2019年11月11日 記☆念☆日☆王 デュエリスト記念日ダム編
2019年11月11日
今日は記念日ありすぎの日。でも少し前に解放者ルネは仕事したので解放者はお休みなのである。ワークライフバランス重視の五人少女なのだ。
そしてここはデュエリスト記念日ダム。11月11日記念日カードを使った戦いの決勝の場に立つ二人のデュエリスト。
一人は衣玖。今日はギザギザ頭に黒と金の混合色でバッチリ決め、星のような謎の髪型をしている。
もう一人は西香。金に物を言わせて手に入れた最強の記念日カードを使って決勝まで上り詰めていた。
そしてそのラストデュエルの局面は中盤にある。
衣玖「私のターン!ドロー!記念日カード!サムライの日!」
衣玖は手元の端末にサムライの日をセット。非常に強力な闘士カードである。ちなみに発動時のカードは全て人差し指と中指で挟んで持ち、顔を半分隠すように持つのがこのゲームを盛り上げる秘訣である。
衣玖「私はこのサムライで西香の場のまつげ美人に攻撃!!行け!必殺!九頭龍閃!!」
カードを腕に装着した機械に填めることで映像として3D表示されたサムライが必殺の突き攻撃を放つが。
西香「甘いですわ……わたくしはこのタイミングでシルク・ドゥ・ソレイユ『キュリオス』の日のカードを発動!!わたくしの場にいるまつげ美人はシルク・ドゥ・ソレイユばりの身のこなしで衣玖さんの攻撃を回避します!」
西香の事前に召喚していたまつげ美人の日からの使者、まつげ美人はブリキのような衣装に変わり、サムライの攻撃を踊るように回避した。
衣玖「やるわね。ならば私はカードを二枚セットしてターンエンドよ」
西香「わたくしのターン!ドロー!わたくしは、"いい獣医の日"を発動!いい獣医を召喚!そしてここで更に記念日カード、"いい出会いの日"を発動!!二人はいい出会いを果たしますわ!」
ちなみにカードを引くする時もデッキから勢いよく引き、腕を横や上に伸ばしきって引くと盛り上がる事を、西香も知っているようだ。謎のポーズを決めながらドローしている。
衣玖「い、いい出会いの日!?それは……っ」
西香「わたくしの場にいる二人の男女はいい出会いをしたことでお食事に行きました!手札に食べ物記念日のカードを二枚手札に加えます……まだ終わりませんわよ、衣玖さん!」
衣玖「くっ……」
留音「まずいぞ……完全に衣玖が押されている……」
真凛「わたし、ついていけてないです~……」
観戦に留音と真凛も来ていたが、真凛は全くついていけてないようである。
西香「わたくしはここで食べ物記念日カード、うまい棒の日をセット!いい獣医に装備!うまい棒をナイフのように扱い、攻撃力が上昇!続いてポッキー&プリッツの日をまつげ美人に装備!ポッキーとプリッツで二刀流として、攻撃力が大上昇致しますわ!」
真凛「すぐ折れちゃいますよぉ……」
留音「西香はゴリゴリのパワーデッキだな……衣玖はどう出る……」
西香「さぁ覚悟しなさいな衣玖さん!いい獣医とまつげ美人で衣玖さんのサムライに攻撃ですわ!うまい棒執刀!!チョコ&サラダ乱舞!!」
衣玖「まずい……っ!トラップ記念日カード発動!!立ち飲みの日!!このカードによって、食べ物記念日を使った闘士は同時に酒に酔ってしまい攻撃不能となる!その二人の攻撃は無効化されるわ!」
西香「なんですって?!……まぁいいでしょう……なんにせよわたくしが有利なことには代わりはありませんわ。あなたの寿命が1ターン伸びただけに過ぎないのですから……ターンエンドですわ」
衣玖「私のターンね……ドロー……くっ、このカードでは……!」
西香「もう何をしようと無駄ですわよ、衣玖さん。わたくしの手札には攻撃記念日も防御記念日も、全て揃っていますわ。さっさと降参なされてはいかが?」
衣玖「私は諦めない。サムライに豚まんの日のカード、そして生ハムの日のカードを使用して能力をアップ。そして私は……手札を一枚、場にセットしてターンエンド」
留音「(強化を振ってもまだ西香へのダイレクトアタックでライフポイントを削りきれる程の攻撃力ではない……このままでは……)」
西香「あらあら衣玖さん!もう手札が一枚しか残ってないじゃありませんか!くく、わたくしのターン!ドロー!くく、ここで引きましたわ!"ミュージカル『キャッツ』の日"!!キャッツを召喚!!わたくしの闘士の場全てにキャッツが登場いたしますわ!これで闘士は五人……衣玖さんの闘士は一人!!もうあなたに勝ち目はありませんわ!」
西香の場の闘士はみんなミュージカル仕様となり、若干騒がしい。
衣玖「……(まずいわね、逆転のあのカードが来なければ……)」
西香「ダメ押しに"きみしゃんいりこの日"と"きりたんぽの日"を発動!!全闘士がパワーアップします!続いてわたくしは全闘士で攻撃!!ミュージカル・アタック!!!」
キャッツに加え、いい獣医とまつげ美人もダンスをしながらミュージカル風な大仰な行動でサムライに迫ってくる!
