【特別回】日めくれ!がついに100回達成!&ファンアートだー!
2019年10月22日
留音「たーいへんだー!!100回だ!!あたしたちの日めくり企画が100回に到達したぞー!」
昼を過ぎたあたり、何がきっかけで気づいたのか、留音は突然みんなのいるリビングに現れるなりそうはしゃいで言った。
真凛「最初の会議を抜けば、ここで100回目ですね~っ!やったぁー☆」
西香「はぁー。続けば続くものですわね。わたくしはそこそこあっという間という感じですわ」
あの子「٩(๑❛ᴗ❛๑)۶」
真凛は知っていたのか、再確認するように。そして西香は他人事のように、そしてあの子もみんなを褒めるように振る舞い、それぞれ100回目の日めくりに対して感じ入る。だがそこに衣玖の姿が無いことに気がつく留音。
留音「なーっ。……ってあれ?衣玖は?日めくりって一応あいつの企画なのに……」
キョロキョロ。リビングにはいないようだ。真凛は心当たりがあるようだ。
真凛「あ、あーっ……寝てるんじゃないかな―っ……?」
留音「なんだよー、今日の猫の日めくりのときといい、全然姿見せないじゃん。せっかくの100回目だってのに……」
真凛「(衣玖にゃんさんの事は秘密にしなきゃ……)」
実は少し前に日めくりネタで衣玖は猫になっていたのだが……それはこの前の日めくり参照である。
西香「まぁそんなもんですわよ。あの人は変わり者ですからね。始めた日にも意味はありませんでしたし、1ヶ月記念日もあっさり忘れてるような人ですわ。わたくし達だけでちゃちゃっとお祝いしておきま……あら?」
そこにガガガ、ビビビ、という音が響いた。
留音「プリンタが動いてるな。なんだろ?」
みんなはパソコンに備え付けられたプリンタに群がる。めったに動かないそれが、少しずつカラー印刷を始めた。
真凛「……あっ!見てください!祝100回って書いてありますよぉ!」
西香「あぇっ?……ちょっとこれ……はわわわわ……まさかっ……」
あの子「(๑ÖㅁÖ๑)」
そこにはなんと、記念の言葉と共にとある人物の肖像が描かれていた。
留音「ふぁ、ふぁふぁ、ファンアートだぁぁぁ!!届いた―ぁぁぁ!!」
真凛「100回目の!記念の!描いてくれた!ファンアートですよぉー!!」
みんなは嬉しさで日本語が不自由になっているようだ。
西香「なんっ、なぁ、なっ、……わたくしがいないですわ!!!」
留音「い、衣玖だこれ……うわぁー、あいつついにやったなぁー……!描写少なめ、髪色ブレブレのあいつが……ついにファンアートを……あぁっ、なんかあたしもちょっと嬉しくなるよっ!」
真凛「衣玖さんかわいー!やりましたね~!これでついにみんなファンアートを貰いましたね!」
留音「だなー!衣玖に教えてあげないと!寝てんだろっ?部屋行こ!」
なんて衣玖の部屋の方に向かい始めるのだが。
西香「ゔぁたくしいにはないんですけどぅぉ!?」
血反吐でも巻き散らかしそうな勢いで西香がそう言うと、留音は冷静にそのアートの隅の方を指差してこう指摘する。
留音「いやいや、落ち着け西香……ほらここを見ろ、お前この辺に居るよ、一言喋ってる声が拾われてるんだよ」
そこにはとある一言が添えられていたのだが。
西香「……なっ、なるほど、これをわたくしが言うことでわたくしも実質このファンアートに登場していると捉えられるわけですわねっへへ。ってそんな事ありますかいなァ!!」
少し壊れ気味にノリツッコミに興じる西香。
真凛「(西香さんが混乱している^^)」
西香「どうしてなんですの!?どうしてわたくしよりもあんなにちんちくりんなマッドサイエンスパンクロックガールに先を越され……っ!やだやだやだ~!うえぇぇぇええん!」
あの子「 (๑•﹏•)」
西香は寝転んでジタバタとのたうち回っている。なんて話をしていたら衣玖の部屋の前に到着し、留音と真凛は楽しそうに呼びかけた。
留音「だってよー!衣玖ー!」
真凛「起きて下さいー!」
西香「ちょっとー!!それわたくしの!!その呼びかけはわたくしが使うやつですからー!」
衣玖の部屋の扉の前でそんなやり取りをしているので、当然寝ている衣玖にもしっかり聞こえるようだ。ベッドの中で薄めを開け、鬱陶しそうにもう一度毛布をかぶり直す。
衣玖「(ん……るさいな……さっきの猫化のせいか眠気がマッハだってのに……)」
真凛「ほらほら西香さん、ちゃんとファンアートに登場してるっぽい事にしたいなら多分このタイミングですよぉ。そうだ、ついでに西香さんから衣玖さんの描かれたファンアートが届いたって教えてあげればいいんですよぉ~」
留音「(鬼か)」
西香「ぐぬ……でもわたくしもこのアートに無理やりねじ込みたい……やるしかありませんわね!!衣玖さん!日めくれ100回記念のファンアートですってよ衣玖さん!起きて下さい!」
衣玖「ぁにぃ……?さっきからもぉ……」
衣玖は邪悪なドクロのポスターだのといったパンキッシュアイテムやら、研究成果の開発品や衣服などが散乱した自室で目を覚まし、その眠気眼をこすって気怠げな表情を浮かべる。
衣玖「ふぁー……(仕方ない……起きるか……)」
西香「これでこのファンアートは実質わたくしのことも描いている……ふへ、そうですわよ……わたくしだってあの子同様、美しすぎて描けないのですから、こういった演出できっと……」
留音「もうそういうことにしような。きっとここに映ってる窓から見える空の青々とした様子は紛れもなくあの子のメタファーだけど……、これで実質的にみんながファンアート貰ったことになるよ」
あの子「(⁎˃ᴗ˂⁎)」
西香「やりましたわー!!!!イエスイエス!へ、へへっへ」
真凛「(あっ西香さん壊れちゃった)」
この後アートを見た衣玖だが、まさか自分に来るとは思っていなかったようだったが、次第にその事実を噛み締めていき歓喜に包み込まれたようだ。それからほんの少しだけ可愛さについての意識も高まったという。
衣玖「(私ももっとヘヴィメタメイクやパンクゴスを極めなきゃ……!)」
普通とは少し違う意識の高まりではあったが、とにかく嬉しかったようだ。
衣玖「(日めくり初めて良かった……)」
感謝で満たされるというものである。