2019年10月21日 決戦!関ヶ原!!VS五人少女
2019年10月21日
関ヶ原の戦い。10月21日に開戦し、半日で決着したという決戦である。
東軍率いる徳川家康と、西軍率いる石田三成の戦いは、かの豊臣秀吉公の死に端を発する政争である。
だがこの動乱の時代に生きる、一人の少女がいた。
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~~~もしも衣玖が介入したら~~~
衣玖「予定通り、ファーストフェイズを開始する……」
西軍兵士「……あれは?」
ふと、上空に光を見た兵士は戦場のど真ん中で立ち止まり、その光を視認する。別の場所でまた、東軍陣営もそれに気づき望遠筒を覗き込んだ。
東軍将兵「なんだ……?人型の絡繰り……?」
その将兵の様子に気づき空を見上げた彼、将軍家康は家臣の一人に声をかけた。
徳川家康「忠勝よ、出陣準備だ」
本多忠勝「(キュイーン!ガシャンガシャン!)」
カタパルトに両足をセットし、前傾姿勢になった本多忠勝は上空に向かって高く打ち出された。
衣玖「出てきたか……東軍の新型……ホンダム」
衣玖はコックピットの中から東軍決戦兵器、ホンダムの動きを見ている絡繰りギアが駆動し、ホンダムがドリルアームズで攻撃を仕掛けてきたが、衣玖はおよそ絡繰りとは思えない身のこなしでひらりとそれを交わし、片手に持ったビームサーベルでそのドリルアームズを一刀両断にする。
そしてその勝敗は一瞬であった。衣玖の乗った絡繰りは時代が最低でも1000年は進んでいたのだ。推進力無しでの浮力に加え、ビーム兵装を持つ衣玖に、鉄砲や大砲を主火力としたホンダムに太刀打ちは出来なかった。
そこに全軍に向け、衣玖の絡繰りを中心にして巨大なスクリーンが世界中に投影された。
衣玖「地球で生まれ育った、すべての人類に報告させていただきます。私はこの機動兵器、イクダムを所有する私設武装ロックサイエンティストです。私は自らの利益のために行動はしません。私の目的はこの世界から戦争行為を根絶することにあります。只今を持って、全ての人類に向けて宣言します。領土、宗教、エネルギー。どのような理由があろうとも、私は全ての戦争行為に対し、武力による介入を開始します」
夜明けの鐘が鳴る……。
留音の一言
「時代考証がぶっ壊れてるな。ってか盛大にパクってんだよな」
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~~~もしも真凛が介入したら~~~
西軍兵士「小早川氏も寝返った……東軍を包囲していた我々の陣営はもう終わりだ……」
東軍将兵「道を開けよ!石田三成を差し出せ!家康公の軍門に降るならば、将兵以下には温情を下す!さぁさぁさぁ!抵抗しても斬られるだけであるぞ!!」
真凛「……」
西軍兵士「っく……死にたくねぇよぉ……かあちゃん……」
真凛「(何故同じ人同士で争っているんでしょう……)」
東軍兵士「ぐはっ……死なば……もろともぉ!」
西軍兵士「うぐ……おの……れ……」
真凛「(こうして争って苦しむのであれば……こんな世界存在する価値が、必要があるのでしょうか)」
西軍兵士「や、やめてくれっ!命だけはっ……ぐゎああ!」
真凛「(人間は醜い)」
東軍兵士「な、なんだ?地震がっ……?!」
真凛「(もうおやすみ)」
西軍将兵「じ、地割れだ!大地が割れてっ……!」
真凛「さようなら、愚かなモノたち」
大地は崩壊し、地球は人類の無い世界に再創造される。
西香の一言
「ホント、たまにただただ単純に怖いんですのよ、あなた」
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~~~もしも留音が介入したら~~~
留音「オラァァァァ!うるせぇんだよホラガイやら太鼓やらぁ!!ニコニコやれつってんだこらあああ!あたしが全員相手してやらぁよぉおおお!!」
東軍、西軍との最前線に現れたその美少女の名は留音。最強流格闘術を身に着けた彼女にとって、総数二十万の兵力など相手にもならない。
留音「おっらおっらおっらおっらおっらおっらおっら!」
