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最前線のヒストリアン  作者: 間庭ケイジ
日常生活編
2/8

如月夏希

第2部 如月夏希





肌がとても白く、髪は黒のロングヘアで、耳は普通の人より少し小さく、目のとてもぱっちりしている。身長は150後半ってところだろう。彼女を一言で表すなら美少女という言葉に尽きる。


どうしてこんな英語もろくに話せない美少女がこんなチンピラが多いところに一人でいるんだ?

まあ、何かそれなりの理由があるんだと思うけど。

「あの…私、本当に本当に何も持っていないので、許して下さい。」

彼女は突然俺にそう言ってきた。

「いや、だからさっきも言ったように俺は君の味方だって。さっきの見ただろ?俺があいつらをぶん殴ったところを。」

気づけばそこにいた人たちは俺に盛大な拍手をしている。だが、今はそれどころじゃない。彼女を説得させるほうが何十倍も大事だ。

「仲間割れとかじゃないんですか?」

彼女は未だに怯えていた。

「それなら喧嘩じゃ済まないさ。」

「じゃあ、あの人たちの敵で横取りしたとかじゃないんですか?」

「それはもっとない。仮に俺がチンピラだったとしてもこんな人気の多いところでなんか襲わないよ。」

「じゃあ本当に何もしないんですか?」

「だからさっきから言ってるだろ。」

すると彼女は少しほっとした様子を見せた。

「とりあえずここはまだ危険だし近くの喫茶店で話そうか。

その喫茶店とは、俺がロンドンに来たら一度は行ってみたかった喫茶店だ。中はとても静かで何よりコーヒーかめちゃくちゃ美味いと聞く。

「分かりました。」

彼女は少し冷静になったのか素直にオッケーをもらった。

そして、その喫茶店には5分もかからずに着いた。昼にはあまり人がいなく、俺たちは運良く入れた。

「さてと今は人もあんまりいないし大丈夫だろ。」

俺はそう呟いて自分が掛けているメガネを外した。

「何も驚かないのか?」

俺がメガネを外しても全然ピクリともしない。

「何がですか?」

彼女は平然としていて驚くどころか俺が不思議に思っているのを疑問に思っている。

「俺を見ても驚かないのか?」

「何でですか?」

尚も彼女は平然としている。まるで俺のことを知らないかのように。いや、だが世界でも顔が利くのに同じ日本人で知らないはずは…

「何をそんなに考えているんですか?」

「君、俺のことを知らないのか?」

「はい。初対面ですし。」

「いや、そういう問題じゃなくて…」

この子天然か?

「ほら、あれだよ。高校生歴史学者の…」

「………?」

「あーもう。新木海斗だよ!」

「誰ですか?」

俺は思わずイスから落ちそうになった。

「君、家に電子機器ほとんどないだろ?」

「おぉー何で分かったんですか?」

やっぱり。

彼女はとても興奮していて理由をとても気になっている。そして、俺は1から全部話した。納得していただくのに10分もかかった。

そして、俺は気づいた。話の論点がだいぶずれていることを。

「話は変わるけど君の名前を教えてくれないか?」

「分かりました。私の名前は如月夏希と言います。

「夏希か。良い名前だ。俺はさっきも言ったように新木海斗。今更だけど敬語はよしてくれ。海斗で良い。」

すると彼女は分かったと言わんばかりに首を振った。

「さて、どうして夏希はこんなところに一人でいるんだ?今はゴールデンウィークだし、一人旅的なやつか?」

「ううん。実は父の仕事の関係で1週間だけ、ロンドンに来ることになったの。でも、さっきお店を見るのに没頭してたら、父とはぐれて…」

「大変じゃないか!何でそんな大事なこと、もっと早く言わなかったんだ。今頃、夏希のお父さんはとても心配してあちこち捜しているぞ。

「それはないよ…」

今、夏希が何か言ったがあまりに小さい声で何を言ったか分からなかった。だが、少し哀しそうだった。

「今すぐ警察に…」

待てよ。よくよく考えてみればどうしてあんな物騒な事件でしかも人気が多いところだったのに誰一人警察が駆け寄らなかったんだ?

怪しい。怪しすぎる。

「海斗?」

「あ、え、いや、悪い。」

考えすぎか…

「とりあえず、君のお父さん、警察を呼んでると思うから俺もここの店の人に警察を呼んでもらって、君のお父さんと合流するようにするよ。どのみち俺は今から行かなければならない所があるし。」

そうだ。俺はそのためにロンドンまで来たんだ。

俺は店の人に警察を頼んだ。

「じゃあな。もう変なやつに絡まれんじゃねーぞ。」

俺はそう言って夏希にあいさつし手を振った。

「待って。」

「え?」

「何かお礼をさせて。」

変な展開になってしまった。

「いや、いいよ。夏希が無事ならそれでいいし。」

俺はそんなために彼女を助けたんじゃない。ましてやそんなもの欲しくない。

「お願い。そうしないと私の気持ちが収まらない。」

困ったなあ。

「じゃあ、こうしよう。俺は今から向かう場所がある。底まで付き合ったくれ。夏希ともっと話しがしたくなった。」

「そんなのでいいの?」

「ああ。」

ここから向こうまで結構遠いし、暇だからな。それに、道中、夏希のお父さんと出会うかもしれないし。まあ、俺といる限りそこまで心配しなくてもいいだろう。





その目的地にたどり着いたとき、まさかあんなおおごとだとは思わなかった。

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