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最前線のヒストリアン  作者: 間庭ケイジ
日常生活編
1/8

ここから始まる

第1部 ここから始まる






これは俺が彼女と出会い人生の幕を閉じるまでの長い長い物語である。



2017年5月1日


これほどに空が青く輝く街は早々ないだろう。多くの人々がにぎわっている。

「良い景色だ」

どこを歩いても19世紀にでてきそうな建物ばかりでなかにはもっと古いものもある。

「おっあれはビックベンか。やっぱり生で見ると迫力が違うなー。」

彼の名前は新木海斗。彼はこの物語のいわゆる主人公である。年齢は17でごく普通の高校生‥‥‥‥‥‥‥というのが普通だが彼は違う。まあいろんな意味で、だが普通の高校生と大きく異なる点がある。それは彼が歴史学者であるということだ。しかも飛び抜けた天才‥‥‥とだけ今は言っておこう。

「しっかしここ本当人多いよな。やっぱりロンドンはすげーや。」

俺はメガネ

を掛けていて1人でそう呟きながら歩いてた。すると、中心街らしいところに何故か大勢の人たちが集まっている。ちょうど暇だったし俺も気になって少し見ていこうと思った。ただでさえ人が多いこの街で一ヵ所に集まるということはよっぽどのことなんだろう。

「なるほど‥‥‥そういうことか。」



おおかた予想はしていたがまさか本当にそうだとは思っていなかった。そう恐喝だ。何せこんな人の多い所でそんなことしているなんて相当の自信家かあるいは馬鹿としか言いようがないからだ。男が3人いて俺ぐらいの娘を恐喝している。170cm代が2人と180cm代が1人。がたいと身長。それに顔のシワからして20代後半ってところだろう。少女の顔は帽子が邪魔で見えない。でも、助けを求めているのは十分なぐらいに分かった。そしてそれを見ている人たちは何十人いや、何百人もいる。だが誰も動こうとしない。それがこの世界の常識なのだ。どこに行ってもそれは変わらない。だが俺は気づかない内に自然に足が動いてた。理由は分かっている。

「俺は普通じゃないからな。」

彼女はずっと抵抗していて怒った1人が手を挙げようとしていた。その瞬間俺はそいつの手を握った。

(その辺にしてやってくれないか。)

そこにいた誰もが呆然としていた。ま、そりゃそうだろう。相手は3人でしかも年上。普通ならばこれは自殺行為だからだ。

(何だてめぇ?ていうかお前ら、こいつぁ見せもんじゃねえぞ!)

予想通りの返答だ。他の人からしたら俺はメガネを掛けているごく普通の東洋人に見える。これにはちゃんと理由があるんだけど。

(3対1でしかも相手は少女。お前ら、それでも男かよ。)

今度は180cm代の男が鼻で笑いながら俺を軽蔑してくる。

(誰だか知らねーが死にたくなきゃとっと消えな。俺はこの街で最強で最凶。恐喝王レイザースとは俺のことよ。)

(え、誰?)

聞き覚えのない名前に俺はそうつっこんだ。

(まあ、俺も喧嘩はあまり好きじゃないからさ今日のところは勘弁してやってくれ)

(はい。分かりました。なんて言う分けねーだろ)

(ならしょうがない‥‥)

そう言って俺は少女の手を握ってた奴をぶん殴った。

(何しやがるてめぇ!やんのか。)

するとナイフを持っていたやつが俺に切りかかってきた。こいつの心理状態からしておそらく右右左右アッパーってつところだろう。おれはそれを予想し見事的中しよけた。

(なんだこいつ全然当たらねー)

(次はこっちの番だ)

俺はまず右足を横腹に入れ‥‥‥‥そいつは一発で気絶した。

(残るはお前1人だ。どうするまだやるか?)

180cm代のレイなんとかはそのまま怯えながら逃げていった。

(お、覚えとけよー!)

そいつはそんなありがちな言葉を言い残した。てか、メガネかけるだけで気づかれないとか。メガネの力すげー。って感心してる場合しゃないな。

(大丈夫か?)

俺は少女に問いかけた。

(…………)

あれ、何も返事してこない。

(あの……大丈夫ですか?)

(…………)

よく見ると少女の足が少し震えている。

怯えているのか?

(お、おい…)

するととたん少女はとても大きな声で

「す、すみません!私、ここに来るのが初めてで。お金は持っていないのでどうかお引き取り下さい!」

予想外だった。まさかその子が日本人だとは。

その瞬間、風が大きく揺れ彼女の帽子が大空に飛んでいった。

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