい!」


留音(るね)「あ、引き行く? 別にいいけど」


イリス「よし……そうとなればちんたら買い物なんてしていられない……聖美(きよみ)! アンジー! 真凛(まりん)の相手は頼んだ! あたしは留音(るね)にちんけなおみくじ幸運勝負でも勝つ! そして今年一年の出だしを縁起良く始めるわ!」


留音(るね)「じゃあちょっと行ってくる」


真凛(まりん)「はーい^^」


聖美(きよみ)「いってらっしゃーい」


イリス「なんなのよこの空気感は……」


――――――――


真凛(まりん)衣玖(いく)さん、りんご飴買ってきましたよぉ」


衣玖(いく)「ありがとう。でもお腹いっぱいになってきた」


 真凛(まりん)らが買い出しから戻り、ちょっとした休憩が出来るような広場のベンチに腰掛けて、衣玖(いく)西香(さいか)、それからあの子が休憩を取っていた。あの子が真ん中で、衣玖(いく)西香(さいか)が身を寄せているような状況である。


西香(さいか)「あら? そこなお二人。どうしたんですの?」


聖美(きよみ)「あ、あけましておめでとうございます」


衣玖(いく)「あけおめ。見るにルーはイリスと一緒ってところね」


アンジー「そうだよ~、おみくじで勝負しにいったー」


衣玖(いく)「そ。……勝負?」


真凛(まりん)「……(わたあめ食べよっと)」


衣玖(いく)「(早く帰りたい)」


西香(さいか)「(お年玉……今年はいくらもらえるでしょうか)」


 時間を持て余しそうになったとき、聖美(きよみ)が「あっ」と思い出したように三人に尋ねる。


聖美(きよみ)「あの、五人少女ちゃんたちはもう今日の日めくりはもうやったの?」


衣玖(いく)「初詣に来たという日めくりネタをしているところだけど」


聖美(きよみ)「えっ! えーっ! こんなにグダのんびりして……これで日めくりしてるの!?」


西香(さいか)「うおぉ……この人なんですの突然。思わず変な声が出てしまいましたわよ」


聖美(きよみ)「だって最近ここ数日おしゃべりが続いてるし、今日はもっとテンション上がるような日めくりにしたほうがいいよ! 新年だよ!? 毎日楽しみにしてくれてる人が『あー今日もおしゃべりか』って思われたら……あのねっ! そんなこともあろうかと私調べてきたの! 今日は少年法の施行日なんだって!」


真凛(まりん)「へぇー……」


聖美(きよみ)「だからちょっと何か悪いことをして、逮捕されて少年法を体験してみるっていうのはどうかな?! みんなの評判が落ちない程度に何かちょっとだけ悪いことをして!」


アンジー「一応補足しておくと、これは聖美(きよみ)ちゃんの善意しかない言葉だからね」


西香(さいか)「おバカですの? そんなのわたくしのような清楚に清楚を重ねた美少女に出来るわけないじゃありませんか」


真凛(まりん)「少年院の話は前にやったし……」


衣玖(いく)「もしやりたいならミニーズにあげるわよ。担当してくれるなら助かる」


アンジー「い、いや……ボクもそれはちょっ……」


聖美(きよみ)「いいの!? 私達が日めくり担当していいの!? 新年一発目だよ!?」


アンジー「聖美(きよみ)ちゃん?」


真凛(まりん)「いいですよ^^」


聖美(きよみ)「やった……やったぁー! アンジーちゃん聞いた!? 今日のちょっとグダっちゃった日めくりを担当出来るって! これでテンポは落ちないし、私も日めくりをやって……やったぁ! アンジーちゃん! 一緒に軽犯罪に手を染めよう!?」


アンジー「聖美(きよみ)ちゃん!?」


聖美(きよみ)「でもどうしよう……なにをやればいいんだろう……」


アンジー「ノリノリだよね……ねぇ衣玖(いく)ちゃん、ボク達が仮にどうにかなっても明日にはなかったことになってるよね?」


衣玖(いく)「多分。でも私が日めくり出禁にされたときは本当に数日出てこれなかったわよ」


西香(さいか)「ちなみに留音(るね)さんもファンアートもらってうるさかったので逮捕されて1日だか留置されっぱなしでしたわよ」


真凛(まりん)「大丈夫ですよ、わたしがなかったことにすることも出来るので^^」


聖美(きよみ)「大丈夫だって! えーっ! お正月だしなにしよう……なにがいいかな!?」


アンジー「すごい活力だよね。ボク心配になっちゃう」


聖美(きよみ)「そうだ! 連れ去り! 一人でいる子供を連れ去っちゃおう! 後でちゃんとお返しすれば大丈夫だよね!? 見て! あそこに小さな男の子が一人でいるよ!」


