2019年11月21日 かきふらいの日
2019年11月21日
―――第2話くらいの話―――
幼稚園のときも。
小学生のときも。
中学生になっても。
ずーっとぼんやり、星を爆発させてきたけど。
高校生になったわたしは、部活をはじめましたっ!
(オープニング)
~♪~チャチな!ガチでたわしわし レバニラ 発狂!就業者 忌むまじで土手ON!地獄を知れば独裁でHere We Go! しばいてHead Shot して After 剥く~ ~♪~
(オープニング終わり)
わたしは音楽準備室の扉を開けて中に元気よく挨拶をします。音楽室は合唱部が使っているので、わたしの所属するけいおん部はこの準備室を使わせてもらっているんです。
真凛「こんにちはーっ」
三人「んー」「こんにちは」「よっ」
この三人がけいおん部の仲間です。まずはギターの衣玖ちゃん。背は低いけど、とってもあたまの良い女の子です。
真凛「ねぇねぇ、なんで衣玖ちゃんはギターをやろうと思ったの?」
衣玖「それはね、時を重ね荒みゆく人間の精神にも訴えかける音楽というわかりやすい世界共通言語をたった一人でも、例えそこがどこだって個人でも完遂可能な最高の非言語コミュニケーションツール、それがギターだと思ったからよ」
真凛「へ~、つまり好きってことですかぁ?」
衣玖「そうよ」
よくわかりませんけど、そうなんだそうです。
もう一人が西香ちゃん。とってもお嬢様でこの部室にたくさんのお菓子や紅茶を持ってきて、一人で食べています。とってもむかっ腹に来る女の子です。
真凛「西香ちゃんはどうしてギターをやろうと思ったの?」
西香「それはもちろん、ギターイコール一番注目される歌い手でしょう?例え演奏出来なくてもそれを肩から下げてそれっぽい持ち方をしながら歌うだけで、もう皆さんわたくしにメロメロになってしまいますし。それにわたくし子供の頃からギターを持ってましたの。"ギター持ってるだけ写真コンクール"では優勝したこともあるのですよ」
真凛「へー!すごいね!(なんでけいおん部に……なんで存在してるんだろう?)」
それからギター担当の、留音ちゃん。元気いっぱいの、強そうな女の子です。
真凛「留音ちゃんはドラム! って感じだよねっ☆」
留音「なんであたしだけアプローチ違うんだ? やれって事?あたしにだってギターをやる理由が、聞けば誰でも感動する理由があるんだぞー!」
真凛「どんなどんな!?」
留音「かっこいいから!」
真凛「(楽器選びにも性格が出るんだなぁ……みんなギターですけど!)」
これがわたしの所属するけいおん部です!!
―――第6話くらいの話―――
いよいよわたしたちの初めてのライブです!これまで合宿したり色々練習をしてきました……わたしはとってもかわいい衣装を着ているし、衣玖さんは髪を真っ赤に染めているし、西香さんは何故か他校の制服を着ているし、留音さんは綺麗な衣装の周りに変形ロボットをくっつけているけど……とにかく頑張るぞー!
衣玖「今こそ練習の成果を見せる時よ……ワン、ツー……エイトスリーファイブミリオン!」
わかりにくすぎるリズムのとり方でいよいよわたしたちの初ライブが始まりました!ジャジャジャ!ってイントロが始まります!
緊張するけどわたしはボーカルです。ギターを演奏しながらスタンドに固定されたマイクに顔を近づけました。それから息を吸って……!
真凛「♪ 君を見てると いつも胸がキュンキュン♡」
それから留音さんもギターを演奏しながらマイクに顔を近づけました。
留音「♪ 生き残りたい 途方に暮れて ヒラリ 枯れてゆく♪」
続いてギターの演奏をするふりをしている西香さんがアイドルみたいなステップをしながらマイクに顔を近づけました。
西香「♪ 熱い胸きっと未来へ~っ抜け出したは・ず・さ♪」
それから衣玖さんが持っていたギターを床に叩きつけて粉砕した後にスタンドからマイクをぶんどって激しく頭を振り始めました。
衣玖「Σ♪YOU MAKE ME VIOLATE Uuu!! NO MATTER WHO YO'RRRRRRRRRR!!!! こうべを垂れな! おつむついてんだろァァ!!♪」
みんなギターだしみんな違う曲歌ってました!!しかも色々配慮してちょっとずつオリジナルから歌詞変えてる!あと衣玖ちゃんがヘドバンで酷いことになってる!でもライブは大成功です☆
――――――――
留音「……で、かきふらい要素はどこにあったんだ?」
西香「ネタが無かったから少し前に言ってたバンドやりたいとか言ってたのを叶えたんじゃありませんの?」
衣玖「何を言ってるの? 完全にかきふらいの日だったじゃない」
真凛「どこにもかきふらいの要素ありませんでしたけど……」
衣玖「かきふらいよ。紛れもなく。『かきふらい』なんだから『けいおん』なのよ。今日もしっかり日めくり完遂したわね」
三人『んんー……??』