2019年12月16日 テレビテロップ追加のきっかけの日
2019年12月16日
イリス「新魔法が出来たわ!! しかも私の最も得意とする閃光に連なる陽属性の魔法で作った魔法よ!」
アンジー「わー! どんな魔法なの!?」
イリス「相手の体は傷つけないわ。でも相手の意識を奪うという魔法よ。相手が疲れているほどに効果を発揮するわ」
聖美「へぇー……そっか、五人少女のみんなが怪我をしないように気を使ったんだ……?」
イリス「そ、そんなんじゃないわよ! ……いや、今の言い方だと本当は気を使ったみたいに聞こえるわね。違うわ。この魔法はある種の禁忌に触れているみたい。この世界においては本当に使うべきでない禁呪の類の魔法らしいわ」
アンジー「ど、どういう事……?」
イリス「わからない。でもあたしは禁呪であろうがあらゆる魔法を使いこなす最強の魔法使い。ヤツらに勝つためには禁忌にだって触れていく」
そうしてイリスは二人を連れ、五人少女の家に向かった。
聖美「こ、こんにちは~……」
留音「ん? ミニーズじゃん。何?」
イリス「留音!! おのれ留音! 今日改めてあんたに戦いを申し込みに来た……この、あたしの新たに作った閃光魔法でね!」
留音「あそう。戦いか。うーん……あたしだけでいい?」
イリス「好都合よ……留音! お前を倒してこの家を乗っ取る!」
留音「はいはい。じゃあ勝負ね。超最強ッ……」
イリス「くらえ! 赤と青の交互の激しい点滅フラッシュ!!!!」
イリスを中心に、ギトギトの二色の光がパカパカと交互に入れ替わる。秒間で何度色が変わっているかわからないほど早い。
留音「あーなんか目がチカチカして……! うあーそれ色々ダメなやつだって!」
イリス「ふ……やったわ! 聖美! アンジー! 留音をひるませ……ってあぁ! 二人共卒倒してる!」
留音「そりゃそうだよ……駄目じゃない? その光はやったら駄目だと思う……」
イリス「くっ……二人共……! 五人少女共を倒し、必ずあなた達を英霊にする。だから今は少し眠ってて……! 更にくらえぇ! 明度マックス青赤フラッシュ!!!」
真凛「もー。さっきから鬱陶しいなぁあ。なんですかぁこの光……」
イリス「出たな真凛! お前も受けろ! この目がチカチカして卒倒する青と赤の連続的な光を!」
真凛「あ、それは駄目です、イリスさん。この場が文字媒体だからまだ大丈夫ですけど……」
イリス「嫌がっているわね! 知っているのよ、およそ20年前の今日、この地はこの光によって制圧されかけたことを。ふふ、この魔法が強すぎて恐れているのね……お前たち二人を倒すことができれば五人少女攻略は目前よ! このまま押し切ってやる!」
真凛「あのですね……その光の事件を起こした人がどうなったか知らないんですか……?」
留音「人っていうかキャラ、っていい方をしないと誤解を生むかもしれないな」
イリス「よく知らないわね! 何も知らないわ!」
真凛「出禁です」
イリス「えっ?」
真凛「アニメだったんですけど……そのアニメ、20年以上続いてるんですけどぉ……その事件以降、一度も出られてないんです。完全な出禁になったんです。その光のきっかけになったから……」
留音「調べるほど悲しい事件だよな……そのポケ……そのキャラは実際悪くないらしいのに、一番人気のキャラを守るために出禁になって……関連したキャラまで全てテレビに登場してないらしいじゃん」
イリス「に、20年以上? ……親族まで存在をカットされたということ?」
真凛「はい。全くそのとおりです。その光で起きた事件のきっかけになったから……イリスさんも悪いことは言いません。多分その光を使って勝ったとしてもなんやかんやであなたが日めくり出禁になるだけなんじゃないかなぁ……」
イリス「……わかった……この光は自重するわ」
真凛「良かったですよ文字媒体で……ギリギリセーフです。そっちのお二人は倒れちゃってますけど……」
イリス「ご、ごめんね聖美、アンジー……きつけの回復魔法ですぐ治すから……くっ、覚えていろ五人少女共ッ……今日のところは仕方がないから注意を聞いてあげる。でもいつか必ず倒してやるー!」
今日はあのフラッシュが起きた回の放送日。これ以降テレビでは明度調整とテロップの追加が行われるようになった。
この件によって出禁を食らったそのキャラは皮を被ることで別のキャラとして登場している、という都市伝説が生まれるほど、この一連の事故は様々な爪痕を残した。