留音「ダメだっ……衣玖は負けるっ……」
真凛「普通に考えたら獣医さんも美人さんもキャッツさんたちが束でかかってもお侍さんには勝てないんじゃないかなぁ……武器もポッキーですよぉ……」
衣玖「まだよ……!リバースカードオープン!私はちんあなごの日を発動!ここで使いたくはなかったけど……場はちんあなごに支配されるわ!あなたたちの攻撃は全てちんあなごに向かう!サムライに攻撃は届かない……!ごめんね、ちんあなご達……!」
場は大量のちんあなごが発生し、すべての攻撃はちんあなごに吸収された。
西香「おのれちょこざいなぁー!また1ターンの延命ですか!往生際が悪すぎますわよ衣玖さん!!さっさとやられなさい!!……わたくしはここでジャックポットの日を発動し、お宝記念日を一枚サーチ、ジュエリーデーをデッキから呼び出し、これを使用しますわ」
真凛「あっ、盤面に宝石がばらまかれてる……」
西香「このカードによってあなたの闘士は行動時にばらまかれている宝石を踏んで足を痛くする恐れがあるため、次のターン中に行動できなくなりますわ。つまりあなたのターンに攻撃は不可能。これでわたくしの勝ちは確定したようなものです。ターンエンド」
留音「なるほど、ただのパワーデッキというだけでもないようだな」
真凛「(むずむずうずうず)」
衣玖「諦めない……私は、このドローに全てをかける!!!デスティニードロー!!」
カードを引き抜く動作はまさに光刃一閃。その記念日カードを見た衣玖は時間が止まったかのように、そのカードをじっと見つめていた。そして微かに笑いをこぼれさせていく。運命を手繰り寄せたのだ。
衣玖「……ふふ、ふふふ……いくわよ西香!わたしは闘士カードサムライに、このカードを使う!!」
西香「な、なんだと言うのです!!一体何を引いたのですか!」
衣玖「進化カード、勇者の日。この記念日により、サムライは勇者へと進化する……全能力値4倍!最強の闘士の完成よ!」
ここで先程の生ハムの日と豚まんの日が活きたのだ。上昇効果も全て4倍となった。まさに1が4つ並ぶ今日に相応しいスーパーバフ効果と言えるだろう。
西香「なっ、なんですってっ!?し、しかしまだですわ!わたくしの使用したジュエリーデーによって衣玖さんの闘士は攻撃不可能なはず……」
衣玖「悪いわね……11という数字は、プラスとマイナスで表現出来るのよ……セットしていた記念日カードを発動!"プラズマクラスターの日"!!きれいな空気を放出し、ばらまかれたジュエルは全て吹き飛ぶわ!!」
西香「そ、そんなことが可能なんですの?!」
真凛「不可能だと思いますぅー……」
衣玖「さぁ、盤面が片付いたわね。続いて勇者の攻撃……でもこのままでは西香へのダイレクトアタックは通らない……キャッツ達が邪魔だからね。さぁ見なさい!私の最後のカードよ!!西香の大嫌いな、このカードで決着をつける!!」
西香「な、なんですの!?それは!!」
衣玖「"介護の日"発動!!西香の場の若者は全てご老人の介護へ向かう!キャッツメンバーも獣医も美人もよ!!」
西香「そ、そんな……っ!いや!!介護は嫌!!わたくしはちやほやされたいの!!他人の介護なんていやー!!!」
衣玖「場が空いた!行け勇者!!西香にダイレクトアタックよ!!ギガスラ―――ッシュ!!!!」
西香「そんなぁぁーーーっ!!!……わたくしが……このわたくしが、負けるなんて……」
真凛「もう全然意味がわからないですよぉ……というかなんで戦ってたんですかぁ?」
留音「それはあたしも知らんが衣玖の勝ちだ……やっぱり日めくりを始めただけの事はある、あいつが日めくりのチャンプだ!!」
衣玖は手元にある日めくり11月11日デッキに自然と溢れた感謝の気持から微笑み、そして空を仰ぐのだった。ありがとう11月11日。でもちょっと記念日多すぎである。