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最前線のヒストリアン  作者: 間庭ケイジ
日常生活編
3/8

第67回緊急国際会議①

第3部 第67回緊急国際会議①






俺が向かっている目的地はさほど遠くない。と言っても歩いて少なくとも30分ぐらいはかかる。そして俺は今、1人ではなく彼女と一緒に向かっている。

「さっきのあれ、ほんっとうにカッコよかった!何回も言うけど助けてくれてありがとう!」つい1時間前まではあんなに怯えていたのにすっかり元気になっているな。ま、俺的にはやっぱり悲しんでる顔より笑っている顔の方がいいんだけどな。というか、女子にカッコいいって言われるとやっぱり嬉しいな。

俺は照れ臭さを隠しきれなかった。

「俺は別に礼をされるようなことはしてないさ。俺的にはあれが普通だと思ってる。けど、さっきも言ったようにあそこはチンピラが多いって聞くから本当に気をつけろよ?」

「その時はまた海斗が助けてくれるでしょ?」

「なに言ってんだ。俺たち初対面でしかも目的地に着いたら別れるんだぞ?今回は俺がいたから助かったけど次はないかもしれないんだぞ?」

俺は夏希にそう言った。

「うん。ありがとう。今度からもっと気をつける。」

夏希は笑顔で俺にそう言った。

「あ、ところでどうして海斗は歴史学者になろうと思ったの?」

その言葉を聞いた瞬間俺は少し黙り込んでしまった。

「海斗?」

「え、あ、ごめんごめん。あんまりこの事人に話した事ないんだ…実はさ、俺の両親が夫婦で歴史学者をやっててさ、ガキんときからよく教えられてたんだ。けど、ある日、両親が死んでしまったんだ。それで俺は、父さんと母さんが何を探し求めていたのか知りたくてさ、それで一から歴史の全てを勉強して、歴史学者になったんだ。」

「気の毒に…きっととってもいい人たちだったんだろうね。」

「ああ、父さんたちは偉大だった。」

そう、父さんと母さんは偉大だった。だが、死んだ。いや、殺された。奴らに。父さんと母さんだけじゃない。大勢の人が、奴らに殺された。奴らは、平気で人を殺す。

もう、あんな悲劇が起こらないためにも…

「ごめんね。何か…」

「いや、いいんだ。もう二年も前のことだし。」

本当は全然良くないが、この事は絶対に一般には言わないようにしてるしな。

「よし、着いたな。」

さっきのことから、気を遣ってるのかずっと沈黙のまま着いた。

「ここって…どこ?」

「って知らないのかよ。」

思わずツッコミを入れてしまった俺が恥ずかしい。

そして俺は、気を取り直して言った。

「ここはあの超有名なバッキンガム宮殿だ。」

「聞いた事はあるけどあんまりよく知らないんだけど。

「まあ、簡単に言うとイギリス王室のお屋敷ってところかな。」

簡潔に言い過ぎた気もしたが、俺もあまり時間がないし、とりあえずこれで良いか。

「へぇ〜。そうだったんだ。海斗って物知りなんだね!」

「いや、これぐらいは誰でも知ってるだろう。」

と言いつつも内心照れている俺がいる。

「あ、そういえば、何で海斗ってそんなに強いの?」

あまりに急すぎたので俺も少し戸惑ったがちゃんと答えた。

「俺は別に強くないさ。ただ、歴史の偉人たちにもいろんな種類があるだろ?政治に関わっていた者や、科学や天文学に関わっていた者、音楽や美術に関わっていた者他にも無数にあるけど俺はそういう偉人たちが何を求めて、何を知りたかったのか。俺は自分の体で確かめたかったんだ。だから、歴史にかんけいなくても自然に身につくんだ。さっきの武術も歴史には戦争が欠かせない。だから、俺は、彼らがどういう風に戦ったのかも自分で実際にやってみて覚えるんだ。」

「おお!凄い!何だかカッコイイね。」




だが、俺が武術を習得したのにはもう一つの理由がある…

そう、奴らを皆殺しにするためだ。

これが俺の唯一の望みであり、天命だ。

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