2019年11月13日 人生楽ありゃ……?
2019年11月13日
今日は茨城県の日。茨城県といえば水戸。水戸と言えばあの人。
~~西香黄門~~
西香黄門「喧嘩はおやめなさい。そこの方たち。これ、いけませんわ」
西香黄門の前に居る二人の男は互いに刀の切っ先を向け合っている。何を争っているのか。西香黄門は喧嘩の仲裁をしようとしているが、ヒートアップした二人の男たちは互いにその刃を納めようとしない。
困った西香黄門のために付き人が前へ出ると、ゴソゴソと探った袖口の中から何かを取り出した。それは印籠などではなく。
留音さん「ひかぇーい!ひかえおろーう!!このファンクラブ会員ナンバーが目に入らぬかぁー!!」
チンピラ1「はぁっ!!!そ、その番号は!?」
チンピラ2「西香ファンクラブ会員ナンバー、001!!お、おみそれいたしやしたぁー!!」
西香黄門「良いですか、お二人共。会員ナンバーの話題からどちらがわたくしのファン度が高いかで競い合っていたようですが、わたくしはファンクラブ会員ナンバーの早い順で、ファンへの対応を変えるような事はありませんわ。ですからどちらがより早く西香ファンクラブに所属し、そしてまたどちらがファンの鏡であるか……そのようなことで喧嘩をなさらぬように。聞けばお二人共、会員ナンバー2億番台というではありませんか」
そんな数字で何を、と早速対応を変えている感じの西香黄門である。
衣玖さん「ここにおわす西香公は金品や権利、地位のみにファンの価値を見出しておられる!つまらぬ喧嘩などやめ、真面目に勤労に励み、そして貢ぐ喜びを知りなさい」
チンピラたち『は、ははぁー!』
西香黄門「留音さん、衣玖さん。これにて一件落着ですわね。あっはっはっはっは」
留音さん衣玖さん『はっはっはっはっは』
こうして諸国漫遊ファンサービスの旅を続ける西香黄門一行であった。
~~あの黄門~~
真凛さん「ひかえーい!……と思ったら既に控えていますね」
留音さん「この紋所が目に……!……出すまでもなく全員拝み尽くしているな」
あの黄門「(๑°⌓°๑)」
黄門様の諸国漫遊は滞りなく、あの公が通った地方は笑顔と幸せに包まれ、踏みしめた大地に花が咲き、通る野を迎え入れるように鳥がさえずり、全ての産業が成功し、全国的に栄えていったそうだ。めでたしめでたし。
~~留音黄門~~
町娘「きゃあー!たすけてー!!」
留音黄門「むむっ、この悲鳴は……!待て待て待てぇ―い!!その町娘をどうする気か!」
チンピラ「あぁ?!俺たちにたてつこうってかい!おめぇら!やっちまいな!!!」
留音黄門「おのれっ!許せん!衣玖さん!西香さん!懲らしめてやらないでよろしい!あたしが一人でやる!!!」
チンピラたち「な、なにぃ!一人で俺たちとやる気か!女一人だろうがかまやしねぇ!のしちまえーい!!」
留音黄門「まとめて来やがれ!おらおらおら!!杖一本すらいらねぇなぁ!?片手で十分だオラオラオラ!!!」
西香さん「る、留音公、この印籠はいつお出しすれば……」
留音黄門「なに!?いんろ……あっ、紋所出さないとアレなのか……いやいらんいらん!そんなんで平伏されたらもったいねぇ!全部あたしが倒す!!オラデコピンじゃ!」
チンピラたち「ばたんきゅう……」
町娘「あ、ありがとうございました……」
留音黄門「なに、無事なら良い。だがあたしはいつもそばにいてはやれないよ。今後もチンピラには気をつけなされ」
町娘「ぽっ……かっこいい……」
衣玖さん「(留音公、また町の娘をああやって……やれやれ)」
たまに女たらしな留音黄門の旅は続く。
~~衣玖黄門~~
西香さん「この紋所が目に入りませんか!」
チンピラ「紋所ぉ?知らねぇな!おい相手はガキだ!おめぇら!やっちまえ!!」
衣玖黄門「ならば仕方がないわね。西香さん、真凛さん。印籠起動よ」
真凛さん「ははっ、葵紋、セーフティ解除。サテライトレーザー受信完了」
西香さん「ニューラルリンケージネットワーク接続、イオン濃度正常値。パワーフロー正常、システムオンライン。いけますわ」
衣玖黄門「印籠合身!!衣玖シード!!」
チンピラ「あ、あれは!!!巨大からくりだとぉ!?」
衣玖黄門「さぁどう?これでもこの印籠が、葵紋が目に入らないと言う気?この全長約600寸にもなる巨大からくりを前にして、まだ抵抗しようと言うの?ならばこの葵紋キャノンで……」
チンピラ「は、ははー!!なんであれおみそれいたしやしたぁー!!これは無条件に降伏するのみです~!」
西香さん「ふふふ、やはり印籠の効果は絶大ですわね」
真凛さん「そうですね、これが徳川の家紋の影響力の大きさです」
衣玖黄門「あっ!そうだ!これに乗って行けば諸国漫遊のスピードは約10倍になるわ!西香さん、真凛さん、衣玖シードの肩に乗るのよ!」
諸国漫遊を効率的に終わらせて早くお家に帰りたい衣玖黄門の旅はまだはじまったばかりである。
~~真凛黄門~~
留音さん「ひかえおろーう!!この紋所が目に入らぬかぁー!!ひかえーい!!」
悪代官「あ、葵の御紋!おのれ……しかし徳川家など知ったことか!!相手はたった三人の美少女だ!!家来たちよ!!やってしまえーい!」
真凛黄門「えっ……紋所、目に入らないんですか……?」
衣玖さん「ひ、ひかぇい!!ひかえい!!でなければ大変な目に……っ」
悪代官「ええい!知らぬ知らぬ!者共かかれぇー!むっ、な、なんだこの地震は……はっ!?家来たちが謎の局所的地割れに巻き込まれていく!!」
真凛黄門「紋所見えないの……?」
悪代官「ひ、ひっ、わ、わかりました!我が一族は徳川家に忠を尽くします!ですから命だけは……!」
真凛黄門「じゃあ紋所、目に入るんですね?」
悪代官「は、はい!入ります!入ります!!」
真凛黄門「じゃあ入れて下さい^^」
悪代官「えっ……?」
真凛黄門「はいどうぞ、印籠です。目に入れて下さい」
悪代官「そ、そんな……そういう意味で……」
留音さん「(くっ……すまぬ……また真凛公を止められなかった……!)」
真凛「でもさっき目に入るっていいましたよね。入れて下さい。入れましょう。あんなにちゃんと見せてたのに見えてなかったんでしょう?手伝ってあげますから、ほら」
悪代官「ぎゃ、ぎゃあああーー!!目がぁー(プツン)」
放送倫理規定に従い、映像を一時中断しております。
真凛黄門「はっはっは~、今日もまた、一件落着ですね^^」
留音さん「はは……おえっぷ……」
衣玖さん「……もう嫌、こんな旅……」
人に葵紋の恐怖を植え付ける真凛黄門の徳川ディストピア化漫遊はまだまだ続く。