アンジー「聖美(きよみ)ちゃん!?!? ちょっとぉ!?」


 聖美(きよみ)は視界に捉えた子供に向かって走り寄ると、少し息を荒げながら興奮気味に言った。


聖美(きよみ)「ねぇ、ボク(はぁはぁ)。どうしたの? よかったらお姉さんと一緒に、どこか楽しいところで遊ぼっか?(はぁはぁはぁ)」


アンジー「き、聖美(きよみ)ちゃん!? それどっちかっていうとボクがおじさんとかにするやつ!」


 しかしその男の子は聖美(きよみ)に話しかけられた瞬間、何かを堪えていたのだろうか堰が壊れたように表情を崩してしまう。


「おっ、お母さんがねっ、ぐすっ、お母さんいないの……どっかいっちゃったぁ……」


聖美(きよみ)「えっ、わっ、あああっ、そうなの? どうしよう……大丈夫だよ、お姉ちゃんが一緒に探してあげるから……」


 聖美(きよみ)が手を差し出すと、男の子はおずおずと手を取った。アンジーも一緒に手を繋ぐ。


アンジー「あっ……なんか平和な方向に向かいそう……一緒に探そうねぇ。行こう行こう」


 そうしてどこかへ行ってしまう二人の背中を見送った四人。


衣玖(いく)「ありがちよね……必ず迷子が出る。お正月だわ。私も昔あった」


西香(さいか)「わたくし未だに覚えてますわ。とても小さかった頃、わたくしも迷子になって……何事もなかったんですけど、おじいさまにとっても怒られたんですの。その後おばあさまがわたあめを買ってくださって……」


真凛(まりん)「はぁー。留音(るね)さん達、おみくじなにが出たのかなー」


 しかしここ、この場において聖美(きよみ)の望んだ犯罪は既に起きていた。


 衣玖(いく)が疲れて目を閉じてあの子に膝枕をしてもらい、西香(さいか)もベビーカステラをヒョイパクしながら足をぶらぶら遊ばせている。真凛(まりん)はわたあめをもって、ちぎってはあの子に食べさせて。


 その光景。まさに犯罪である。美少女たちが、特に真ん中のあの子は注目されて、あまりの神々しさに神社の神さえ霞んでしまう。まさに通りがかった人たち全てに対して破魔矢で射貫くような凶悪的な可愛さを振りまいていた。


 これを犯罪と言わずしてなんと言おうか。ただ取り締まれる少年法は存在しない。可愛さはどこまでいっても正義でしかないのだ。


――――――――


 一方その頃、勝負の二人。


留音(るね)「大吉」


イリス「大吉」


留音(るね)「同点だ」


イリス「ふっ……まぁいいだろう留音(るね)。ここは勝負を預けておく。でも覚えておきなさい、新年最初の勝負は引き分けだったということをね!」


 イリスはとっても満足そうだったようだ。


――――――――


ご挨拶

今年も五人少女たちはまいにちニコニコをテーマにやっていきます。

皆さんの日常にほんの小さなホッコリ感を届けられたらいいなと思っています。


2019年からお付き合いくださっている方は今年もよろしくお願いいたします。

初めての方はお付き合いくださるとみんながとっても喜びます。


そしてなんと、新年一つ目の更新からなんとhatimituhanao神様から謹賀新年のファンアートを頂きました!

素敵な着物の留音ちゃんです!綺麗に決めちゃってぇ!!!金髪が映える青着ちゃってぇ!!きゃわよおおおい!


挿絵(By みてみん)



本当にありがとうございます!!おかげで超絶素晴らしい新年更新になりました!


というわけで、皆さんあけましておめでとうございます!


今年もみんなをよろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 明けましておめでとうございます。 新年からほっこりですねぇ。 そして、留音ちゃんFAおめでとう。 今までとはまた印象が変わっていいですね。
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