ちぎっては投げ、またちぎっては投げ。そしてたまに超最強波で土地ごと蹴散らして回る。
西軍兵士「あ、あくまだ……」
西軍は山を背後に抱え、撤退の道がない。背後を山の壁にすることで防御を固めたつもりだったのだが、最強の敵相手では自分をただ逃げ道のない袋小路に追い込んだだけである。
東軍将兵「西軍兵よ!そちらの山では追い込まれるぞー!こっちへ逃げろ―!」
留音「戦国最強の猛者はどこだぁー!?真田幸村はいないのかぁ?!」
東軍将兵「家康公!我々に寝返った小早川陣営があの女の放った光にやられ、およそ2万の兵力が一瞬で戦闘不能に!」
徳川家康「ぐぬぬ……西軍に使いを走らせよ!両陣営協力し、この場を凌ぎ切るのだ!一人でも多くの兵士達を撤退させよ!」
留音「たまの最強設定で大暴れだぞドラドラドラドラ!!」
しっちゃかめっちゃかになった戦場だが、この一件により関が原の戦いの結果は西軍東軍の統一となり、より早い段階で戦国と呼ばれる時代は終わりを迎えたのだという。
留音「我こそは!天下無双のツワモノなりぃ!」
真・戦国無双。
真凛の一言
「たまの最強設定、と言っちゃってるところが良いと思います^^」
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~~~もしも西香が介入したら~~~
東軍兵士「あ、あれは一体……」
戦場のど真ん中を闊歩する一人の美少女。
西軍兵士「はっ……なんと可憐な……」
西香「皆さん、聞いてくださいまし。どうか……」
東軍将兵&西軍将兵『全軍!!戦を中断せよ!!えぇい!中断せぬか!今すぐやめなければ打首に処す!』
西香「わたくし、争いは好みませんの。ここはわたくしの涙に免じて、どうかその矛を収めてはいただけないでしょうか」(目薬片手に)
石田三成「しかし……私達は亡き秀吉公の意志を継ぐために……」
西香「そのヒデ・ヨシコさんがお友達のわたくしに言伝を頼んだのです。戦争に出る兵士をそのまま労働力にしたほうがこの国は良くなると……皆さん!まだ耕されていない土地はたくさんあります!小さな土地や権力なんかにはこだわらず、土地を耕してくださいまし!山を削って農作物を植えましょう!その方が内戦するよりもずっとお金になるのです!わたくしは皆さんが働いてくださる方が嬉しいのです!そしてどうか!わたくしに美味しいご飯を食べさせてくださいまし!」
石田三成「家康公……私はあの美少女になら大将の座を捨て、百姓にもなろうと思えるのだが……」
徳川家康「……あのような可憐な美少女に言われてしまっては……某も何も言えまいて。よし、皆よ!これより拙者たちは農民となり畑を耕す!全てはあの美少女のために!!!」
両軍兵士「えい!えい!おー!!」
西香「わたくしにっこり」
衣玖の一言
「あれっ……これもしかして一番平和……?」
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~~~もしもあの子が介入したら~~~
関ヶ原は凄惨な戦場となり、怒号と絶叫が響き渡っている。
少女は一人、天の上からそれを見下ろしてしくしくと泣いていた。たった一人の少女に戦を止めることなど出来るはずもない。人々の命の炎が燃えたぎり、ろうそくのように消えていく。少女は自分の無力を呪うのみであった。
しかし……その少女の涙に応える声があった。その声は時空をも越えて届く。
留音「おらああああああああ!!!泣かせてんのか!!あの子泣かせてんのかお前らはよおぉ?!?!」
衣玖「ターゲット・マルチロック……不殺だけど一生残る傷にしてやるわよ」
真凛「みんな消してしまうとあの子も悲しむし……わたしはこの子と見てるだけですー。よしよし、大丈夫ですからね~」
西香「みなさーん!この野蛮な方たちに倒されてしまう前にわたくしのファンになりなさーい!山を削って土地を開拓いたしましょうー!」
なんだかんだで平和になった。全てはあの子のニコニコのために。一人の少女の笑顔を守る……そんな理由で世界は平和になれるはずだ。
みんなの一言
『今日は国際反戦デー!』